2月に入り、富山県・魚津市の港で、極めて危険な生物が大量に見つかっている。
海底のそこかしこにいたのは、「ガンガゼ類」と呼ばれるウニの仲間。毒があり、各自治体が注意を呼びかけている危険生物だ。
「正直、最初見たときは驚きました。ガンガゼの仲間は、トゲに毒があります。そしてトゲは、刺さると必ずといっていいほど折れますので、皮膚の中に折れたトゲが残ってしまいます」
そう話すのは、魚津水族館の木村知晴さん。
2月、木村さんが潜水調査を行ったところ、海岸からほど近い場所で50匹以上のガンガゼ類を発見という。
これまでも富山県沿岸で見つかったことはあったが、その数は1~2匹程度(2019年・2021年)。一体なぜ、今年はこれほど大量発生しているのだろうか。
魚津水族館 木村知晴さん:例年だと、冬場の寒い時期の水温に耐えられずに、ガンガゼの仲間は死亡すると予想しているんですけれども、今年は例年よりも海水温が少し高いので。
通常ガンガゼ類が住むのは、温暖な海域。冬を越して生息しているとは、これまで考えられてこなかった。
海水温の高い太平洋側では、ガンガゼ類が漁業にも悪影響を及ぼしている。
海藻がガンガゼ類などに食べられてしまい、「海の砂漠化」とも呼ばれる「磯焼け」の一因となっているのだ。
今年に入り、全国で相次いでいる海の異変。
1月に大阪府の淀川に現れた「淀ちゃん」を皮切りに、珍しい目撃情報や大量発生などが立て続いていて、海水温の変化はその原因の一つとみられている。
魚津水族館は、海水温の上昇で今後、ガンガゼ類が富山湾全域で爆発的に増える可能性があり、注意が必要だとしている。
(「イット!」2月23日放送より)