「箱根駅伝」総合優勝により史上5校目の大学駅伝3冠を達成し、さらに名将・大八木弘明監督が勇退を発表するなど、年明けからマスコミの話題をさらっている駒澤大学。大学構内はさぞや歓喜の声で溢れ返っているのだろうと思われたが、目下の駒大は昨年11月に行われた「ミスコンテスト」を巡る騒動で揺れに揺れているという。
同大学で起きたトラブルから透けて見えるのは、過熱するキャンパスコンテストの知られざる実態であった。
【画像】トラブル続出!駒沢大学「ミスコンテスト」に出場した学生たちの初々しい姿女子学生は泣き崩れ… 駒澤大学で「ミスコン」のファイナルイベントが行われたのは昨年11月6日のこと。2日間にわたって行われた学園祭のフィナーレを飾る目玉イベントとして、この日、最終投票と授賞式が行われた。ジェンダーフリーの世相を反映して「MASコンテスト」(Most Attractive Student)と名付けられた駒大のコンテストには、男女それぞれ6名の学生がエントリー。合計12名の出場者の中から「ミス」と「ミスター」の各部門でグランプリと準グランプリが1名ずつ選出されることになっていた。公式インスタグラムより 授賞式の様子を会場で見ていた同大の学生が言う。「授賞式では出場した12人が会場に設けられた壇上に上がり、女子学生はウェディングドレス姿で、男子学生はタキシード姿で結果発表を待つんです。例年、授賞式の段階になればだいたい誰がグランプリを取るか予想がつくものなのですが、今年は大波乱。ミスもミスターも、本命とは言えない候補者がグランプリやスポンサー賞に輝きました。本命視されながら受賞を逃した女子学生は泣き崩れ、他の候補者たちも“あり得ない!”と言わんばかりの表情で結果に呆れ返っていた。その後、大学の内外で“コンテストで運営が不正を行った”というウワサが駆け巡り、外部の指摘から大学当局が調査に乗り出す事態となったのです」ライブ配信 キャンパスコンテストなんて所詮は大学生のお遊び。“不正だ”なんて大袈裟な――。そう感じる向きもあるかもしれないが、駒澤大学に限らず、今やキャンパスコンテストは学生が心身をすり減らす過酷なレースに変貌しつつある。 昨年も東は東京大学や慶應義塾大学、青山学院大学、西は関西大学に関西学院大学、同志社大学、立命館大学といった名門大学で学生有志によるキャンパスコンテストが開催されているが、出場する学生たちの負担が増加しているのはどこも同じ。ある大学のコンテスト運営に携わった学生によれば、そこには共通の原因があるのだという。「かつてのミスコンといえば、学園祭当日に学生たちが投票で候補者の中からグランプリを選出するというものだった。でもここ数年、ライブ配信アプリの台頭で、キャンパスコンテストもライブ配信を使った審査が一般的になっている。これに合わせて審査期間も長期化していて、たいていの大学が7月から11月の学園祭まで、4カ月にわたってコンテストを開催しているんです」 ライブ配信アプリとは、テレビなどの仕事があまりない若いタレントやアイドル、女優がアプリ上でトークライブを行い、それをファンに視聴してもらうことで収入を得ることが出来るもの。単に配信をすれば収入が得られるわけではなく、稼ぎをあげるためにはファンにアプリ内で購入したポイントやアイテムを渡してもらう、つまり“投げ銭”をしてもらう必要がある。そして、この“ライブ配信”と“投げ銭”こそが、キャンパスコンテスト過酷化の要因となっているのだ。投げ銭「キャンパスコンテストの場合、集めた“投げ銭”が収入ではなくコンテストの点数に直結するため、より多くのポイントを得るために学生は投げ銭をしてくれる視聴者に迎合せざるを得ないところがあるんです。なにせライブ配信で得たポイントはコンテストの得点の3分の1程度を占めるため、配信で大きな差を付けられてしまうと挽回することが出来なくなる。配信レースが過熱するのは当たり前で、トータル400万~500万ポイントを稼ぎ出す学生も珍しくありません。このポイントは100ポイント=120円で購入されるものなので、400万~500万ポイントだと単純計算で600万円近くの売り上げ。出場者たちはこれを7月から11月までの4カ月間で稼ぎ出すことになる。ちなみにライブ配信アプリの視聴者の多くは男性。ですからキャンパスコンテストにジェンダーフリーの風がいくら吹いたところで、男子学生の配信はほとんど需要がありません。一方、キャンパスコンテストに出場している女子学生の配信はアプリ内でも人気になることが多く、多くの男性客が視聴に訪れる。中には女子学生相手に何十万円もするアイテムを“投げ銭”してくれる太客のような男性もいますし、投げ銭など一切せずにひたすら“無料”で女子学生たちの配信をザッピングしている人もいます」月100時間 このような大学生によるライブ配信は、“インターネットキャバクラ”“無料キャバクラ”と呼ばれ、これまでも投げ銭をダシに女子学生に絡む“ミスおじ(ミスコンおじさん)”の存在が問題視されたこともあった。 実際、ある大学のコンテストに出場した女子学生もこう話す。「私は昨年出場しましたが、配信イベントのある期間は、配信時間が月100時間を超えることも珍しくありませんでした。しかもライブ配信をするのは視聴者が付きやすい午後9時から深夜にかけて。そのためにバイトを辞め、勉強時間も睡眠時間も削ってライブ配信に取り組むんです。単に喋っているだけではポイントは得られず、ファンから寄せられるコメントに全て丁寧に返信するなど細かい配慮も欠かせません。配信がない日でもファンの方からコメントが100件近く届くため、それに返信する必要がある。ミスおじのニックネームとか趣味、職業、居住地をノートにメモしてあって、それを見返しながら返信内容を考えるので、返信の代行を家族や友人に頼むこともできない。返信をしなかったり手を抜いたりするとポイントを貰えないどころか誹謗中傷で配信を邪魔されることすらあるので、神経をすり減らします。もちろん有料アイテムで応援してくれる人や配信を褒めてくれる人もいて自己肯定感が上がることもありますが、不快になるような質問をしたり、リアルでの交際を求めてくる人もいます。アイドルやモデルと違ってミスコンの学生は必死に返信をしますから、ミスおじたちも楽しいんでしょう」プライベートな写真をお見せします 昨今のミスコンはそこまでしないといけないのか――。善良な“オトナ”なら胸を痛めるような話ばかりだが、さらに過酷な取り組みをしている女子学生もいるという。「ミスコンを開催している多くの大学では、ライブ配信のポイントと別に、LINEなどのSNSを利用して1日1回投票できるシステムを取り入れているんです。これを利用して“数日間連続で投票してくれたらInstagramでプライベートな写真をお見せします”とか“メッセージ動画を送ります”などとミスおじを積極的に釣りに行く学生もいます。ライブ配信で稼ぎ出したポイントの途中経過は逐一配信アプリのランキング表に掲載されて、大学の枠を超えて“人気”の有る無しが晒されますから、みんな必死に頑張ります。授業中でも遊びに行っている最中でも、ずっと配信の順位争いが頭から離れなくて、夢の中にまで配信のことが出てくる。ライブ配信アプリの運営会社からすれば、ミスコンは手放せないコンテンツだと思いますよ」 もはや“学生のお遊び”では済まされないレベルに達している過酷な「ミスコン」。駒澤大学でトラブルに発展したのも、このライブ配信アプリと無縁ではなかった。恋愛禁止 コンテストの裏事情について、複数の関係者が取材に応じた。ある関係者によれば、「駒澤の昨年のミスコンでグランプリに輝いたのは男女とも運営の代表学生の高校の同級生だった。この同級生たちに何としてでもグランプリを取らせたかったか、ライブ配信アプリでポイントを稼いでいた学生たちの得点を次から次へと減点していったのです」 まず運営側が目を付けたのは出場者同士の“関係”についてだった。「キャンパスコンテストはどこの大学も“恋愛禁止ルール”が設けられているんです。これは、出会い目的でコンテストに出場する男子学生が少なからずいることへの対策だったり、運営団体の学生と付き合うことでコンテストを有利にしようとすることを防ぐ目的があります。どこの大学でも設定されているルールです。でも、実際にこれに違反して制裁を科すのはいくら何でもやりすぎです。駒大の場合は、コンテストの終盤に“ミスコンの女子学生と関係をもった”と周囲に自慢していたミスターコンの出場者が運営の一存で5割減点。減点するにあたって当事者の聞き取りは一切行っていませんし、減点されたことは当事者にも伝えられていませんから“関係”が事実かどうかも分からない。かわいそうなのは好き勝手に吹聴された女子学生の方まで少し減点されてしまったことでしょう」60万円の違約金 また、別の関係者は「“運営に対して会議で反対意見を述べた”という理由で5割減点された女子学生もいました。5割も減点されたら、コンテスト期間4カ月の頑張りは水の泡。ライブ配信サイトで何十万円も課金して応援した人達も納得しないでしょう。それからコンテスト期間の終盤、突然新たな採点基準が設けられたことも問題視されていました。しかもその審査内容は、運営スタッフが候補者の知らないところで候補者の資質や特徴をプレゼンし合い、顧問や運営サークルの代表が勝手に点数を付けるという荒唐無稽なもの。候補者にも投票する人にも知らされず密室で行われる審査なんて何の公平さもありません。本命候補が受賞を逃したのは、こういう裏があったんです」 さらにはこんな証言も。「実は、コンテストの中盤で、出場していた学生の一人がライブ配信で心を病んでしまい途中棄権を申し出たことがあったんです。ところが、運営側は“途中棄権すると運営側に損失を与えることになる”“60万円の違約金をはらってもらうことになる”とこの学生に迫ったそう。確かに出場規約には“運営側に損失を与えない”という条項はありますが、60万円の損害賠償なんて一言も書かれていません。結局、この学生は棄権を取りやめ配信を継続しましたが、運営側の発言が事実であれば大問題です」 今回の騒動について、駒澤大学に見解を尋ねたところ、「調査の結果、恋愛禁止ルールに違反したとして減点された学生がいたことは確認できました。運営に対して反対意見を述べたという理由で減点された学生がいたことは確認できませんでした。途中棄権を申し出た学生に対して60万円の違約金の支払いを求めた事実は確認できませんでした。今後も引き続き、当コンテストが抱える問題点を指摘するとともに、健全な企画・運営を心がけるよう、再度周知指導して参ります」 投げ銭に恋愛禁止、罰金まで……。キャンパスコンテストの在り方について、今一度考えてみる必要がありそうだ。デイリー新潮編集部
駒澤大学で「ミスコン」のファイナルイベントが行われたのは昨年11月6日のこと。2日間にわたって行われた学園祭のフィナーレを飾る目玉イベントとして、この日、最終投票と授賞式が行われた。ジェンダーフリーの世相を反映して「MASコンテスト」(Most Attractive Student)と名付けられた駒大のコンテストには、男女それぞれ6名の学生がエントリー。合計12名の出場者の中から「ミス」と「ミスター」の各部門でグランプリと準グランプリが1名ずつ選出されることになっていた。
授賞式の様子を会場で見ていた同大の学生が言う。「授賞式では出場した12人が会場に設けられた壇上に上がり、女子学生はウェディングドレス姿で、男子学生はタキシード姿で結果発表を待つんです。例年、授賞式の段階になればだいたい誰がグランプリを取るか予想がつくものなのですが、今年は大波乱。ミスもミスターも、本命とは言えない候補者がグランプリやスポンサー賞に輝きました。本命視されながら受賞を逃した女子学生は泣き崩れ、他の候補者たちも“あり得ない!”と言わんばかりの表情で結果に呆れ返っていた。その後、大学の内外で“コンテストで運営が不正を行った”というウワサが駆け巡り、外部の指摘から大学当局が調査に乗り出す事態となったのです」
キャンパスコンテストなんて所詮は大学生のお遊び。“不正だ”なんて大袈裟な――。そう感じる向きもあるかもしれないが、駒澤大学に限らず、今やキャンパスコンテストは学生が心身をすり減らす過酷なレースに変貌しつつある。
昨年も東は東京大学や慶應義塾大学、青山学院大学、西は関西大学に関西学院大学、同志社大学、立命館大学といった名門大学で学生有志によるキャンパスコンテストが開催されているが、出場する学生たちの負担が増加しているのはどこも同じ。ある大学のコンテスト運営に携わった学生によれば、そこには共通の原因があるのだという。
「かつてのミスコンといえば、学園祭当日に学生たちが投票で候補者の中からグランプリを選出するというものだった。でもここ数年、ライブ配信アプリの台頭で、キャンパスコンテストもライブ配信を使った審査が一般的になっている。これに合わせて審査期間も長期化していて、たいていの大学が7月から11月の学園祭まで、4カ月にわたってコンテストを開催しているんです」
ライブ配信アプリとは、テレビなどの仕事があまりない若いタレントやアイドル、女優がアプリ上でトークライブを行い、それをファンに視聴してもらうことで収入を得ることが出来るもの。単に配信をすれば収入が得られるわけではなく、稼ぎをあげるためにはファンにアプリ内で購入したポイントやアイテムを渡してもらう、つまり“投げ銭”をしてもらう必要がある。そして、この“ライブ配信”と“投げ銭”こそが、キャンパスコンテスト過酷化の要因となっているのだ。
「キャンパスコンテストの場合、集めた“投げ銭”が収入ではなくコンテストの点数に直結するため、より多くのポイントを得るために学生は投げ銭をしてくれる視聴者に迎合せざるを得ないところがあるんです。なにせライブ配信で得たポイントはコンテストの得点の3分の1程度を占めるため、配信で大きな差を付けられてしまうと挽回することが出来なくなる。配信レースが過熱するのは当たり前で、トータル400万~500万ポイントを稼ぎ出す学生も珍しくありません。このポイントは100ポイント=120円で購入されるものなので、400万~500万ポイントだと単純計算で600万円近くの売り上げ。出場者たちはこれを7月から11月までの4カ月間で稼ぎ出すことになる。ちなみにライブ配信アプリの視聴者の多くは男性。ですからキャンパスコンテストにジェンダーフリーの風がいくら吹いたところで、男子学生の配信はほとんど需要がありません。一方、キャンパスコンテストに出場している女子学生の配信はアプリ内でも人気になることが多く、多くの男性客が視聴に訪れる。中には女子学生相手に何十万円もするアイテムを“投げ銭”してくれる太客のような男性もいますし、投げ銭など一切せずにひたすら“無料”で女子学生たちの配信をザッピングしている人もいます」
このような大学生によるライブ配信は、“インターネットキャバクラ”“無料キャバクラ”と呼ばれ、これまでも投げ銭をダシに女子学生に絡む“ミスおじ(ミスコンおじさん)”の存在が問題視されたこともあった。
実際、ある大学のコンテストに出場した女子学生もこう話す。
「私は昨年出場しましたが、配信イベントのある期間は、配信時間が月100時間を超えることも珍しくありませんでした。しかもライブ配信をするのは視聴者が付きやすい午後9時から深夜にかけて。そのためにバイトを辞め、勉強時間も睡眠時間も削ってライブ配信に取り組むんです。単に喋っているだけではポイントは得られず、ファンから寄せられるコメントに全て丁寧に返信するなど細かい配慮も欠かせません。配信がない日でもファンの方からコメントが100件近く届くため、それに返信する必要がある。ミスおじのニックネームとか趣味、職業、居住地をノートにメモしてあって、それを見返しながら返信内容を考えるので、返信の代行を家族や友人に頼むこともできない。返信をしなかったり手を抜いたりするとポイントを貰えないどころか誹謗中傷で配信を邪魔されることすらあるので、神経をすり減らします。もちろん有料アイテムで応援してくれる人や配信を褒めてくれる人もいて自己肯定感が上がることもありますが、不快になるような質問をしたり、リアルでの交際を求めてくる人もいます。アイドルやモデルと違ってミスコンの学生は必死に返信をしますから、ミスおじたちも楽しいんでしょう」
昨今のミスコンはそこまでしないといけないのか――。善良な“オトナ”なら胸を痛めるような話ばかりだが、さらに過酷な取り組みをしている女子学生もいるという。
「ミスコンを開催している多くの大学では、ライブ配信のポイントと別に、LINEなどのSNSを利用して1日1回投票できるシステムを取り入れているんです。これを利用して“数日間連続で投票してくれたらInstagramでプライベートな写真をお見せします”とか“メッセージ動画を送ります”などとミスおじを積極的に釣りに行く学生もいます。ライブ配信で稼ぎ出したポイントの途中経過は逐一配信アプリのランキング表に掲載されて、大学の枠を超えて“人気”の有る無しが晒されますから、みんな必死に頑張ります。授業中でも遊びに行っている最中でも、ずっと配信の順位争いが頭から離れなくて、夢の中にまで配信のことが出てくる。ライブ配信アプリの運営会社からすれば、ミスコンは手放せないコンテンツだと思いますよ」
もはや“学生のお遊び”では済まされないレベルに達している過酷な「ミスコン」。駒澤大学でトラブルに発展したのも、このライブ配信アプリと無縁ではなかった。
コンテストの裏事情について、複数の関係者が取材に応じた。ある関係者によれば、
「駒澤の昨年のミスコンでグランプリに輝いたのは男女とも運営の代表学生の高校の同級生だった。この同級生たちに何としてでもグランプリを取らせたかったか、ライブ配信アプリでポイントを稼いでいた学生たちの得点を次から次へと減点していったのです」
まず運営側が目を付けたのは出場者同士の“関係”についてだった。
「キャンパスコンテストはどこの大学も“恋愛禁止ルール”が設けられているんです。これは、出会い目的でコンテストに出場する男子学生が少なからずいることへの対策だったり、運営団体の学生と付き合うことでコンテストを有利にしようとすることを防ぐ目的があります。どこの大学でも設定されているルールです。でも、実際にこれに違反して制裁を科すのはいくら何でもやりすぎです。駒大の場合は、コンテストの終盤に“ミスコンの女子学生と関係をもった”と周囲に自慢していたミスターコンの出場者が運営の一存で5割減点。減点するにあたって当事者の聞き取りは一切行っていませんし、減点されたことは当事者にも伝えられていませんから“関係”が事実かどうかも分からない。かわいそうなのは好き勝手に吹聴された女子学生の方まで少し減点されてしまったことでしょう」
また、別の関係者は「“運営に対して会議で反対意見を述べた”という理由で5割減点された女子学生もいました。5割も減点されたら、コンテスト期間4カ月の頑張りは水の泡。ライブ配信サイトで何十万円も課金して応援した人達も納得しないでしょう。それからコンテスト期間の終盤、突然新たな採点基準が設けられたことも問題視されていました。しかもその審査内容は、運営スタッフが候補者の知らないところで候補者の資質や特徴をプレゼンし合い、顧問や運営サークルの代表が勝手に点数を付けるという荒唐無稽なもの。候補者にも投票する人にも知らされず密室で行われる審査なんて何の公平さもありません。本命候補が受賞を逃したのは、こういう裏があったんです」
さらにはこんな証言も。「実は、コンテストの中盤で、出場していた学生の一人がライブ配信で心を病んでしまい途中棄権を申し出たことがあったんです。ところが、運営側は“途中棄権すると運営側に損失を与えることになる”“60万円の違約金をはらってもらうことになる”とこの学生に迫ったそう。確かに出場規約には“運営側に損失を与えない”という条項はありますが、60万円の損害賠償なんて一言も書かれていません。結局、この学生は棄権を取りやめ配信を継続しましたが、運営側の発言が事実であれば大問題です」
今回の騒動について、駒澤大学に見解を尋ねたところ、
「調査の結果、恋愛禁止ルールに違反したとして減点された学生がいたことは確認できました。運営に対して反対意見を述べたという理由で減点された学生がいたことは確認できませんでした。途中棄権を申し出た学生に対して60万円の違約金の支払いを求めた事実は確認できませんでした。今後も引き続き、当コンテストが抱える問題点を指摘するとともに、健全な企画・運営を心がけるよう、再度周知指導して参ります」
投げ銭に恋愛禁止、罰金まで……。キャンパスコンテストの在り方について、今一度考えてみる必要がありそうだ。
デイリー新潮編集部