車も少なくなる夜の首都高速。
年末年始に増えるのが、大きな事故に繋がる危険があるスピード違反。そして、エンジン騒音など迷惑行為が後を絶たない不正改造車両も。
なくならない夜の首都高速での危険運転。警視庁高速隊の取り締まりに密着した。
2022年12月、首都高速辰巳パーキングエリアで行われた飲酒検問。
警察官:高速隊です。飲酒検問をやっています。こちらに息を吹きかけてください。
運転手:ふ~。
警察官:はい、ありがとうございます。飲酒運転や事故増えていますので、安全運転でお願いします。
年末年始はお酒を飲む機会が増え、それに伴って飲酒運転も増加傾向に。そのためパーキングエリア付近を走る全ての車を検問に誘導し、呼気を1人ずつチェックしていく。
警察官が目を光らせる違反は他にもある。
警察官:オーライ、オーライ、オーライ。
駐車場に誘導される車。一体、なにがあったのか?
警察官:音出てるので、ちょっと測らせていただきますね。あと整備不良とかも見させていただくので。
運転手:わかりました、はい。
警察官が気になったのは、車の排気音。
警察官:マフラーの音測らせてもらいますので。
運転手:多分アウトだと思ってる。
警察官:ご自身でいじってますか?
運転手:ご自身で、はい。
「多分アウト」と改造を認める男性。不正なのか音を出して確認する。そして…。
警察官:バッフルって積んでないんですか?マフラーに本来、付いてなきゃいけないんですけど…。
運転手:ないです。
警察官:あれ付けてないと本来はダメです。
運転手:そうですよね…。
排気音を抑える部品を取り外しての走行は違反だ。
男性には「消音器不備」で違反点数2点、反則金6000円が科された。
午後11時。夜も深まり車が少なくなった首都高速を覆面パトカーがパトロール。
警察官:84(キロ)、84(キロ)。
警察官:はい、キャッチ。
サイレンを鳴らし、運転手に呼びかける。
警察官:前方の車の運転手さん、速度を落として左側の路線に入ってください。
スピード違反だ。この時、違反車の速度は85キロ。しかし、この区間の制限速度は…。
警察官:ちょっと速度出しすぎです。何キロ道路か分かってますか?
運転手:50キロですか?
警察官:そう。
警察官:運転手さんまず来てください。メーターを見てください、85キロです。
運転手:えっ、周りもそのくらいじゃないですか。
と、納得いかない様子だが…。
警察官:周りじゃなくて、運転手さんの速度を追従して測った結果です。今回は速度超過3点の3万5000円です。
運転手:はい。
35キロオーバーで違反点数3点、反則金は3万5000円。
警察官:普段、この時間ドライブするの?
運転手:ちょっと気晴らしくらいならします。
警察官:運転手さん、私たちの横にいた時に速度が速かったの。ここ50キロって分かってるわけでしょ。
運転手:はい。
一歩間違えれば大事故につながってしまうスピード違反。警察官も厳しく対応する。
警察官:飛ばしすぎだよ、あれは。ましてあんなスポーツカーで走ってて、苦情もいっぱい入っているわけ。運転手さん、ちょっと速度出しすぎ。
再びパトロールに戻った午前1時ごろ。覆面パトカーの横を勢いよくオートバイが走り抜けていく。スピード違反だ。
停車させ、運転手に話を聞く。
警察官:運転手さん、高速隊です。速度速いです。
運転手:80…。
警察官:うん。ここ何キロ道路か分かってます?
運転手:50…。
制限速度を分かっていたのにもかかわらず、33キロオーバーの83キロで走行。しかもこの男性、この後にとんでもない事実が発覚する。
警察官:私たちを江戸橋ジャンクションで、右から追い抜いて行ったの覚えてます?
運転手:はい。
警察官:気付かなかった?
運転手:覆面じゃないかなって思って。
警察官:それでも覆面じゃないと思って、そのまま行ったわけですよね?
運転手:(うなずく)
警察官:それが間違い。この時間、何人も交通事故で、バイクの運転手さんの速度超過で、交通事故で悲惨なことになってるの。
悲惨な事故が起きてからでは遅い。すると…。
運転手:すみません。ちょっとしゃがんでいいですか?
警察官:大丈夫?大丈夫?何かあった?
運転手:いや、ちょっとこうやって取り締まられるの初めてで。
警察官:動揺してる?
運転手:はい…。
人生初めての取り締まりで激しく動揺。聞けば、免許を取ってまだ1年ほどだという。
そして、反則切符を手渡そうとしたその時、驚きの事実が!
警察官:運転手さん大丈夫?ちょっと立ってもらってもいい?これから今回の切符の告知をしますね。この青い紙が告知書っていうものになります。これが何かというと…まだ17歳?
運転手:高校生です。
警察官:高校生?
なんと、この運転手、17歳の現役高校生だったのだ。この時、時刻は午前1時過ぎ。
警察官:高校生ってもう補導の時間じゃん。聞かなきゃいけないこと出てくるから。未成年になっちゃうからね、君が。
これには警察官の言葉にも熱がこもる。
警察官:度が過ぎるぞ。大黒に寄った時間、何時だよ?
運転手:1時くらい…。
警察官:1時だろ?1時超えてこの時間まで、用もなく自宅に帰らず環状線走ってるわけだろ?それはダメだろ。
そして…。
警察官:今回の違反は3点で2万円、ちなみに分かっていると思うけど初心者。多分、免停くるよ。
運転手:(うなずく)
警察官:これが合わせて納付書。銀行、信用金庫、郵便局の窓口で振り込んでもらえばいいから。ただ、高校生だから日中は授業中だろ?
運転手:(うなずく)
警察官:申し訳ないけど、親御さんに頼むしかないから。(日中は授業で)自分で振り込みはできないならね。
33キロオーバーで違反点数3点、反則金は2万円。
警察官:とにかく交通事故起こさず、安全運転を順守しながら真っ直ぐ帰ってください。
この日、約3時間の間に、スピード違反で取り締まりを受けたのは9人。
交通ルールを守るのは自分の命を守るためでもある。年末年始、車で出かける機会も増える中、十分な注意が必要だ。
(「イット!」1月4日放送)