NHK党のガーシー(東谷義和)参院議員はどうなってしまうのか――。警視庁が暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉毀損などの容疑でガーシーの関係先を11日に家宅捜索していたことが判明。対するガーシーは3月上旬にドバイから日本に帰国すると明言した。性急な警察の動きに狢疂甅瓩瞭麒源もチラついている――。
「2月中は事実上、参院は開かれない。事情聴取があるからではなく、国会に出るために3月に帰国します」
12日のインスタライブでガーシーはこう帰国の日程を明言。視聴者に向けて、「お前らに会いに帰る。堂々と凱旋します。空港や国会でハイタッチしようや」と呼び掛けた。
昨年7月の参院選で当選して国会議員となって以来、初の帰国となりそう。そんなガーシーについて、警視庁はインターネットの動画投稿サイトで複数の著名人を中傷、脅迫したとして捜査を開始していた。昨年末にも任意での事情聴取を要請。11日にはガーシーが動画投稿で得た広告収入を管理する会社の関係先などを家宅捜索しており、警視庁の本気度をうかがわせた。
こうした動きについてNHK党の立花孝志代表は「私としても疑心暗鬼なところがあったが、本人もインスタライブで明言しているので腹が据わったのだろう」と3月上旬の帰国は揺るがないと指摘。その上で「NHKの予算を審議する総務委員会に、ガーシーに質問に立ってもらいたい」と期待した。質問の時期は3月末になるとした。
通常国会は今月23日にスタート。ガーシーが国会質問に立つためには身柄が拘束されていないことが肝心だ。永田町関係者は「国会会期中、国会議員には不逮捕特権があります。ただ、これには例外があって、現行犯と逮捕許諾請求が認められた場合は逮捕されてしまいます」と説明した。
逮捕許諾請求のケースは直近では2003年にまでさかのぼらないと存在しない。政治資金規正法違反の事例で衆院本会議において可決され、該当の国会議員は逮捕されている。この議員は当時、与党だった自民党の所属だった。もしガーシーの件で逮捕許諾請求が行われた場合、少数政党だけに抵抗は難しい状況になりそうだ。
それだけに本当に帰国するのかという疑問の声もある。もともと帰国は1月か2月になるという説も出ていた。立花氏は以前の会見で「速やかに帰ってきた方が話は早い」と早期の帰国が望ましいと発言。3月上旬という帰国予定も絶対に延びないとは言い切れない。
とはいえ、そのまま海外に居続けるというのも限界がある。かつて海賊版サイト「漫画村」を運営したことで逮捕された星野ロミ氏は、12日にガーシーの件についてツイッターで「これは逮捕も近いかもしれないな」とポツリ。続けて「海外にいる時に逮捕状が発行されるとまずは日本パスポートが停止されて合法的にその国に滞在できなくなる→不法滞在で強制送還になる。加えて国際指名手配されたらドバイも日本に引き渡す可能性は高い。どちらにせよかなり詰んでる」と指摘した。星野氏は国際指名手配されてフィリピンで逮捕されており、こうした事情に明るい。
今後も帰国日をめぐってガーシーと警察サイドで駆け引きが激化しそうだ。