フジテレビの人気番組「テラスハウス」に出演したプロレスラーの木村花さん(当時22歳)が自殺したのは、番組側がSNS(ネット交流サービス)による誹謗(ひぼう)中傷対策など安全配慮義務を怠ったことが原因だとして、花さんの母響子さん(45)が6日、フジテレビと番組制作会社2社の計3社に計約1億4200万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
【Tシャツには木村花さんがプリント…写真で見る】 訴状によると、テラスハウスは男女6人が共同生活を送る中での恋愛模様を描くリアリティー番組。花さんは2019年9月に出演を開始し、20年3月に男性出演者との間で生じたプロレス衣装を巡るトラブルの場面が動画配信サービス「ネットフリックス」で配信されると、「消えろ」「ゴミ女」などと花さんへの中傷がSNS上に殺到するようになった。花さんは同年5月23日、「愛されたかった人生でした」などとツイートし、自殺した。

響子さんは訴えで、花さんがフジ側との間で、番組制作に関して指示に従う▽出演の途中リタイアを禁止する▽これらに反して番組配信が中止となった場合、無条件で賠償責任を負う――との誓約書を交わしていたと指摘。この誓約書は強い拘束力で出演者の自由意思を制約する労働契約に当たるとし、フジ側には出演者の心理的負担をケアする義務があったとしている。 また、花さんは19年12月からリタイアを希望したが認められず、中傷を受けた後はリストカットするなどうつ病の症状が出ていたと主張。フジ側は花さんの精神状態を把握していたのに適切なケアを怠り、配信や放送の継続を優先したとした。 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は21年3月、フジテレビに放送倫理上の問題があったとする見解を示している。同社は「訴状が正式に届いていないのでコメントは控える」としている。【遠藤浩二】相談窓口・#いのちSOS 「生きることに疲れた」などの思いを専門の相談員が受け止め、一緒に支援策を考えます。 0120・061・338=フリーダイヤル。月・木、金曜は24時間。火・水・土・日曜は午前6時~翌午前0時・いのちの電話 さまざまな困難に直面し、自殺を考えている人のための相談窓口です。研修を受けたボランティアが対応します。 0570・783・556=ナビダイヤル。午前10時~午後10時。 0120・783・556=フリーダイヤル。午後4時~同9時。毎月10日は午前8時~11日午前8時、IP電話は03-6634-7830(有料)まで。・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/) 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。
訴状によると、テラスハウスは男女6人が共同生活を送る中での恋愛模様を描くリアリティー番組。花さんは2019年9月に出演を開始し、20年3月に男性出演者との間で生じたプロレス衣装を巡るトラブルの場面が動画配信サービス「ネットフリックス」で配信されると、「消えろ」「ゴミ女」などと花さんへの中傷がSNS上に殺到するようになった。花さんは同年5月23日、「愛されたかった人生でした」などとツイートし、自殺した。
響子さんは訴えで、花さんがフジ側との間で、番組制作に関して指示に従う▽出演の途中リタイアを禁止する▽これらに反して番組配信が中止となった場合、無条件で賠償責任を負う――との誓約書を交わしていたと指摘。この誓約書は強い拘束力で出演者の自由意思を制約する労働契約に当たるとし、フジ側には出演者の心理的負担をケアする義務があったとしている。
また、花さんは19年12月からリタイアを希望したが認められず、中傷を受けた後はリストカットするなどうつ病の症状が出ていたと主張。フジ側は花さんの精神状態を把握していたのに適切なケアを怠り、配信や放送の継続を優先したとした。
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は21年3月、フジテレビに放送倫理上の問題があったとする見解を示している。同社は「訴状が正式に届いていないのでコメントは控える」としている。【遠藤浩二】
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0570・783・556=ナビダイヤル。午前10時~午後10時。
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悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。