厚生労働省は7日、新型コロナウイルスの感染の「第7波」中に、自宅で死亡した新型コロナ患者は少なくとも776人に上るとの調査結果を発表した。年代別では80代以上が過半数を占め、新型コロナワクチンの接種回数別では、3回接種済みの人が全体の3割を占めた。自宅での死者は5、6波に比べて増加しており、感染力の強いオミクロン株の派生型「BA・4」や「BA・5」の影響もあるとみられる。
名ばかりの「全数把握」 日本の特異な流行調査 厚労省が、都道府県を通じて今年7~8月に自宅療養中に亡くなった人や入院待機中などに自宅で死亡した人を集計した結果、男性460人、女性316人だった。年代別では80代以上が58%、70代21%、60代9%となり、60代以上が9割近くを占めた。

ワクチンの接種回数ごとに分析したところ、未接種は20%だった一方で3回接種は28%、2回接種は9%、4回接種は8%だった。基礎疾患の有無別では「あり」が69%で大半を占め、「なし」は19%だった。世帯状況は家族などと同居が42%で、単身は10%だった。 死亡直前の診断時の症状では「軽症・無症状」が41・4%、「中等症」が13・1%、「重症」が7・1%だった。重症は第6波の2・2%と比較して増加し、自宅療養者数の増加に伴い、医療的なケアが行き届いていなかったことがうかがえる。また死亡前に陽性と判明していたのは70・1%。死後になって陽性が判明したのは29・9%だった。 具体的な死亡事例としては「家族は入院を希望していたが自宅療養になり死亡した」「自宅療養中に急速に重症化して死亡した」などのケースが報告された。「末期がんで自宅でのみとりを希望するケース」や「コロナ以外の要因で死亡し、死後に陽性が判明するケース」もあった。 厚労省は調査結果の中で、陽性者から要請があった場合に直ちに現場に向かう体制を取ったり、保健所が電話で調査すべき対象者を重症化リスクが高い人に絞ったりするなどの自治体の取り組みを紹介した。他の自治体にも取り組みを広げ再発防止に努めるとしている。 2021年夏の第5波での自宅での死者は少なくとも202人、今年1~3月の第6波では555人が死亡した。第7波での自宅療養者は8月中旬で150万人に達していた。【村田拓也】
厚労省が、都道府県を通じて今年7~8月に自宅療養中に亡くなった人や入院待機中などに自宅で死亡した人を集計した結果、男性460人、女性316人だった。年代別では80代以上が58%、70代21%、60代9%となり、60代以上が9割近くを占めた。
ワクチンの接種回数ごとに分析したところ、未接種は20%だった一方で3回接種は28%、2回接種は9%、4回接種は8%だった。基礎疾患の有無別では「あり」が69%で大半を占め、「なし」は19%だった。世帯状況は家族などと同居が42%で、単身は10%だった。
死亡直前の診断時の症状では「軽症・無症状」が41・4%、「中等症」が13・1%、「重症」が7・1%だった。重症は第6波の2・2%と比較して増加し、自宅療養者数の増加に伴い、医療的なケアが行き届いていなかったことがうかがえる。また死亡前に陽性と判明していたのは70・1%。死後になって陽性が判明したのは29・9%だった。
具体的な死亡事例としては「家族は入院を希望していたが自宅療養になり死亡した」「自宅療養中に急速に重症化して死亡した」などのケースが報告された。「末期がんで自宅でのみとりを希望するケース」や「コロナ以外の要因で死亡し、死後に陽性が判明するケース」もあった。
厚労省は調査結果の中で、陽性者から要請があった場合に直ちに現場に向かう体制を取ったり、保健所が電話で調査すべき対象者を重症化リスクが高い人に絞ったりするなどの自治体の取り組みを紹介した。他の自治体にも取り組みを広げ再発防止に努めるとしている。
2021年夏の第5波での自宅での死者は少なくとも202人、今年1~3月の第6波では555人が死亡した。第7波での自宅療養者は8月中旬で150万人に達していた。【村田拓也】