11月11日、自民党の二階俊博元幹事長が警察庁の最高幹部を接待していたことをフライデーが報じた。この事実に各方面から厳しい声があがっているという。
「中村警察庁長官」が辞職 「准強姦逮捕状」握り潰しで注目され、戦後最長の安倍政権を支えた最後の官邸官僚 まずは報じられた内容をおさらいしておこう。・11月11日の夜、中華料理店「富麗華」で、二階元幹事長(83)らと警察最高幹部らとの間で会合が持たれた。・二階氏側は他に林幹雄元経産相(75)、武田良太元総務相(54)ら二階派のナンバー2、3。警察側は露木康浩(59)、中村格(59)の新旧警察庁長官と緒方禎己警察庁次長(59)ら。総勢10人以上が出席した。

コロナ感染明け直後の報道だった・二階氏は5日に新型コロナ陽性と診断されており、病み上がりの身体で出かけたこの会合の意味はとても大きい。ジャーナリストは二階氏側の狙いを、「安倍氏銃撃事件の責任を取って辞任した中村氏の慰労と警察庁とのパイプ強化」と解説。 以上が、フライデーによる第一報のあらましである。「二階氏にとってはよくあることなのですが、重篤説が流れていました。この記事には二階氏らの現場写真はなかったものの、そういったタイミングだけにこの報道は注目されましたね」 と、政治部デスク。言語道断「二階氏の健康問題とは別の観点からも注目されました」 と指摘するのは、社会部デスク。「記事の写真は、露木長官の手にある土産と思しき紙袋を捉えており、他の面々も同様だったようです。安倍氏の国葬が終わったとはいえ、銃撃死から日が浅くない中でこのような接待を受けたことに、警察OBからは”言語道断””気が抜けまくっている”との声があがっています」 中村氏はすでに退職しているが、露木、緒方の両氏は警察庁のツートップだ。「検察に限らず警察ももちろん政治家を捜査対象とするのに、その警察からツートップが接待を受けていたというのはいかにも都合が悪い。ある警察庁OBは”私が警察で要職に就いている間は少なくとも政治家からおごってもらうのはもちろん、会食するようなことは控えていた”と話していましたね」(同) 林、武田両氏は警察庁を管理する国家公安委員長のトップを務めたことがある。過去に今回のような会合は幾度となく開かれてきた可能性は少なくないだろうし、気心が知れた者同士、情報交換はある程度あった方がよいのかもしれない。公用車は?「確かに個人的に親しい警察幹部とは、”国葬が終わったら一杯行きましょう”などと、やり取りしている人は多かったと思います。国葬をトップとして仕切る重圧は並大抵のものではなかったでしょうから、それが終わって肩の荷が下りて愚痴のひとつやふたつ言いたくなることもあったのかもしれませんが、色んな意味で”警察側にセンスがない”と言われています」(同) どういう点なのだろうか?「10人以上が出席したと言いますし、このタイミングで双方が会って会食しながら話すべき内容があるとは思えません。ただ、どうしてもあるというのであれば本当にコッソリ会えばよかったのではないかという指摘がありますね。その通りだと思いました」(同) それに加えて、「仮に警察から公用車で出かけて行っていたとしたら、さらに問題視されかねない案件だという声も聞かれました。露木氏は同期の中村氏に代わって長官に就任する際、警察への信頼回復という言葉を重ねていましたが、信頼回復の障壁になりそうな一件だったと感じます」(同) そもそも安倍元首相の銃撃事件以前から、中村前長官については政治家との距離が近すぎるといった指摘があった。 このところ、岸田総理も含め大臣らの不適切な会計処理も次々報じられている。そんな中、後任の長官ら幹部や中村前長官と政治家、極端にいえば「捜査する側」と「時と場合によってはされる側」が仲良く忘年会をやるということが「信頼回復」につながるのか、疑問を抱く向きもいることだろう。 これを受けて警察では、忘年会の開催について「各方面に気を配るように」とのお達しが出ているというが、それはモラルを気にしてか、それとも世間体を気にしてなのか。デイリー新潮編集部
まずは報じられた内容をおさらいしておこう。
・11月11日の夜、中華料理店「富麗華」で、二階元幹事長(83)らと警察最高幹部らとの間で会合が持たれた。
・二階氏側は他に林幹雄元経産相(75)、武田良太元総務相(54)ら二階派のナンバー2、3。警察側は露木康浩(59)、中村格(59)の新旧警察庁長官と緒方禎己警察庁次長(59)ら。総勢10人以上が出席した。
・二階氏は5日に新型コロナ陽性と診断されており、病み上がりの身体で出かけたこの会合の意味はとても大きい。ジャーナリストは二階氏側の狙いを、「安倍氏銃撃事件の責任を取って辞任した中村氏の慰労と警察庁とのパイプ強化」と解説。
以上が、フライデーによる第一報のあらましである。
「二階氏にとってはよくあることなのですが、重篤説が流れていました。この記事には二階氏らの現場写真はなかったものの、そういったタイミングだけにこの報道は注目されましたね」
と、政治部デスク。
「二階氏の健康問題とは別の観点からも注目されました」
と指摘するのは、社会部デスク。
「記事の写真は、露木長官の手にある土産と思しき紙袋を捉えており、他の面々も同様だったようです。安倍氏の国葬が終わったとはいえ、銃撃死から日が浅くない中でこのような接待を受けたことに、警察OBからは”言語道断””気が抜けまくっている”との声があがっています」
中村氏はすでに退職しているが、露木、緒方の両氏は警察庁のツートップだ。
「検察に限らず警察ももちろん政治家を捜査対象とするのに、その警察からツートップが接待を受けていたというのはいかにも都合が悪い。ある警察庁OBは”私が警察で要職に就いている間は少なくとも政治家からおごってもらうのはもちろん、会食するようなことは控えていた”と話していましたね」(同)
林、武田両氏は警察庁を管理する国家公安委員長のトップを務めたことがある。過去に今回のような会合は幾度となく開かれてきた可能性は少なくないだろうし、気心が知れた者同士、情報交換はある程度あった方がよいのかもしれない。
「確かに個人的に親しい警察幹部とは、”国葬が終わったら一杯行きましょう”などと、やり取りしている人は多かったと思います。国葬をトップとして仕切る重圧は並大抵のものではなかったでしょうから、それが終わって肩の荷が下りて愚痴のひとつやふたつ言いたくなることもあったのかもしれませんが、色んな意味で”警察側にセンスがない”と言われています」(同)
どういう点なのだろうか?
「10人以上が出席したと言いますし、このタイミングで双方が会って会食しながら話すべき内容があるとは思えません。ただ、どうしてもあるというのであれば本当にコッソリ会えばよかったのではないかという指摘がありますね。その通りだと思いました」(同)
それに加えて、
「仮に警察から公用車で出かけて行っていたとしたら、さらに問題視されかねない案件だという声も聞かれました。露木氏は同期の中村氏に代わって長官に就任する際、警察への信頼回復という言葉を重ねていましたが、信頼回復の障壁になりそうな一件だったと感じます」(同)
そもそも安倍元首相の銃撃事件以前から、中村前長官については政治家との距離が近すぎるといった指摘があった。
このところ、岸田総理も含め大臣らの不適切な会計処理も次々報じられている。そんな中、後任の長官ら幹部や中村前長官と政治家、極端にいえば「捜査する側」と「時と場合によってはされる側」が仲良く忘年会をやるということが「信頼回復」につながるのか、疑問を抱く向きもいることだろう。
これを受けて警察では、忘年会の開催について「各方面に気を配るように」とのお達しが出ているというが、それはモラルを気にしてか、それとも世間体を気にしてなのか。
デイリー新潮編集部