多忙とされる教員の中でも副校長・教頭の負担軽減が特に進んでいない――。千葉県教育委員会が6月に実施した公立校の勤務時間の調査結果(速報値)で、こんな実態が浮かび上がった。「過労死ライン」とされる月80時間を超える時間外勤務(残業)をしていた副校長・教頭は小学校で約3人に1人、中学校で約2人に1人に達し、小学校は前年の同じ月と比べて過労死ラインを超える割合が悪化した。【柴田智弘】
部活指導で過労死認定 富山 県教委は毎年6月と11月、県内の公立小中学校と高校、義務教育学校、特別支援学校の教員の勤務時間を調査している。今年6月は、政令市である千葉市の管轄校を除く小学校637校、中学校308校、高校121校など計3万4056人を対象に実施した。 この結果、小中学校の職種別で平均の残業時間が最も長かったのは副校長・教頭で、小学校は73時間21分(前年同月比33分減)、中学校は79時間50分(同1時間48分減)。いずれも前年よりは減ったものの、依然として長時間労働を強いられている実態が浮かんだ。 国の指針が定める上限(月45時間)を超える残業をしている副校長・教頭は小学校で91・1%(同0・6ポイント増)、中学校で93・7%(同0・6ポイント減)。過労死ラインとされる月80時間を超える割合も小学校で33・5%(同0・6ポイント増)、中学校で47・5%(同3・4ポイント減)に達し、他の職種の教員と比べて突出して高かった。 県教委によると、副校長・教頭の業務を圧迫している要因として、国や県からの調査や報告依頼への対応が最も大きいという。県教委は調査の簡素化やオンライン化などを進めており、担当者は「教頭が仕事に集中できるようにしたい」と話す。 一方、管理職以外の教員の長時間労働も引き続き深刻で、すべての学校種の平均で51・3%が月45時間を超える残業をしていた。前年同月の53・6%より改善したものの、2人に1人が指針を順守できていない実態は変わらなかった。県立高校の教諭で、月200時間の残業をしている例もあったという。 県内の40代の中学校教頭は負担が減らない要因について、「学校に一人しかいないので、どうしても仕事が増えてしまう」とした上で、「もう慣れてしまった」とため息をついた。
県教委は毎年6月と11月、県内の公立小中学校と高校、義務教育学校、特別支援学校の教員の勤務時間を調査している。今年6月は、政令市である千葉市の管轄校を除く小学校637校、中学校308校、高校121校など計3万4056人を対象に実施した。
この結果、小中学校の職種別で平均の残業時間が最も長かったのは副校長・教頭で、小学校は73時間21分(前年同月比33分減)、中学校は79時間50分(同1時間48分減)。いずれも前年よりは減ったものの、依然として長時間労働を強いられている実態が浮かんだ。
国の指針が定める上限(月45時間)を超える残業をしている副校長・教頭は小学校で91・1%(同0・6ポイント増)、中学校で93・7%(同0・6ポイント減)。過労死ラインとされる月80時間を超える割合も小学校で33・5%(同0・6ポイント増)、中学校で47・5%(同3・4ポイント減)に達し、他の職種の教員と比べて突出して高かった。
県教委によると、副校長・教頭の業務を圧迫している要因として、国や県からの調査や報告依頼への対応が最も大きいという。県教委は調査の簡素化やオンライン化などを進めており、担当者は「教頭が仕事に集中できるようにしたい」と話す。
一方、管理職以外の教員の長時間労働も引き続き深刻で、すべての学校種の平均で51・3%が月45時間を超える残業をしていた。前年同月の53・6%より改善したものの、2人に1人が指針を順守できていない実態は変わらなかった。県立高校の教諭で、月200時間の残業をしている例もあったという。
県内の40代の中学校教頭は負担が減らない要因について、「学校に一人しかいないので、どうしても仕事が増えてしまう」とした上で、「もう慣れてしまった」とため息をついた。