実はとってもガバガバだった。偽の議員バッジを使って外務省に侵入していた20代の男が8月下旬に建造物侵入の疑いで逮捕された。ただ永田町の反応は「こんなことが起きても驚きませんよ」と驚く様子もない。早急な対策が必要だ。
逮捕容疑は先月24日、スーツに偽の議員バッジを着けて外務省に侵入した疑い。男は警備員にとがめられることもなく、やすやすと侵入していた。外務省内を徘徊していたのを不審に思った職員が通報して発覚した。調べには「偉い人になった気分になりたかった」と容疑を認めているという。
7月には選挙演説中に安倍晋三元首相が銃撃される事件があったばかり。にもかかわらず国の中枢のセキュリティーがここまでガバガバとはあきれる人も多いだろう。もっとも、これまでも危惧されてきたことだという。
永田町関係者は「バッジだけで出入りを許可するというのがおかしいんですよ。警備の人だって議員全員の顔を覚えるなんて無理です。IDカードをタッチする形にすればいいのに」と嘆いた。
もっとガバガバなところもある。ベテラン秘書は「議員会館にもいろんな人が入って来てますよ」と明かした。国会議事堂の裏には3棟の議員会館が並んでいる。それぞれの建物には国会議員の事務所が入っており、省庁の役人やマスコミ、議員へ陳情をする人たちが毎日たくさん訪れている。
「基本的に外部から訪ねてくる人は議員事務所の許可を得なければ建物に入れません。問題は事務所によっては“頼まれたら断らない”ことです。知らない人から入館をお願いされて、どんな人物なのか、どんな団体なのか調べずにOKを出してしまうんです」(同)
議員会館の入り口で持ち物検査をするので危険物や変なものが持ち込まれることはないだろうが、万が一ということもある。これをきっかけに改善した方がいいかもしれない。