2021年に栃木県さくら市の住宅で、現金約1億円などが盗まれる事件が発生。この事件に関与したとして、栃木県警は今月13日、住居侵入と窃盗の疑いで男を逮捕した。
【画像】「法律はバレなきゃ便所のラクガキ」服の下にはとんでもない量のタトゥーがびっしりの富田匠容疑者(36) 事件発生から2年経っての逮捕――。きっかけはなんと運転免許証の更新だったという。“タンス預金”約1億円を盗んだ男 社会部記者が明かす。「栃木県さくら市の住宅で2021年4月、住人の70代男性が留守中に、“タンス預金”として保管していた現金約1億円と指輪など時価総額計80万円相当が何者かに盗まれる事件が発生しました。そして、この事件に関与したとして住居侵入と窃盗の容疑で男が逮捕されたのです」

逮捕されたのは、自称・埼玉県行田市の建設作業員手伝い富田匠容疑者(36)。「事件発生後、栃木県警は聞き込みや鑑識の捜査で、富田容疑者ともう1人の男を特定し、行方を追っていました。富田容疑者は指名手配されていましたが、免許の更新に訪れていたところで見つかり、逮捕されたのです」(同前) 富田容疑者と共謀したとして、40歳の男は住居侵入と窃盗の疑いですでに昨年1月28日に逮捕されており、刑が確定している。逮捕された2人の関係性は不明だが、被害者と面識はないという。 共犯の男が逮捕された後も、行方をくらましていた富田容疑者。ようやく見つかった容疑者の姿は、警察官や関係者が働いている運転免許センターにあった。 まさに飛んで火にいる夏の虫。逮捕の瞬間を目撃したという男性が明かす。運転免許センターで大捕り物「13日の夕方だったでしょうか。関係者しか入れない駐車場に、埼玉県警の警察車両が2台ほどやってきたんです。車から降りてきた3、4人の警察官が建物の中に入っていきました。また、入り口の両端には警察官が1名ずつ待機していました」 物々しい雰囲気に驚く男性の目の前で、世にもまれな逮捕劇の幕が開いた。「その後しばらくしてとちぎナンバーの警察車両もすべりこんできました。すると栃木県警の防刃ベストを着た警察官が4、5人、免許センターから出てきた男を建物の入り口あたりで取り囲み、何かを喋っているようでした。話がついたのか、男をとちぎナンバーの車に乗せて走り去っていきました」(同前) この男こそ、免許更新にやってきて逮捕された富田匠容疑者だったのだ。「容疑者は暴れたり騒いだりすることもなかったです。あれだけ警察官に囲まれていたら“四面楚歌”の状態で逃げることもできないでしょうけど。当初は偽造免許証とかそんな事件かと思っていましたが、ニュースで栃木県の窃盗事件だと知りびっくりしました。でもまさか指名手配犯が免許更新にやってくるなんてねえ……」(同前)容疑者が逮捕された埼玉県の運転免許センター「そのうち取消だけど一応更新w」 そもそも指名手配とはなにか。逮捕状が出ているものの、被疑者の逃亡によって行方が分からない場合、全国の警察に被疑者の逮捕と、逮捕後の身柄引き渡しを要請する制度のことを指す。 指名手配犯の動向には、文字通り全国の警察が目を光らせる。まさか己がそんな状態に置かれているとは知りもしなかったのだろうか、法の定めに従って運転免許の更新にやってきた富田容疑者は、あえなくお縄を打たれてしまった。 過去には自身の免許証の写真とともにInstagramに次のような投稿をしていた。〈そのうち取消だけど一応更新w〉〈#もうすぐ#免取り#共同危険行為#で2年取消〉「引っ込み思案な子」がいつの間にか「全身に刺青」 富田容疑者を知る女性はこう話す。「匠君は小・中学生のころは大人しくて引っ込み思案な感じの子でしたよ。確か部活は柔道部だったんじゃないかしら。道で会って挨拶すると、ちょっと恥ずかしそうな感じでお辞儀してくれるようないい子でした」 だが、ある種の若者が無軌道になるのは世の常だ。「高校に行ったのかその後のことはあまり知らないんだけど、4、5年前に見かけたとき、長袖の先から刺青がのぞくくらい、とにかく全身に刺青が入ってたからびっくりしちゃったわ」(同前) 前述のInstagramには、刺青をあらわにした富田容疑者の写真がいくつか載っていた。前出の女性が続ける。「匠君は実家には住んでいないようで、お母さんも匠君がどこに住んでるのか知らないみたいでしたよ。悪さをしたこともあったらしいから、お母さんもだいぶご苦労されてたんじゃないかな……」「法律はバレなきゃ便所の落書き」〈法律はバレなきゃ便所の落書き〉 これは富田容疑者のInstagramのプロフィール欄に記載されていた言葉。投稿からは、バイクにまたがり、集団で走行することを楽しんでいたようにも見受けられる。 走りを愛する容疑者にとって、運転免許はなにより大事なものだったのかもしれないが、その免許更新で1億円の窃盗が“バレ”てしまうことになった。どうせなら遵法精神はもっと徹底したほうが良かったのではないか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
事件発生から2年経っての逮捕――。きっかけはなんと運転免許証の更新だったという。
社会部記者が明かす。
「栃木県さくら市の住宅で2021年4月、住人の70代男性が留守中に、“タンス預金”として保管していた現金約1億円と指輪など時価総額計80万円相当が何者かに盗まれる事件が発生しました。そして、この事件に関与したとして住居侵入と窃盗の容疑で男が逮捕されたのです」
逮捕されたのは、自称・埼玉県行田市の建設作業員手伝い富田匠容疑者(36)。
「事件発生後、栃木県警は聞き込みや鑑識の捜査で、富田容疑者ともう1人の男を特定し、行方を追っていました。富田容疑者は指名手配されていましたが、免許の更新に訪れていたところで見つかり、逮捕されたのです」(同前) 富田容疑者と共謀したとして、40歳の男は住居侵入と窃盗の疑いですでに昨年1月28日に逮捕されており、刑が確定している。逮捕された2人の関係性は不明だが、被害者と面識はないという。 共犯の男が逮捕された後も、行方をくらましていた富田容疑者。ようやく見つかった容疑者の姿は、警察官や関係者が働いている運転免許センターにあった。 まさに飛んで火にいる夏の虫。逮捕の瞬間を目撃したという男性が明かす。運転免許センターで大捕り物「13日の夕方だったでしょうか。関係者しか入れない駐車場に、埼玉県警の警察車両が2台ほどやってきたんです。車から降りてきた3、4人の警察官が建物の中に入っていきました。また、入り口の両端には警察官が1名ずつ待機していました」 物々しい雰囲気に驚く男性の目の前で、世にもまれな逮捕劇の幕が開いた。「その後しばらくしてとちぎナンバーの警察車両もすべりこんできました。すると栃木県警の防刃ベストを着た警察官が4、5人、免許センターから出てきた男を建物の入り口あたりで取り囲み、何かを喋っているようでした。話がついたのか、男をとちぎナンバーの車に乗せて走り去っていきました」(同前) この男こそ、免許更新にやってきて逮捕された富田匠容疑者だったのだ。「容疑者は暴れたり騒いだりすることもなかったです。あれだけ警察官に囲まれていたら“四面楚歌”の状態で逃げることもできないでしょうけど。当初は偽造免許証とかそんな事件かと思っていましたが、ニュースで栃木県の窃盗事件だと知りびっくりしました。でもまさか指名手配犯が免許更新にやってくるなんてねえ……」(同前)容疑者が逮捕された埼玉県の運転免許センター「そのうち取消だけど一応更新w」 そもそも指名手配とはなにか。逮捕状が出ているものの、被疑者の逃亡によって行方が分からない場合、全国の警察に被疑者の逮捕と、逮捕後の身柄引き渡しを要請する制度のことを指す。 指名手配犯の動向には、文字通り全国の警察が目を光らせる。まさか己がそんな状態に置かれているとは知りもしなかったのだろうか、法の定めに従って運転免許の更新にやってきた富田容疑者は、あえなくお縄を打たれてしまった。 過去には自身の免許証の写真とともにInstagramに次のような投稿をしていた。〈そのうち取消だけど一応更新w〉〈#もうすぐ#免取り#共同危険行為#で2年取消〉「引っ込み思案な子」がいつの間にか「全身に刺青」 富田容疑者を知る女性はこう話す。「匠君は小・中学生のころは大人しくて引っ込み思案な感じの子でしたよ。確か部活は柔道部だったんじゃないかしら。道で会って挨拶すると、ちょっと恥ずかしそうな感じでお辞儀してくれるようないい子でした」 だが、ある種の若者が無軌道になるのは世の常だ。「高校に行ったのかその後のことはあまり知らないんだけど、4、5年前に見かけたとき、長袖の先から刺青がのぞくくらい、とにかく全身に刺青が入ってたからびっくりしちゃったわ」(同前) 前述のInstagramには、刺青をあらわにした富田容疑者の写真がいくつか載っていた。前出の女性が続ける。「匠君は実家には住んでいないようで、お母さんも匠君がどこに住んでるのか知らないみたいでしたよ。悪さをしたこともあったらしいから、お母さんもだいぶご苦労されてたんじゃないかな……」「法律はバレなきゃ便所の落書き」〈法律はバレなきゃ便所の落書き〉 これは富田容疑者のInstagramのプロフィール欄に記載されていた言葉。投稿からは、バイクにまたがり、集団で走行することを楽しんでいたようにも見受けられる。 走りを愛する容疑者にとって、運転免許はなにより大事なものだったのかもしれないが、その免許更新で1億円の窃盗が“バレ”てしまうことになった。どうせなら遵法精神はもっと徹底したほうが良かったのではないか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「事件発生後、栃木県警は聞き込みや鑑識の捜査で、富田容疑者ともう1人の男を特定し、行方を追っていました。富田容疑者は指名手配されていましたが、免許の更新に訪れていたところで見つかり、逮捕されたのです」(同前)
富田容疑者と共謀したとして、40歳の男は住居侵入と窃盗の疑いですでに昨年1月28日に逮捕されており、刑が確定している。逮捕された2人の関係性は不明だが、被害者と面識はないという。
共犯の男が逮捕された後も、行方をくらましていた富田容疑者。ようやく見つかった容疑者の姿は、警察官や関係者が働いている運転免許センターにあった。
まさに飛んで火にいる夏の虫。逮捕の瞬間を目撃したという男性が明かす。
「13日の夕方だったでしょうか。関係者しか入れない駐車場に、埼玉県警の警察車両が2台ほどやってきたんです。車から降りてきた3、4人の警察官が建物の中に入っていきました。また、入り口の両端には警察官が1名ずつ待機していました」
物々しい雰囲気に驚く男性の目の前で、世にもまれな逮捕劇の幕が開いた。
「その後しばらくしてとちぎナンバーの警察車両もすべりこんできました。すると栃木県警の防刃ベストを着た警察官が4、5人、免許センターから出てきた男を建物の入り口あたりで取り囲み、何かを喋っているようでした。話がついたのか、男をとちぎナンバーの車に乗せて走り去っていきました」(同前)
この男こそ、免許更新にやってきて逮捕された富田匠容疑者だったのだ。
「容疑者は暴れたり騒いだりすることもなかったです。あれだけ警察官に囲まれていたら“四面楚歌”の状態で逃げることもできないでしょうけど。当初は偽造免許証とかそんな事件かと思っていましたが、ニュースで栃木県の窃盗事件だと知りびっくりしました。でもまさか指名手配犯が免許更新にやってくるなんてねえ……」(同前)
容疑者が逮捕された埼玉県の運転免許センター
そもそも指名手配とはなにか。逮捕状が出ているものの、被疑者の逃亡によって行方が分からない場合、全国の警察に被疑者の逮捕と、逮捕後の身柄引き渡しを要請する制度のことを指す。
指名手配犯の動向には、文字通り全国の警察が目を光らせる。まさか己がそんな状態に置かれているとは知りもしなかったのだろうか、法の定めに従って運転免許の更新にやってきた富田容疑者は、あえなくお縄を打たれてしまった。
過去には自身の免許証の写真とともにInstagramに次のような投稿をしていた。〈そのうち取消だけど一応更新w〉〈#もうすぐ#免取り#共同危険行為#で2年取消〉「引っ込み思案な子」がいつの間にか「全身に刺青」 富田容疑者を知る女性はこう話す。「匠君は小・中学生のころは大人しくて引っ込み思案な感じの子でしたよ。確か部活は柔道部だったんじゃないかしら。道で会って挨拶すると、ちょっと恥ずかしそうな感じでお辞儀してくれるようないい子でした」 だが、ある種の若者が無軌道になるのは世の常だ。「高校に行ったのかその後のことはあまり知らないんだけど、4、5年前に見かけたとき、長袖の先から刺青がのぞくくらい、とにかく全身に刺青が入ってたからびっくりしちゃったわ」(同前) 前述のInstagramには、刺青をあらわにした富田容疑者の写真がいくつか載っていた。前出の女性が続ける。「匠君は実家には住んでいないようで、お母さんも匠君がどこに住んでるのか知らないみたいでしたよ。悪さをしたこともあったらしいから、お母さんもだいぶご苦労されてたんじゃないかな……」「法律はバレなきゃ便所の落書き」〈法律はバレなきゃ便所の落書き〉 これは富田容疑者のInstagramのプロフィール欄に記載されていた言葉。投稿からは、バイクにまたがり、集団で走行することを楽しんでいたようにも見受けられる。 走りを愛する容疑者にとって、運転免許はなにより大事なものだったのかもしれないが、その免許更新で1億円の窃盗が“バレ”てしまうことになった。どうせなら遵法精神はもっと徹底したほうが良かったのではないか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
過去には自身の免許証の写真とともにInstagramに次のような投稿をしていた。
〈そのうち取消だけど一応更新w〉
〈#もうすぐ#免取り#共同危険行為#で2年取消〉
富田容疑者を知る女性はこう話す。
「匠君は小・中学生のころは大人しくて引っ込み思案な感じの子でしたよ。確か部活は柔道部だったんじゃないかしら。道で会って挨拶すると、ちょっと恥ずかしそうな感じでお辞儀してくれるようないい子でした」
だが、ある種の若者が無軌道になるのは世の常だ。
「高校に行ったのかその後のことはあまり知らないんだけど、4、5年前に見かけたとき、長袖の先から刺青がのぞくくらい、とにかく全身に刺青が入ってたからびっくりしちゃったわ」(同前)
前述のInstagramには、刺青をあらわにした富田容疑者の写真がいくつか載っていた。前出の女性が続ける。「匠君は実家には住んでいないようで、お母さんも匠君がどこに住んでるのか知らないみたいでしたよ。悪さをしたこともあったらしいから、お母さんもだいぶご苦労されてたんじゃないかな……」「法律はバレなきゃ便所の落書き」〈法律はバレなきゃ便所の落書き〉 これは富田容疑者のInstagramのプロフィール欄に記載されていた言葉。投稿からは、バイクにまたがり、集団で走行することを楽しんでいたようにも見受けられる。 走りを愛する容疑者にとって、運転免許はなにより大事なものだったのかもしれないが、その免許更新で1億円の窃盗が“バレ”てしまうことになった。どうせなら遵法精神はもっと徹底したほうが良かったのではないか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
前述のInstagramには、刺青をあらわにした富田容疑者の写真がいくつか載っていた。前出の女性が続ける。
「匠君は実家には住んでいないようで、お母さんも匠君がどこに住んでるのか知らないみたいでしたよ。悪さをしたこともあったらしいから、お母さんもだいぶご苦労されてたんじゃないかな……」
〈法律はバレなきゃ便所の落書き〉
これは富田容疑者のInstagramのプロフィール欄に記載されていた言葉。投稿からは、バイクにまたがり、集団で走行することを楽しんでいたようにも見受けられる。
走りを愛する容疑者にとって、運転免許はなにより大事なものだったのかもしれないが、その免許更新で1億円の窃盗が“バレ”てしまうことになった。どうせなら遵法精神はもっと徹底したほうが良かったのではないか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
走りを愛する容疑者にとって、運転免許はなにより大事なものだったのかもしれないが、その免許更新で1億円の窃盗が“バレ”てしまうことになった。どうせなら遵法精神はもっと徹底したほうが良かったのではないか。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))