国民民主党の代表選(2023年8月21日告示、9月2日投開票)に立候補した玉木雄一郎代表と前原誠司代表代行が8月16日夜放送の「プライムニュース」(BSフジ)にそろって出演し、論戦を展開した。
政権交代のあり方や野党連携について2人の考え方は大きく異なり、前原氏が玉木氏を厳しく攻め立てる場面もあった。前原氏は、衆院の小選挙区では野党間の候補者調整が必要だとの立場で、榛葉賀津也幹事長兼選挙対策委員長の仕事ぶりについて「ちゃんと調整している痕跡はない」と主張。党運営に対する不満をぶちまけた。
番組では、前原氏が代表としての玉木氏の責任に言及する場面が目立った。玉木氏は、結党時に15人だった国会議員が21人に増えたことや、地方議員も増えたことを説明。これに対して前原氏は、党内で反対がある中で22年度の当初予算案に賛成することを決めたことに言及し、
などと迫った。
他の野党との距離感についても応酬があった。玉木氏は
と否定的な立場だ。前原氏は「基本は国民民主党を大きくすること」だと断った上で、その前提となる候補者の擁立が遅れていることを非難した。
政権交代のあり方についても考え方の違いが際立った。玉木氏は、二大政党制による政権交代は現実的ではないとの立場で、
などと述べた。これに対して、前原氏は「自民党と組むんだったら、それは連立の組み換えだ」。自民党と組む可能性があるかを問われた玉木氏は「これは選挙結果次第なんで分かりません。自民党が割れるかもしれないし…」と応じた。この答えを、前原氏は次のように批判した。
前原氏によると、連携可能な相手としては、憲法や安保といった基本政策が一致するのであれば「非自民非共産ならどなたでもどうぞ」という立場。「非自民は、私は絶対に譲れない」とも話した。
矛先は榛葉氏にも向けられた。候補者調整をめぐる議論で、玉木氏が
と話すと、前原氏はすかさず「やってない、できてない、できてない。それははっきり言っとくわ」と指摘した。
前原氏は小選挙区での候補者調整を重視する立場で、23年4月の衆院千葉5区補選で野党の候補者が乱立したことを批判した。対する玉木氏は比例票を重視。
と持論を述べたのに対して、前原氏は「だったらもっと(候補者を)立てなきゃ」。玉木氏が「立ててます。まもなく30になりますから」と反論すると、前原氏は「参政党50超えてるよ?」とやり返した。
前原氏は
とも主張した。
国民民主の代表選では、8月21日の告示日や、24日に予定されているドワンゴ主催の「候補者ネット討論会」などで改めて論戦を交わす機会がある。今回は防戦気味だった玉木氏が攻勢に転じるかもポイントになりそうだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)