日本人のクレーマーぶりに、海外での日本の評価が落ちているとSNS上で話題になっていると聞きました。やはり自国が海外からどう見られているかは気になりますよね? ということ探してみると、このような書き込みが。
「Amazonのレビューがいい例。商品そのものの評価ではなく,「配送が遅かった」「過剰包装」など,スレ違のレビューが多すぎる」
「SteamやAppstoreで、『日本語話者はレビューですぐ低評価を付けて商品価値が下がるので、わざと日本語は実装しない』ってデベロッパーの人の話、たまに聞くなあ。そして日本人が作ったアプリやゲームは総体的に低評価になるので、売るのが難しいらしい。墓穴を掘るのが特異な国民だ」
「中国でプロモーションのバイトしてるのですごくわかる。品物に問題なくても、輸送中の箱ダメージで星1とかつけてて、世界の嫌われ者になっていってる」
この現象が世界全体の傾向なのか、特定マーケットでのことなのかは不明ですが、少なくとも日本をこんな風に思っている外国人がいると知り、とても残念な気持ちになりました。でも、特に海外に出たことのある人なら、日本人のクレーマーぶりが少々度を越していることを薄々感じているのではないでしょうか。 問題発生時、日本と欧州の対応はどう違う?実は、日本では紛うことなきクレーム案件でも、欧州では真逆の対応が採られていることが少なくありません。個人的な体験に基づく事例を挙げてみると……
事例1. 電車の遅延日本:1分たりとも許されず、それを回避すべく逆に脱線事故が起こるレベル欧州:遅延は想定内。謝罪のアナウンスなど、ついぞ聞いたことなし。遅延の影響で乗り継ぎを逃し、やっと乗った後続列車では「違う列車の切符で乗車した」との理由で罰金を取られそうになったりする
事例2. 欲しい商品の店舗在庫がない場合日本:眉間にしわを寄せて、心底申し訳なさそうに謝られる。在庫のない理由、次回入荷時期、類似商品の提案など、必要以上の説明と謝罪欧州:高級店でもない限り、にべもなく「(商品が)ない」の一言で終わる確率高し
事例3. 大衆レストランで料理に異物混入(髪の毛、エビの背ワタなど)日本:ありえないこと。作り直しは必須、場合によっては返金も欧州:文句を言いつつも異物をよけて食べたりする
こうして比較すると、日本はサービスへの期待値と要求が高すぎる傾向にありますし、欧州はオモテナシが概して低レベルに感じられます。両者の中間くらいが暮らしやすい社会なのでしょうが、なかなかそんな好都合な国はありません。
ところで、日本人ほど細かくてうるさい、クレーム好きな国民はほかに存在しないのでしょうか? これが実は、日本に負けず劣らずヤバい「クレーム大国」が欧州にもありました。何を隠そう、私の住むスイスです。 恐怖! 国民総警察のスイスこちらに住み始めたころは、「スイスのどこが好き?」、「逆に嫌なところは?」と聞かれる機会も多く、「特に嫌いなところはないかなぁ。牧歌的そのものだし、治安もよくて最高!」などと適当に答えていました。ところが、あるとき知り合ったローカルのママ友に「スイス人の悪いところは、国民全員が警察官なところよね?」と同意を求められ、当初はその真意を測りかねたものの、すぐに思い知ることとなりました。
例えば、スイスでは自転車用レーンを歩行者が間違って歩いていただけで、「ここは自転車専用だぞ!」との怒号と共に、後続のバイカーに追い抜きざまに肘鉄を見舞われたり(私のことです。泣)、降りる人がいるのを知らずに先にトラム(路面電車)に乗り込もうとした子どもが「降車が優先だ!」と怒鳴りつけられたり、バスの優先席に座っている妊婦が、席を譲るよう高齢者に罵倒されたり、などなど。
これだけでも十分に慄きますが、さらに手ごわいのは警察を巻き込むスイス人クレーマーたちです。例えば駐車時に、駐車スペースの白線から車体がはみ出しているだけで警察案件ですし、私の友人たちでも「子どもを規程外の場所で遊ばせた」、「アパート内のガレージで規定外の場所に駐車した」などの理由で警察を呼ばれた人が何人もいます。
そして罰金大国スイスでは、警察の登場と共に、高額のペナルティが課される可能性は決して低くありません。夫の同僚などは、22時ごろに自宅の庭で友人たちと談笑していただけで、隣人が通報した警察官に指導を受け(パーティーを開催して騒いだわけでもないのに!)、その数日後には見事、罰金告知表を受け取ったのだそう。そんなスイス人クレーマーたちの決め台詞はいつも共通して「警察に言ってやる!」なのです。
どうでしょう。極度なクレーマー気質が日本人だけの話でなくて安心しましたか?