厚生労働省に新型コロナウイルス感染対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード」(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)の会合が16日開かれ、感染状況について「4月上旬から緩やかな増加傾向となっている。過去の状況を踏まえると、夏に一定の感染拡大が起こる可能性がある」という見解を示した。
「日本のコロナ対策は失敗」医師が言い切る理由 会合は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日に5類に移行してから、初めて開催された。全国約5000の定点医療機関から報告された患者数は、6月5~11日の1週間では1医療機関当たり5・11人だった。5類移行直後の週と比べると、1・9倍に増加していた。特に沖縄県では増加が著しく、6月5~11日で18・41人に上った。
脇田座長は会合後の記者会見で「しばらく増加傾向は続くのではないか。高齢者や基礎疾患のある人へのワクチン接種を進める必要がある」と述べた。 厚労省はこの日、新型コロナの感染で得られた抗体の有無を5月17~31日に調査した結果、抗体保有率は42・8%(速報値)だったと明らかにした。前回2月の調査(42・0%)から横ばいで、年代が上がるほど保有率が低くなる傾向がみられた。脇田座長は「2月以降、それほど感染が拡大しなかったことを示している。時間と共に免疫の状態は低下している可能性がある」と述べた。 調査は日本赤十字社の献血ルームなどを訪れた全国の16~69歳の1万8048人分の血液を対象にした。【添島香苗】
会合は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日に5類に移行してから、初めて開催された。全国約5000の定点医療機関から報告された患者数は、6月5~11日の1週間では1医療機関当たり5・11人だった。5類移行直後の週と比べると、1・9倍に増加していた。特に沖縄県では増加が著しく、6月5~11日で18・41人に上った。
脇田座長は会合後の記者会見で「しばらく増加傾向は続くのではないか。高齢者や基礎疾患のある人へのワクチン接種を進める必要がある」と述べた。
厚労省はこの日、新型コロナの感染で得られた抗体の有無を5月17~31日に調査した結果、抗体保有率は42・8%(速報値)だったと明らかにした。前回2月の調査(42・0%)から横ばいで、年代が上がるほど保有率が低くなる傾向がみられた。脇田座長は「2月以降、それほど感染が拡大しなかったことを示している。時間と共に免疫の状態は低下している可能性がある」と述べた。
調査は日本赤十字社の献血ルームなどを訪れた全国の16~69歳の1万8048人分の血液を対象にした。【添島香苗】