2019年7月に亡くなったジャニー喜多川氏による性被害を告白した元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26)と俳優でダンサーの橋田康氏(37)が16日、国会内で開かれた野党の「性被害・児童虐待」国対ヒアリングに出席した。
カウアン氏と橋田氏はこの日が初対面。カウアン氏は立憲民主党の国会議員を始め法務省や警察庁、こども家庭庁の担当者が出席した中、緊張した面持ちで自身の性被害について話した。
「中学3年で(ジャニーズ)事務所に入りました。その1か月後、自宅で性的被害を受けました」と振り返った上で「芸能界に限らず、立場の上の人から要求された時、拒むのは難しいです。僕以外の被害を受けた方も声を上げてください。社会は僕たちの要求を聞いてくれる状況になった。法律が整備されることを強く期待しています」と訴えた。
橋田氏は「ジャニーズに入って13歳ごろ、性被害にあった。ぼくにとって大きなことでした。13、14歳の子がエンタメの世界で真っすぐに走れることが大人のできることだと思う。子どもを守れるのは大人の行動です」と力を込めた。
ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長は14日に一連の告発を受けて、謝罪動画を公式サイトに掲載した。
カウアン氏は「(ジュリー景子社長が)あれだけ覚悟して顔を出してしゃべったことは、本当に感謝しています。やっと始まったなという感じ。これからどういう動きをしていくのか。事務所がどういう対策をするのか。マスメディアがどう取り上げていくのか」と話した。
同ヒアリング終了後、カウアン氏と橋田氏は報道陣のぶら下がり取材に応じた。
「(ジュリー社長の)謝罪動画やヒアリングが今後の第一歩と語った。性被害にあった両氏が国や国会に求めることは何か」の質問にカウアン氏は「最初、マスメディアが取り上げられなかった状況から、今の社会がネット社会ということで、いろいろな著名人の方たちが、取り上げてくれたことによって広まった。そして今、これを見てくれている国民の皆さまが、コメントだったりとか応援してくれたおかげで、ここまできたと思う。先日、ジュリー社長も顔を出して謝罪した。徐々に確実にみんなが自分のこととして、同じ方向に向き始めたなと、ぼくは感じています。このきっかけじゃなかったら、変わらなかったと思います」と語った。
橋田氏は「すごく大きく動いたことだと思います。自分は今日初めて彼(カウアン氏)とお会いして、ぼくが(性被害の)告白をした時、彼を基本的に知らない状態で、こういうことを始めた。知れば知るほど、彼が海外メディアに取り上げられて発展していったと思う。この一歩は大きいと思うので、これを機に海外メディアの影響ではなく、日本の問題としてチャレンジする姿勢でやってもらえたら凄く嬉しい」とした。
立憲の山井和則衆院議員は、同ヒアリングの最後に「ジャニーズの社長はビデオメッセージじゃなく、直接会見をして説明する責任があるのでないかと思います。ジャニーズの社長にも国対ヒアリングにお越しいただけるように私たちも要請していきたいと思います」と語った。