神奈川県立こども医療センターは7日、令和3年に手術を受けた小児患者が術後5日目に容体が急変し、死亡していたことを発表した。
外部の専門家を加えた事故調査委員会は術後管理が不適切だったと指摘。同センターの黒田達夫総長は記者会見で「救える命だった可能性が大きい」と述べ、陳謝した。
センターによると、子供は3年10月6日に手術を受けた。術後3日目からは40度を超える発熱があり、下痢を繰り返して嘔吐(おうと)もし、5日目に容体が急変し死亡。医療事故調査制度に基づき調査委を設置した。
調査委は手術は適切だったとする一方、発熱や下痢、嘔吐を踏まえた検査が実施されず、脱水症への必要な対応も行われなかったと指摘。心肺蘇生(そせい)開始のタイミングも遅れたとした。問題の背景として、術後管理が経験の乏しい医師任せとなり、心肺蘇生に習熟した医師が直ちに対応できる体制になっていなかったことなどを挙げた。
センターは安全管理部門強化などの再発防止策を発表。子供については特定されるとして、性別や年齢などを明らかにしなかった。