昨年末に始まったインフルエンザの流行が収束しないまま、9月からの新シーズンに突入した。
厚生労働省は15日、全国約5000か所の定点医療機関から4~10日の1週間に報告された患者数が、1医療機関あたり4・48人だったと発表した。流行の目安(1医療機関あたり1人)を超える状態が次シーズンまで途切れなかったのは、現在の集計方法となった1999年以降で初めて。
発表によると、3週連続で増加している。都道府県別にみると、沖縄の1医療機関あたり13・43人が最多で、長崎の同8・80人、千葉の同8・58人が続いた。
通常、インフルエンザの流行は12月~3月とされるが、昨年末からの流行は今年2月にピークを迎えた後も、一度も流行の目安を下回らずに続いている。感染症に詳しい菅谷憲夫・慶応大客員教授は「コロナの流行が始まって2シーズンはインフルエンザが流行せず、人々の免疫が低下したため、広がりやすくなっている。夏場の発熱患者の検査が増えた影響もあるだろう」と話す。インフルエンザのワクチン接種は10月から本格化する。菅谷氏は「重症化リスクが高い高齢者や5歳未満の子どもは早めに接種してほしい」と呼びかけている。