がん治療で摘出した腎臓から病巣を切除し腎不全患者に移植する「病気腎移植」で知られる医師の万波誠(まんなみ・まこと)氏が14日、岡山県備前市の病院で死去した。81歳。備前市出身。親族が明らかにした。
万波氏ら「瀬戸内グループ」と呼ばれる4人の医師は1991~2006年、愛媛県宇和島市の市立宇和島病院と宇和島徳洲会病院などで42件の病気腎移植を実施。06年11月に一部を公表した。
日本移植学会を中心に医学的妥当性を問う声が上がり、万波氏らは病気腎移植を中断した。厚生労働省が07年、病気腎移植を原則禁止にしたが、その後、先進医療として認められた。