近畿日本ツーリストが自治体から受託した新型コロナウイルス関連事業で委託料を過大請求していた事件で、詐欺罪に問われた同社関西法人MICE支店の元支店長、森口裕被告(55)ら3人の初公判が20日、大阪地裁(渡部市郎裁判長)で開かれ、3人は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
ほかの2人は同支店の元グループリーダーの臼杵(うすき)賢一被告(58)と、元営業課長の太田幹雄被告(54)。
検察側は冒頭陳述で、同社は新型コロナ禍で業績が悪化しており、「利益を上げるために、(再委託先に発注する)オペレーターの人数を減らすようになった」と指摘した。
起訴状によると、3人は共謀し、令和3年9月下旬~4年10月中旬、大阪府東大阪市から受託したワクチン接種事業のコールセンター業務で、電話対応するオペレーターの人数を水増しした虚偽の報告書などを提出。同市から委託費計約8億9400万円をだまし取ったとしている。
事件を巡っては、ほかの自治体でも過大請求が発覚し、同社は関わった社員計37人を処分。当時の社長も引責辞任した。