三重県度会町の町道で9日午前、散歩中の女性(60)が猟犬に襲われて重傷を負った問題で、県伊勢保健所の職員は10日、同町に住む飼い主の男性(67)宅を訪れて、発生時の状況や猟犬の飼育状況などの聞き取りを行った。
県警伊勢署も業務上過失致傷容疑も視野に男性から事情を聴いている。
男性は9日午前10時半頃から、度会町火打石で雑種の2~16歳の中型犬(体高約60センチ)5匹を連れて、イノシシなどの駆除を実施。同11時20分頃、猟犬がほえて合図したため、男性が確認すると、4匹が女性を襲っていたため、引きはがして119番した。女性は頭と腕をかまれて片耳を失ったほか、頭部には約10センチ四方の傷があり骨が見えるほどの状態だったという。
伊勢保健所衛生指導課の職員が10日、猟犬7匹を飼う男性宅を訪ねて、飼育環境を視察し、9日の状況を聞き取った。男性は「犬が猟で獲物と勘違いしたと思う」と説明。10日に犬を獣医師に診せた上で、狂犬病の検査を受けさせたとし、結果は1週間後に判明する見通し。予防注射などは済んでおり、現段階で飼育に関しては手続きや法律上の問題はないという。
犬のかみつき事故などを管轄する県食品安全課によると、けがを負わせた猟犬は殺処分にはならない。動物愛護法に基づき、再度しつけて、猟に使うことができるという。