大阪市平野区のスーパーマーケットで客ら4人が襲われて重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された住所不詳、無職飯田雅史容疑者(56)が入店直後にレジで精算中の客を襲っていたことが、大阪府警平野署の調べでわかった。
同署は襲撃する目的で店を訪れたとみて調べる。
同署によると、飯田容疑者は9日午後6時25分頃、同区瓜破(うりわり)西の「スーパーサンコー瓜破店」に入店。すぐにレジへ移動し、精算しようとしていた客の女性(85)の頭をテント用金具の「ペグ」(長さ約25センチ)で刺したという。女性は頭部の陥没骨折や脳挫傷などの重傷を負った。50歳代の客2人と男性店員(40)もその後に相次いで襲われたとみられる。
ペグはキャンプ用のテントなどを固定する金属製のくい。店内から襲撃に使ったとみられる1本が見つかったほか、飯田容疑者が所持していたカバンにも別の1本が入っていた。飯田容疑者は調べに「事実無根です」と否認している。
重傷を負った女性の夫(85)は読売新聞の取材に対し、「妻は後ろから無言で刺されたようだ。頭の傷は深く、治るかどうかわからない。不安や憤りで食事ものどを通らない」と話した。