参院選で大幅に議席を増やした国民民主党が、新人議員らの不祥事に神経をとがらせている。
批判を招くような言動が重なれば、政党支持率の下落に直結しかねないためで、本格的な国会論戦が始まるまでの間に議員教育に力を入れたい考えだ。
国民民主は4日、先の参院選で初当選した13人を対象に国会内で研修を行った。新人たちは参院事務局から、議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の活用方法や使途公開の運用ルールなどについて説明を受けた。
同党は昨秋の衆院選で公示前議席から4倍に急増した。ただ、過去に偽名で不倫していた男性議員を今年4月に党員資格停止処分(その後離党)とするなど、初当選組のトラブルが目立つ。参院選を経て衆参の所属議員49人の半数以上を新人が占めるだけに、幹部は「国会の仕組みや政策研究など『イロハ』から学んでもらう」と指摘する。
2023年統一地方選で躍進した日本維新の会は新人議員らの不祥事が相次ぎ、一時野党トップだった報道各社の政党支持率がその後低落した。こうした経緯を踏まえ、国民民主はガバナンスコード(統治指針)の策定に乗り出している。参院選の候補者選定で批判を浴びたことから、選考過程の見直しも進める方針だ。
参院選で伸長した参政党も4日、新人の参院議員や地方議員ら約160人を集め、研修を実施した。元官僚の政策コンサルタントが省庁の職員らとの接し方などを指導し、党のネットチームはSNS対応などを手ほどきした。
参政は参院選中、神谷代表自身の失言や候補者の過激な主張が物議を醸すことがたびたびあった。神谷氏は選挙後、「勢いだけで戦える段階ではなくなってきた。責任政党として強いチームを作っていく」と強調している。