自民党は8日、7月の参院選惨敗を受け、両院議員総会を開き、党則に基づく臨時総裁選の実施の是非を確認する手続きに入ることを決めた。
総裁選挙管理委員会が今月下旬以降に党所属国会議員と都道府県連代表に実施の賛否を確認し、過半数が賛成すれば、総裁選が前倒しで行われる。進退判断に踏み込まなかった石破首相(党総裁)への圧力を強める狙いがあり、今後は、首相が決定前に退陣を表明するかどうかも焦点となる。
総会は党の正式な議決機関で、今回の議題は「参院選の総括と今後の党運営について」だった。首相は報道陣に公開された冒頭、参院選について「あのような結果を招いたことに対し、心からおわびを申し上げる」と陳謝した。米国との関税交渉の合意について触れ、「実行するにあたり様々な問題を抱えている。不安がないよう全力を尽くしていきたい」と訴え、進退判断の時期は明確にしなかった。
党所属議員295人のうち253人が出席し、35人が発言した。総裁選の前倒しを求める意見が相次いだため、有村治子両院議員総会長が臨時総裁選の実施を定める党則6条4項に基づく作業に入る方針を示し、了承された。
党則は、総裁の任期満了前でも、所属国会議員と都道府県連代表各1人の総数の過半数の要求があれば、総裁選を実施すると定める。現在の総数は342人で過半数は172人だ。この規定に基づく総裁選の実施は過去にない。決まれば異例の事態となるため、党内には依然、首相自らの退陣表明に期待する向きが多い。
首相は総会後、首相官邸で記者団に「(総会での)意見を真摯(しんし)に受け止め、これから先、それを重視していきたい」と語った。総裁選前倒しに向けた手続きに入ることに関しては「党則にのっとって運営することに尽きる」と述べるにとどめた。
総会では、森山幹事長が参院選の敗因を分析する党の総括委員会の報告書を8月末をめどにとりまとめると説明した。森山氏は総括後に引責辞任する可能性を示唆している。
総裁選管の逢沢一郎委員長は総会後、記者団に、臨時総裁選の実施の是非を決定する時期について、参院選総括の日程を考慮する考えを明らかにした。