立憲と維新の“関係”に変化の兆しか?

今月26日に新執行部が発足した野党第一党の立憲民主党と、今月27日に新代表が選出された野党第二党の日本維新の会の国対委員長が、初めて会談を行い、今後、国会で政策テーマ別で連携を模索していくことで一致しました。立憲民主党の安住国対委員長と、日本維新の会の遠藤国対委員長は、30日、初の会談を行い、安倍元総理大臣の国葬について、岸田総理大臣との国会の場での質疑が不可欠であるとの認識で一致しました。

そのうえで、31日に全ての野党の国対委員長で会談を行うことで一致しました。安住国対委員長は、遠藤氏との会談後の会見で、今回の合意について、「野党第一党・第二党として、合意できるところは、自民党に要求していこうと、今回、すっきりわかりやすくできたということは大きい」と振り返りました。また、会談では、立憲と維新の今後の国会での連携のあり方についても話が及び、安住国対委員長からは「“政策テーマ別連携主義”を掲げているのでテーマごとに連携していきたい」との意向が示されました。これに対し、維新の遠藤国対委員長も「場面、場面で協議をし、付き合うことができることは付き合いをし、できないことはできないということでやっていく」と応じ、政策テーマ別に連携を模索していく考えで一致しました。安住国対委員長は、枝野前代表のとき以来、およそ9か月ぶりの国対委員長に再任されました。前回の国対委員長のときは、国会対応を話し合う野党の枠組み=いわゆる「野党国対」に日本維新の会は含まれていませんでした。立憲の国対関係者は「当時、共通のテーマがあっても、維新には声をかけなかったし、排除をしていた」と振り返りました。その後、去年10月の衆議院選挙後、国民民主党が「野党国対」からの離脱を表明すると、「野党国対」はバラバラになり、野党が一致して政府与党に対決姿勢を示すことは困難になりました。今回の立憲の態度の変化について、維新の幹部のひとりは、「維新が飛躍して、数の変化が理由だろう」と分析しました。さらに維新と国民が加わらない「野党国対」では、立憲と共産党の結びつきが強く見えることを挙げ、「“立憲共産党”と見えるのも良くないし、今後、維新との距離を縮めたいのだろう」と解説しました。一方、立憲のベテラン議員は「2012年以降、民主党時代から、ことごく維新を爪弾きにしてきたが、党勢が傾き、維新が躍進する中、岡田幹事長と安住国対委員長は、維新との連携を意識している」と分析しました。維新の遠藤国対委員長は、立憲の変化について会見で、「維新は小さなイジメにあったとずっと思い続けてたら、変化も将来的な展望も見えないので飲み込みたい」と述べました。そのうえで、「自民の一強では良くないことは当然であるので、与党に対して言うべきことは言っていくということを建設的にやっていきたい」と述べました。野党が乱立し、自民党「一強多弱」と言われる中で、政府与党との違いを打ち出すことで党勢を拡大したい野党第一党と第二党の思惑が重なった形です。ただ、それが功を奏すかはまだ見通せていません。(政治部 野党担当キャップ 江口友起)
今月26日に新執行部が発足した野党第一党の立憲民主党と、今月27日に新代表が選出された野党第二党の日本維新の会の国対委員長が、初めて会談を行い、今後、国会で政策テーマ別で連携を模索していくことで一致しました。
立憲民主党の安住国対委員長と、日本維新の会の遠藤国対委員長は、30日、初の会談を行い、安倍元総理大臣の国葬について、岸田総理大臣との国会の場での質疑が不可欠であるとの認識で一致しました。
そのうえで、31日に全ての野党の国対委員長で会談を行うことで一致しました。
安住国対委員長は、遠藤氏との会談後の会見で、今回の合意について、「野党第一党・第二党として、合意できるところは、自民党に要求していこうと、今回、すっきりわかりやすくできたということは大きい」と振り返りました。
また、会談では、立憲と維新の今後の国会での連携のあり方についても話が及び、安住国対委員長からは「“政策テーマ別連携主義”を掲げているのでテーマごとに連携していきたい」との意向が示されました。
これに対し、維新の遠藤国対委員長も「場面、場面で協議をし、付き合うことができることは付き合いをし、できないことはできないということでやっていく」と応じ、政策テーマ別に連携を模索していく考えで一致しました。
安住国対委員長は、枝野前代表のとき以来、およそ9か月ぶりの国対委員長に再任されました。
前回の国対委員長のときは、国会対応を話し合う野党の枠組み=いわゆる「野党国対」に日本維新の会は含まれていませんでした。
立憲の国対関係者は「当時、共通のテーマがあっても、維新には声をかけなかったし、排除をしていた」と振り返りました。
その後、去年10月の衆議院選挙後、国民民主党が「野党国対」からの離脱を表明すると、「野党国対」はバラバラになり、野党が一致して政府与党に対決姿勢を示すことは困難になりました。
今回の立憲の態度の変化について、維新の幹部のひとりは、「維新が飛躍して、数の変化が理由だろう」と分析しました。
さらに維新と国民が加わらない「野党国対」では、立憲と共産党の結びつきが強く見えることを挙げ、「“立憲共産党”と見えるのも良くないし、今後、維新との距離を縮めたいのだろう」と解説しました。
一方、立憲のベテラン議員は「2012年以降、民主党時代から、ことごく維新を爪弾きにしてきたが、党勢が傾き、維新が躍進する中、岡田幹事長と安住国対委員長は、維新との連携を意識している」と分析しました。
維新の遠藤国対委員長は、立憲の変化について会見で、「維新は小さなイジメにあったとずっと思い続けてたら、変化も将来的な展望も見えないので飲み込みたい」と述べました。
そのうえで、「自民の一強では良くないことは当然であるので、与党に対して言うべきことは言っていくということを建設的にやっていきたい」と述べました。
野党が乱立し、自民党「一強多弱」と言われる中で、政府与党との違いを打ち出すことで党勢を拡大したい野党第一党と第二党の思惑が重なった形です。
ただ、それが功を奏すかはまだ見通せていません。