確実に貯まる!銀行の「自動積立」の活用法

貯蓄の王道は財形貯蓄&銀行の自動積立会社勤めで勤務先に制度があれば、給料から天引きされる「財形貯蓄」は、税金優遇などのメリットもありぜひとも活用したい方法です。しかし、勤務先を通して積み立てるので引き出しにくいという面もあります。
そこで、自分がいつも使っている銀行の「自動積立」も並行して行うのことをおすすめします。銀行の自動積立なら、早く貯めるための技が使えます。財形貯蓄が導入されていない会社に勤務する人や自営業の人はなおさら、銀行の自動積立をしっかり活用しましょう。
銀行の自動積立の申し込みは、窓口、郵送、ネット銀行の自動積立(自動積立定期貯金、自動積立定期預金)は、窓口や郵送で申し込みます。ネットバンキングで自動積立を申し込める銀行も増えています。ネットバンキングを利用しているなら、ログインして確認してみてください。
自動積立を始めるには、毎月の積立額を決めて申し込むという作業が最初にひと手間かかります。しかし一度申し込んで仕組みを作れば、あとは毎月、自分で決めた日に、普通預金から定期預金に振り替えてもらえます。また、預け入れた期間に応じて「スーパー定期」の金利が適用されるのが一般的です。
ネット専業のソニー銀行と楽天銀行、流通系のイオン銀行でも自動積立可自動積立を取り扱っているのは、主に都市銀行や地方銀行、ゆうちょ銀行ですが、ネット専業銀行の中でもソニー銀行と楽天銀行(円定期預金の積立購入)では積立ができます。ネット専業ですから、もちろんネットで申し込みができます。
また流通系の銀行であるイオン銀行でも自動積立ができます。イオン銀行は、全国のイオン系列のスーパーなどに店舗が設置され、土日祝日も営業しています。もちろんネットバンキングも利用できます。
「給与振込口座」から「給料日直後」に積み立て設定するのがポイント一度申し込んでしまえば、忘れていても、自分で何もしなくても、定期預金の残高が増えていくのが自動積立のよさです。ただし、普通預金に残高が足りないと積み立てはできません。確実に積み立てるためには、給与振込口座で申し込んで、給与振込日の直後に積立日を設定しておくのがポイントです。
また、ネット専業銀行の場合、例えばソニー銀行には、毎月一定額を手数料無料で他行から入金できる「おまかせ入金サービス」があるので、これを使って給与振込銀行から入金すれば、自分で毎月お金を動かす手間が省ける上に、残高不足を防ぐということもできます。
1回あたりの積立額は1000円という少額から預けられるところもあります。自分の家計に無理のない範囲でかまいませんが、できれば1万5000円以上に設定しておくことをおすすめします。
自動積立はボーナス月に2カ月分を上乗せするとスピードアップ!ボーナス月に積み立てを増額できるのも、銀行の自動積立のいいところです。
ボーナスの額が給料の2~2.5カ月分なら、ボーナス月はいつもの積立額に2カ月分をプラスして3倍にするのがポイント。年間で見ると、1回あたりの積立額×16回分(12+2+2=16)の元本が貯まることになります。
積み立てを5年続けるといくら貯まるか、1回あたりの積立額ごとに計算してみましょう。
月1.5万円以上なら5年以内に100万円貯まる!表を見てください。積み立てを続けていって、100万円を達成する年のマス目を黄色で強調しています。1回あたり1万5000円で、ボーナス月に2カ月分を増額すると、5年で100万円を超えて120万円を達成します。ボーナス月の増額がないと5年で90万円。とはいえ100万円まであと一歩。1万5000円以上の積み立てなら、もっと早く100万円を達成できます。
100万円貯めるのが目標なら、1回あたりの積立額は1万5000円以上に設定しておきたいという理由がこれです。
また、財形貯蓄と銀行自動積立を並行して行う場合、前者で1万5000円、後者で1万5000円を積み立てれば、合計3万円。5年後には、ボーナス時の増額なしでも180万円、増額ありなら240万円にもなります。
ボーナス月の増額が難しければ手動で入金を貯金というものは、計画を立てるのは簡単ですが、実行するのは難しいもの。ボーナスがない、あるいはボーナスの使い道が決まっている場合は、「できるときに随時入金」という方法でいきましょう。
一度、積立用の口座を作ると、ATMやネットバンキングで追加の入金ができます。これを利用するわけです。節約して1万円浮いた、臨時収入があった、というときにぜひ実行してください。いつでも入金できる積立口座があると、励みになるものです。
また、月々の積立額を無理して高めに設定すると、生活費が足りなくなって結局解約することになりかねません。無理のない金額にしておいて、余裕が出た分から随時、追加で入金する方法もあります。
家計の状況に合わせて積立額を決め、とにかく続けるボーナス月の増額と随時入金。この2つをうまく使うことで、貯まるスピードを加速させることができます。先ほどの表の金額は元本のみの計算ですが、実際にはこれに利子がつきます。
積立額は途中で変更できますから、その時々の家計の状況に合わせて、無理のないように設定しましょう。教育費がかかって家計がきびしい時期などは、積立額は少なくてもいいのです。「継続は力なり!」、続けることが大事です。
文:坂本 綾子(ファイナンシャルプランナー)