山口県が貴賓車として購入したトヨタの最高級車「センチュリー」を巡る住民訴訟で、県は15日、村岡嗣政(つぐまさ)知事に購入費2090万円を全額請求するよう命じた山口地裁判決を不服として、広島高裁に控訴した。
元県職員の男性(75)が違法な公金支出だとして昨年2月に提訴。地裁は今月2日の判決で、購入の検討が「あまりにも不十分」とし、「知事の裁量権を逸脱・乱用した財務会計上の違法行為」などと認定した。
県の代理人弁護士は報道陣の取材に対し、「判決に疑義がある。高裁の判断を仰ぎたい」と述べ、知事の裁量権の範囲などについて争う考えを示した。一方、記者会見した元県職員は「県民に不誠実で大義のない控訴だ」と語った。