聖カタリナ学園高校(松山市)野球部の寮で起きた集団暴行について、同校は17日、日常的な暴行に学校が気付けなかったなどとする第三者委員会の報告書を公表した。
同校は被害者に謝罪し、2年間は自宅から通学できる生徒だけに入部を制限するとした。
報告書によると、1、2年生9人が5月、1年生3人をバットやスパイクで殴打。寮の実態を指導者に報告しようとした2年生も暴行された。ルーレットを回し、出た数に応じて殴る回数を決めていたという。
昨年11月には、1、2年生だった4人が「スマホの使用ルールを守らない」などとして1年生1人に暴行。被害者5人はいずれも腕や脚に打撲を負い、3人は転校を余儀なくされた。
同校は保護者からの相談で事態を把握し、6月に弁護士らでつくる第三者委員会を設置して調査を進めていた。
第三者委は「暴力を当然視する空気があり、罪の意識が希薄だった」と指摘し、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に該当すると認定。部員数74人(5月現在)に対して指導者が4人と少なく、相談体制が機能していなかったとした。
同校は8月、寮に防犯カメラを増設し、泊まり込みで生徒の世話をする「寮監」を雇うなどの対策を実施。顧問として復帰していた元監督は、後任が決まれば指導から身を引くという。
近藤実校長は「生徒や教員全員が意識を変え、『暴言・暴力・いじめをなくす』ことを第一に再発防止を徹底する」とコメントした。