写真:ZUMA Press/アフロ
11月18日夜、森喜朗元首相が、東京都内で開かれた日本維新の会の鈴木宗男参院議員のパーティーであいさつし、ウクライナのゼレンスキー大統領を批判した。
「ロシアのプーチン大統領だけが批判され、ゼレンスキー氏はまったく何も叱られないのは、どういうことか。ゼレンスキー氏は、多くのウクライナの人たちを苦しめている」
ロシアのウクライナ侵攻に関する日本の報道に関しても、「日本のマスコミは一方にかたよる。西側の報道に動かされてしまっている。欧州や米国の報道のみを使っている感じがしてならない」と指摘。加えて「戦争には、勝ちか負けかのどちらかがある。このままやっていけば(ロシアが)核を使うことになるかもしれない。プーチン氏にもメンツがある」と言及した。
森氏は首相時代から失言、暴言を繰り返してきている。
2000年5月、神道政治連盟国会議員懇談会で「日本は天皇を中心にした神の国」と発言。さらに6月の演説会では「(無党派層は)寝ていてくれればいい」と発言し、内閣支持率は急落。2001年4月、首相退陣に追い込まれた。
その後も、2003年6月には、少子化問題の討論会で「子供をつくらない女性を税金で面倒をみるのはおかしい」と言い放ち、批判を浴びた。
失言は、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長となってからも止まらない。
「2014年2月、ソチ五輪で転倒した浅田真央さんを『大事なときに必ず転ぶ』とくさし、批判を浴びました。そして2021年2月には『女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる』などと発言。女性蔑視として大きな批判をうけ、辞任に追い込まれています。
問題なのは、自身の発言をまったく反省していないことです。
2022年6月には、先の女性蔑視発言への批判について、『女の人はよくしゃべると言っただけだ。本当の話をするので叱られる』と不満を吐露。さらに、『神の国』発言についても、『何が悪かったのかさっぱりわからないが、私をつぶせということだったのだろう』と、自身を正当化しています」(政治担当記者)
森氏の発言が報じられると、SNSでは、もはやあきらめに似た声も上がった。
《パーティーに出ればその場でウケる発言をしてしまう。「神の国」発言から全く変わっていない、森さんの王道パターン》
《森氏ってその場その場で、そこの聴衆にウケそうな極端なことを言ってるだけのような気がする だから失言王なんだろうけどw》
鈴木宗男議員は、「ロシア寄り」の発言を繰り返している。11月16日には、自身のブログで、《ゼレンスキー大統領が居丈高に『ロシアが撃った』というのは、全くのデタラメとなる》と主張。こう持論を展開した。
《ウクライナの言い分をうのみにしている日本の政治家、メディアも今回の件を参考にしてほしいものだ。報道は真実、事実のみを伝えてほしいと私はいつも言っているが、この点、良く分かってほしいものである》
森氏と鈴木氏という「ロシア寄り」タッグに、SNSでは《役満の組み合わせで草》という声もあがっている。
森氏は今回、ロシアに厳しい姿勢を取る岸田文雄首相に関しても「米国一辺倒になってしまった」と不満を示しており、そのうえで、「プーチンを説得できるのは鈴木宗男さんだ」と鈴木氏を持ち上げた。
その言葉どおり、鈴木氏にはプーチン大統領を説得し、事態を収めてほしいものだ。