スポーツくじ「BIG」で最高額6億円を引き当てたぽんぽんさん(仮名/30代会社員)。ある日突然大金を手にしたことで、お金や仕事、親しい人との関係はどのように変わったのか。当たるスポーツくじの買い方から当選直後の“買い物”など、高額当選者のリアルストーリーに迫る。(全2回の1回目/続きを読む)
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ぽんぽんさん(仮名)は、スポーツくじBIGに当選し、6億円を手にした 文藝春秋
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――今日はありがとうございます。取材を申し込んでおいてなんですが、高額当選者だと身バレは怖くないですか?
ぽんぽんさん(以降、ぽんぽん) まあ、でも、こんな風に取材される機会も今後そうないだろうと思いまして。好奇心が勝りました。もちろん身元バレしないことが大前提ですが。あと、こういうネットの記事だと「宝くじ高額当選者のヤバい末路」みたいなタイトルをイメージするんですけど……。
――よくウェブメディアをご存知で。
ぽんぽん やっぱりそういう感じなんですね(笑)。でも、だとすると僕の話はキャッチーな要素がなにもないと思うので、ボツになるんじゃないですかね。
――“宝くじ高額当選者のヤバい末路”にはなっていない、ということですか。
ぽんぽん はい、まったく。むしろ変わってないといいますか。
――それはそれで、変わってないことに読者の方は驚くような気がします。では順を追ってお聞きしたいんですが、ぽんぽんさんはちょうど10年前の2012年、スポーツくじ「BIG」の1等が当選。6億円を手にしたということですが、当選はどこで知ったんですか?
ぽんぽん 会社のトイレの中でした。当時は地方に転勤中だったんですけど、その地元の銀行から「大金が入金されました」と電話がかかってきたんです。金額はその場で教えてくれなかったのでネットで口座を見てみたら6億円が入っていた、という感じです。
――トイレに入ったときと出るときで、人生がガラリと変わっているわけですよね。飛び上がりたくなるような感じですか? 6億円が当たったときの気持ちが想像できません。ぽんぽん そこまでワーッとテンションが上がるようなことはなかったですね。今思えば平然としてたというか。なんででしょうね(笑)。最初に報告した“意外な人物”――意外と冷静なものなんですね。当選を一番はじめに打ち明けた相手は?ぽんぽん 小さいときからお世話になっている、お金持ちの経営者の方に話しました。――家族じゃないんですね。ぽんぽん お金持ちに相談したほうが大金の運用の仕方とか気をつけることとか、いろいろ知っているかなと思ったんです。あとはまあ、お金に困ってないんで、僕が大金を持っていることを知られても心配ないかなって(笑)。――その経営者の方の反応は。ぽんぽん ちょっと信じられないというような感じで、ビックリされていましたね。お金持ちにとっても6億というのはインパクトのある数字だったみたいです。 その後、両親に打ち明けたんですけど、僕が6億円当たったことより自分たちより先に他人に話されたことにショックを受けてましたね(笑)。「なんで私たちより先?」みたいな。スポーツくじを買い始めたきっかけ――もともとスポーツくじはずっと買っていたんですか?ぽんぽん その経営者の方の家に小さいときからよく遊びに行ってて、お金持ちにすごく憧れがあったんです。で、当たればいいなという軽い気持ちで、社会人になってからtotoとBIGを定期的に買っていました。――具体的にはどんな買い方をしていたんですか。ぽんぽん 数年やっても大して当たらなかったんですけど、楽天totoの「おまかせBIG」という自動的にくじを購入してくれるサービスに切り替えました。毎回10口、3000円分です。――そのコツコツ買っていた10口で、6億円が当たったというわけですね。ぽんぽん 自動引き落としなので買ってる意識も薄く、当たった瞬間もスポーツくじのことが思い浮かばなかったくらいで。はじめに5000万円で買ったもの――銀行から入金連絡が入った後のお話を聞いていいですか。ぽんぽん 銀行の営業の方が挨拶に来て早速、金融商品の営業を受けました。そのとき、年利1%のゴールドマン・サックスの社債を5000万円分買って。――スポーツくじが当たった直後、最初の買い物が5000万円の金融商品だったということですか。ぽんぽん そうですね。もともと学生時代にデイトレードをやっていたので基礎知識はあったんです。たいして儲からなかったからそれ以降ほとんどやっていなかったんですけど、当時はアベノミクスが始まったばかりで時代もイケイケドンドンだったというか。――銀行の人ものせてくるような。ぽんぽん すごかったですね。地方から東京に戻ったあともすぐ銀行に呼ばれて、支店長やら証券会社のプライベートバンクの室長やら8人ぐらいがバーッと並んで金融商品の営業がはじまりました。で、3億円分をさらに金融商品につぎ込んで、2億円分は保険商品を購入しました。3か月で当選金の大半を使い切り…――ゴールドマン・サックスの社債5000万円と合わせて5億5000万円を使ったことになるかと思いますが、この「買い物」はどれくらいの期間で?ぽんぽん 3か月で5億5000万円使いました。お金持ちの知人から唯一受けたアドバイスが、「銀行の人は気をつけたほうがいいよ」だったんですけど、見事に使いましたね。ただ、そのときは日経平均株価がどんどん上がっていくようなときだったので買いどきだった、ということですね。――金融投資以外に羽振りがよくなったものってありますか。ぽんぽん 高級車です。今もレクサス4台、ベンツ1台を保有していて、家族に貸したりしてます。自分だけいい思いをするのはちょっと、ね。気持ち悪いっていうか。――それは、宝くじやスポーツくじという棚ぼたで得た大金ゆえに生まれる感情ですかね。ぽんぽん まあ、そうですね。自分の事業やスキルで大金を得た人にはとんでもない努力がありますよね。一方、自分がお金を持てたのはあくまで運が良かっただけで、能力や実力じゃない。だから、まったく畑違いの飲み屋を開いてみようとか、そういうチャレンジ心はまったくないですね。当選から10年…「高級腕時計」に投資も――ぽんぽんさんは、投資することで利益を得ていくスタイルですよね。ぽんぽん そうですね。最近だと円安ということもあって金融商品ではなく、車に投資したり、時計に投資したりしてますね。――でも今、時計はしてないですよね。ぽんぽん さすがに800万の時計をして歩くのはちょっと……。普段はアップルウォッチを着けてます。――800万円! 本当の高級宝飾時計ですね。ちなみにブランドはどこのものですか。ぽんぽん 世界三大時計ブランド(※)のひとつです。コネクションがないと買えないモデルがあって、銀行からの特別なルートで買わせてもらえているようです。個人の予想ですが、転売したら確実に価格が跳ね上がる。だからこれも投資です。※「パテック フィリップ」「オーデマ ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」が世界三大時計ブランドとされる。――強者がどんどん強くなっていく仕組みがここにあったんですね。ぽんぽん 紳士協定みたいな感じで、すぐに転売はしないんですけどね。全部で4本持っていて、1本目は2200万、2本目は500万。何なら明日も買いに行くんですけど、それは定価320万円で市場価格800万円なので、買った瞬間に利益が確定するんです。――家に飾ったりしないですか。ぽんぽん 飾らないですね。資産であって飾るものじゃないし、外にも基本的には持ちださないです。ただ、手動巻きなのでときどき、2週間に1回くらいそっと回してまた元の場所にしまうだけですね。投資目的でタワマンも購入――時計以外に投資として買ったものはありますか。ぽんぽん 都内近郊のタワーマンションの一室を7000万円で買いました。投資目的だったのでもう売ってしまいましたけど。――買うときは現金ですか。ぽんぽん いえ、金利も安いし住宅ローン控除使わなきゃもったいないと思ってローンを組みました。買ったときより高く売れまして、その売却代金の一部を頭金にしてまた住宅ローンを組み、別のタワマンを9000万円で購入しました。――節税対策もしっかりされているんですね。ぽんぽん 今住んでいるタワマンを売ったら1億2000万円くらいにはなるみたいなんで、これも狙い通りかなと。投資なんで、購入時は再開発エリアなんかを押さえるようにしています。6億円当選は秘密…会社の同僚への「言い訳」――ぽんぽんさんが6億円当たったことは基本、周りの人は知らないわけですよね。となると、高級マンションゆえに友だちを呼べなくないですか。ぽんぽん 間違いないです(笑)。特に今の勤め先は年収の高い会社でもないので同僚の人とかちょっと、ね。――ぽんぽんさんの生活ぶりを見て「なんかやってるの?」みたいに聞かれたりしません?ぽんぽん 「投資でちょっと」と、ぼんやり答えるようにしています。「儲け方教えてよ」って突っ込んでくる人もいますけど、「300万ぐらいないと始められない」「何かあっても責任を負えないから自分で調べてほしい」と言って逃げてます。――ところで、10年前に投資された5億5000万円は今、どういう状態になっているんですか。ぽんぽん イギリスのEU離脱や2015年のチャイナ・ショックを経て、大きく儲けたり損したりしましてね……。写真撮影=原田達夫/文藝春秋6億円当選時は「年収400万円くらい」のサラリーマン…スポーツくじBIGで億万長者になった男が明かす“その後の10年” へ続く(小泉 なつみ)
――トイレに入ったときと出るときで、人生がガラリと変わっているわけですよね。飛び上がりたくなるような感じですか? 6億円が当たったときの気持ちが想像できません。
ぽんぽん そこまでワーッとテンションが上がるようなことはなかったですね。今思えば平然としてたというか。なんででしょうね(笑)。
――意外と冷静なものなんですね。当選を一番はじめに打ち明けた相手は?
ぽんぽん 小さいときからお世話になっている、お金持ちの経営者の方に話しました。
――家族じゃないんですね。
ぽんぽん お金持ちに相談したほうが大金の運用の仕方とか気をつけることとか、いろいろ知っているかなと思ったんです。あとはまあ、お金に困ってないんで、僕が大金を持っていることを知られても心配ないかなって(笑)。
――その経営者の方の反応は。
ぽんぽん ちょっと信じられないというような感じで、ビックリされていましたね。お金持ちにとっても6億というのはインパクトのある数字だったみたいです。
その後、両親に打ち明けたんですけど、僕が6億円当たったことより自分たちより先に他人に話されたことにショックを受けてましたね(笑)。「なんで私たちより先?」みたいな。
スポーツくじを買い始めたきっかけ――もともとスポーツくじはずっと買っていたんですか?ぽんぽん その経営者の方の家に小さいときからよく遊びに行ってて、お金持ちにすごく憧れがあったんです。で、当たればいいなという軽い気持ちで、社会人になってからtotoとBIGを定期的に買っていました。――具体的にはどんな買い方をしていたんですか。ぽんぽん 数年やっても大して当たらなかったんですけど、楽天totoの「おまかせBIG」という自動的にくじを購入してくれるサービスに切り替えました。毎回10口、3000円分です。――そのコツコツ買っていた10口で、6億円が当たったというわけですね。ぽんぽん 自動引き落としなので買ってる意識も薄く、当たった瞬間もスポーツくじのことが思い浮かばなかったくらいで。はじめに5000万円で買ったもの――銀行から入金連絡が入った後のお話を聞いていいですか。ぽんぽん 銀行の営業の方が挨拶に来て早速、金融商品の営業を受けました。そのとき、年利1%のゴールドマン・サックスの社債を5000万円分買って。――スポーツくじが当たった直後、最初の買い物が5000万円の金融商品だったということですか。ぽんぽん そうですね。もともと学生時代にデイトレードをやっていたので基礎知識はあったんです。たいして儲からなかったからそれ以降ほとんどやっていなかったんですけど、当時はアベノミクスが始まったばかりで時代もイケイケドンドンだったというか。――銀行の人ものせてくるような。ぽんぽん すごかったですね。地方から東京に戻ったあともすぐ銀行に呼ばれて、支店長やら証券会社のプライベートバンクの室長やら8人ぐらいがバーッと並んで金融商品の営業がはじまりました。で、3億円分をさらに金融商品につぎ込んで、2億円分は保険商品を購入しました。3か月で当選金の大半を使い切り…――ゴールドマン・サックスの社債5000万円と合わせて5億5000万円を使ったことになるかと思いますが、この「買い物」はどれくらいの期間で?ぽんぽん 3か月で5億5000万円使いました。お金持ちの知人から唯一受けたアドバイスが、「銀行の人は気をつけたほうがいいよ」だったんですけど、見事に使いましたね。ただ、そのときは日経平均株価がどんどん上がっていくようなときだったので買いどきだった、ということですね。――金融投資以外に羽振りがよくなったものってありますか。ぽんぽん 高級車です。今もレクサス4台、ベンツ1台を保有していて、家族に貸したりしてます。自分だけいい思いをするのはちょっと、ね。気持ち悪いっていうか。――それは、宝くじやスポーツくじという棚ぼたで得た大金ゆえに生まれる感情ですかね。ぽんぽん まあ、そうですね。自分の事業やスキルで大金を得た人にはとんでもない努力がありますよね。一方、自分がお金を持てたのはあくまで運が良かっただけで、能力や実力じゃない。だから、まったく畑違いの飲み屋を開いてみようとか、そういうチャレンジ心はまったくないですね。当選から10年…「高級腕時計」に投資も――ぽんぽんさんは、投資することで利益を得ていくスタイルですよね。ぽんぽん そうですね。最近だと円安ということもあって金融商品ではなく、車に投資したり、時計に投資したりしてますね。――でも今、時計はしてないですよね。ぽんぽん さすがに800万の時計をして歩くのはちょっと……。普段はアップルウォッチを着けてます。――800万円! 本当の高級宝飾時計ですね。ちなみにブランドはどこのものですか。ぽんぽん 世界三大時計ブランド(※)のひとつです。コネクションがないと買えないモデルがあって、銀行からの特別なルートで買わせてもらえているようです。個人の予想ですが、転売したら確実に価格が跳ね上がる。だからこれも投資です。※「パテック フィリップ」「オーデマ ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」が世界三大時計ブランドとされる。――強者がどんどん強くなっていく仕組みがここにあったんですね。ぽんぽん 紳士協定みたいな感じで、すぐに転売はしないんですけどね。全部で4本持っていて、1本目は2200万、2本目は500万。何なら明日も買いに行くんですけど、それは定価320万円で市場価格800万円なので、買った瞬間に利益が確定するんです。――家に飾ったりしないですか。ぽんぽん 飾らないですね。資産であって飾るものじゃないし、外にも基本的には持ちださないです。ただ、手動巻きなのでときどき、2週間に1回くらいそっと回してまた元の場所にしまうだけですね。投資目的でタワマンも購入――時計以外に投資として買ったものはありますか。ぽんぽん 都内近郊のタワーマンションの一室を7000万円で買いました。投資目的だったのでもう売ってしまいましたけど。――買うときは現金ですか。ぽんぽん いえ、金利も安いし住宅ローン控除使わなきゃもったいないと思ってローンを組みました。買ったときより高く売れまして、その売却代金の一部を頭金にしてまた住宅ローンを組み、別のタワマンを9000万円で購入しました。――節税対策もしっかりされているんですね。ぽんぽん 今住んでいるタワマンを売ったら1億2000万円くらいにはなるみたいなんで、これも狙い通りかなと。投資なんで、購入時は再開発エリアなんかを押さえるようにしています。6億円当選は秘密…会社の同僚への「言い訳」――ぽんぽんさんが6億円当たったことは基本、周りの人は知らないわけですよね。となると、高級マンションゆえに友だちを呼べなくないですか。ぽんぽん 間違いないです(笑)。特に今の勤め先は年収の高い会社でもないので同僚の人とかちょっと、ね。――ぽんぽんさんの生活ぶりを見て「なんかやってるの?」みたいに聞かれたりしません?ぽんぽん 「投資でちょっと」と、ぼんやり答えるようにしています。「儲け方教えてよ」って突っ込んでくる人もいますけど、「300万ぐらいないと始められない」「何かあっても責任を負えないから自分で調べてほしい」と言って逃げてます。――ところで、10年前に投資された5億5000万円は今、どういう状態になっているんですか。ぽんぽん イギリスのEU離脱や2015年のチャイナ・ショックを経て、大きく儲けたり損したりしましてね……。写真撮影=原田達夫/文藝春秋6億円当選時は「年収400万円くらい」のサラリーマン…スポーツくじBIGで億万長者になった男が明かす“その後の10年” へ続く(小泉 なつみ)
――もともとスポーツくじはずっと買っていたんですか?
ぽんぽん その経営者の方の家に小さいときからよく遊びに行ってて、お金持ちにすごく憧れがあったんです。で、当たればいいなという軽い気持ちで、社会人になってからtotoとBIGを定期的に買っていました。
――具体的にはどんな買い方をしていたんですか。
ぽんぽん 数年やっても大して当たらなかったんですけど、楽天totoの「おまかせBIG」という自動的にくじを購入してくれるサービスに切り替えました。毎回10口、3000円分です。
――そのコツコツ買っていた10口で、6億円が当たったというわけですね。
ぽんぽん 自動引き落としなので買ってる意識も薄く、当たった瞬間もスポーツくじのことが思い浮かばなかったくらいで。
――銀行から入金連絡が入った後のお話を聞いていいですか。
ぽんぽん 銀行の営業の方が挨拶に来て早速、金融商品の営業を受けました。そのとき、年利1%のゴールドマン・サックスの社債を5000万円分買って。
――スポーツくじが当たった直後、最初の買い物が5000万円の金融商品だったということですか。
ぽんぽん そうですね。もともと学生時代にデイトレードをやっていたので基礎知識はあったんです。たいして儲からなかったからそれ以降ほとんどやっていなかったんですけど、当時はアベノミクスが始まったばかりで時代もイケイケドンドンだったというか。
――銀行の人ものせてくるような。
ぽんぽん すごかったですね。地方から東京に戻ったあともすぐ銀行に呼ばれて、支店長やら証券会社のプライベートバンクの室長やら8人ぐらいがバーッと並んで金融商品の営業がはじまりました。で、3億円分をさらに金融商品につぎ込んで、2億円分は保険商品を購入しました。
――ゴールドマン・サックスの社債5000万円と合わせて5億5000万円を使ったことになるかと思いますが、この「買い物」はどれくらいの期間で?ぽんぽん 3か月で5億5000万円使いました。お金持ちの知人から唯一受けたアドバイスが、「銀行の人は気をつけたほうがいいよ」だったんですけど、見事に使いましたね。ただ、そのときは日経平均株価がどんどん上がっていくようなときだったので買いどきだった、ということですね。――金融投資以外に羽振りがよくなったものってありますか。ぽんぽん 高級車です。今もレクサス4台、ベンツ1台を保有していて、家族に貸したりしてます。自分だけいい思いをするのはちょっと、ね。気持ち悪いっていうか。――それは、宝くじやスポーツくじという棚ぼたで得た大金ゆえに生まれる感情ですかね。ぽんぽん まあ、そうですね。自分の事業やスキルで大金を得た人にはとんでもない努力がありますよね。一方、自分がお金を持てたのはあくまで運が良かっただけで、能力や実力じゃない。だから、まったく畑違いの飲み屋を開いてみようとか、そういうチャレンジ心はまったくないですね。当選から10年…「高級腕時計」に投資も――ぽんぽんさんは、投資することで利益を得ていくスタイルですよね。ぽんぽん そうですね。最近だと円安ということもあって金融商品ではなく、車に投資したり、時計に投資したりしてますね。――でも今、時計はしてないですよね。ぽんぽん さすがに800万の時計をして歩くのはちょっと……。普段はアップルウォッチを着けてます。――800万円! 本当の高級宝飾時計ですね。ちなみにブランドはどこのものですか。ぽんぽん 世界三大時計ブランド(※)のひとつです。コネクションがないと買えないモデルがあって、銀行からの特別なルートで買わせてもらえているようです。個人の予想ですが、転売したら確実に価格が跳ね上がる。だからこれも投資です。※「パテック フィリップ」「オーデマ ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」が世界三大時計ブランドとされる。――強者がどんどん強くなっていく仕組みがここにあったんですね。ぽんぽん 紳士協定みたいな感じで、すぐに転売はしないんですけどね。全部で4本持っていて、1本目は2200万、2本目は500万。何なら明日も買いに行くんですけど、それは定価320万円で市場価格800万円なので、買った瞬間に利益が確定するんです。――家に飾ったりしないですか。ぽんぽん 飾らないですね。資産であって飾るものじゃないし、外にも基本的には持ちださないです。ただ、手動巻きなのでときどき、2週間に1回くらいそっと回してまた元の場所にしまうだけですね。投資目的でタワマンも購入――時計以外に投資として買ったものはありますか。ぽんぽん 都内近郊のタワーマンションの一室を7000万円で買いました。投資目的だったのでもう売ってしまいましたけど。――買うときは現金ですか。ぽんぽん いえ、金利も安いし住宅ローン控除使わなきゃもったいないと思ってローンを組みました。買ったときより高く売れまして、その売却代金の一部を頭金にしてまた住宅ローンを組み、別のタワマンを9000万円で購入しました。――節税対策もしっかりされているんですね。ぽんぽん 今住んでいるタワマンを売ったら1億2000万円くらいにはなるみたいなんで、これも狙い通りかなと。投資なんで、購入時は再開発エリアなんかを押さえるようにしています。6億円当選は秘密…会社の同僚への「言い訳」――ぽんぽんさんが6億円当たったことは基本、周りの人は知らないわけですよね。となると、高級マンションゆえに友だちを呼べなくないですか。ぽんぽん 間違いないです(笑)。特に今の勤め先は年収の高い会社でもないので同僚の人とかちょっと、ね。――ぽんぽんさんの生活ぶりを見て「なんかやってるの?」みたいに聞かれたりしません?ぽんぽん 「投資でちょっと」と、ぼんやり答えるようにしています。「儲け方教えてよ」って突っ込んでくる人もいますけど、「300万ぐらいないと始められない」「何かあっても責任を負えないから自分で調べてほしい」と言って逃げてます。――ところで、10年前に投資された5億5000万円は今、どういう状態になっているんですか。ぽんぽん イギリスのEU離脱や2015年のチャイナ・ショックを経て、大きく儲けたり損したりしましてね……。写真撮影=原田達夫/文藝春秋6億円当選時は「年収400万円くらい」のサラリーマン…スポーツくじBIGで億万長者になった男が明かす“その後の10年” へ続く(小泉 なつみ)
――ゴールドマン・サックスの社債5000万円と合わせて5億5000万円を使ったことになるかと思いますが、この「買い物」はどれくらいの期間で?
ぽんぽん 3か月で5億5000万円使いました。お金持ちの知人から唯一受けたアドバイスが、「銀行の人は気をつけたほうがいいよ」だったんですけど、見事に使いましたね。ただ、そのときは日経平均株価がどんどん上がっていくようなときだったので買いどきだった、ということですね。
――金融投資以外に羽振りがよくなったものってありますか。
ぽんぽん 高級車です。今もレクサス4台、ベンツ1台を保有していて、家族に貸したりしてます。自分だけいい思いをするのはちょっと、ね。気持ち悪いっていうか。
――それは、宝くじやスポーツくじという棚ぼたで得た大金ゆえに生まれる感情ですかね。
ぽんぽん まあ、そうですね。自分の事業やスキルで大金を得た人にはとんでもない努力がありますよね。一方、自分がお金を持てたのはあくまで運が良かっただけで、能力や実力じゃない。だから、まったく畑違いの飲み屋を開いてみようとか、そういうチャレンジ心はまったくないですね。
――ぽんぽんさんは、投資することで利益を得ていくスタイルですよね。
ぽんぽん そうですね。最近だと円安ということもあって金融商品ではなく、車に投資したり、時計に投資したりしてますね。
――でも今、時計はしてないですよね。
ぽんぽん さすがに800万の時計をして歩くのはちょっと……。普段はアップルウォッチを着けてます。
――800万円! 本当の高級宝飾時計ですね。ちなみにブランドはどこのものですか。
ぽんぽん 世界三大時計ブランド(※)のひとつです。コネクションがないと買えないモデルがあって、銀行からの特別なルートで買わせてもらえているようです。個人の予想ですが、転売したら確実に価格が跳ね上がる。だからこれも投資です。
※「パテック フィリップ」「オーデマ ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」が世界三大時計ブランドとされる。
――強者がどんどん強くなっていく仕組みがここにあったんですね。
ぽんぽん 紳士協定みたいな感じで、すぐに転売はしないんですけどね。全部で4本持っていて、1本目は2200万、2本目は500万。何なら明日も買いに行くんですけど、それは定価320万円で市場価格800万円なので、買った瞬間に利益が確定するんです。
――家に飾ったりしないですか。ぽんぽん 飾らないですね。資産であって飾るものじゃないし、外にも基本的には持ちださないです。ただ、手動巻きなのでときどき、2週間に1回くらいそっと回してまた元の場所にしまうだけですね。投資目的でタワマンも購入――時計以外に投資として買ったものはありますか。ぽんぽん 都内近郊のタワーマンションの一室を7000万円で買いました。投資目的だったのでもう売ってしまいましたけど。――買うときは現金ですか。ぽんぽん いえ、金利も安いし住宅ローン控除使わなきゃもったいないと思ってローンを組みました。買ったときより高く売れまして、その売却代金の一部を頭金にしてまた住宅ローンを組み、別のタワマンを9000万円で購入しました。――節税対策もしっかりされているんですね。ぽんぽん 今住んでいるタワマンを売ったら1億2000万円くらいにはなるみたいなんで、これも狙い通りかなと。投資なんで、購入時は再開発エリアなんかを押さえるようにしています。6億円当選は秘密…会社の同僚への「言い訳」――ぽんぽんさんが6億円当たったことは基本、周りの人は知らないわけですよね。となると、高級マンションゆえに友だちを呼べなくないですか。ぽんぽん 間違いないです(笑)。特に今の勤め先は年収の高い会社でもないので同僚の人とかちょっと、ね。――ぽんぽんさんの生活ぶりを見て「なんかやってるの?」みたいに聞かれたりしません?ぽんぽん 「投資でちょっと」と、ぼんやり答えるようにしています。「儲け方教えてよ」って突っ込んでくる人もいますけど、「300万ぐらいないと始められない」「何かあっても責任を負えないから自分で調べてほしい」と言って逃げてます。――ところで、10年前に投資された5億5000万円は今、どういう状態になっているんですか。ぽんぽん イギリスのEU離脱や2015年のチャイナ・ショックを経て、大きく儲けたり損したりしましてね……。写真撮影=原田達夫/文藝春秋6億円当選時は「年収400万円くらい」のサラリーマン…スポーツくじBIGで億万長者になった男が明かす“その後の10年” へ続く(小泉 なつみ)
――家に飾ったりしないですか。
ぽんぽん 飾らないですね。資産であって飾るものじゃないし、外にも基本的には持ちださないです。ただ、手動巻きなのでときどき、2週間に1回くらいそっと回してまた元の場所にしまうだけですね。
――時計以外に投資として買ったものはありますか。
ぽんぽん 都内近郊のタワーマンションの一室を7000万円で買いました。投資目的だったのでもう売ってしまいましたけど。
――買うときは現金ですか。
ぽんぽん いえ、金利も安いし住宅ローン控除使わなきゃもったいないと思ってローンを組みました。買ったときより高く売れまして、その売却代金の一部を頭金にしてまた住宅ローンを組み、別のタワマンを9000万円で購入しました。
――節税対策もしっかりされているんですね。
ぽんぽん 今住んでいるタワマンを売ったら1億2000万円くらいにはなるみたいなんで、これも狙い通りかなと。投資なんで、購入時は再開発エリアなんかを押さえるようにしています。
6億円当選は秘密…会社の同僚への「言い訳」――ぽんぽんさんが6億円当たったことは基本、周りの人は知らないわけですよね。となると、高級マンションゆえに友だちを呼べなくないですか。ぽんぽん 間違いないです(笑)。特に今の勤め先は年収の高い会社でもないので同僚の人とかちょっと、ね。――ぽんぽんさんの生活ぶりを見て「なんかやってるの?」みたいに聞かれたりしません?ぽんぽん 「投資でちょっと」と、ぼんやり答えるようにしています。「儲け方教えてよ」って突っ込んでくる人もいますけど、「300万ぐらいないと始められない」「何かあっても責任を負えないから自分で調べてほしい」と言って逃げてます。――ところで、10年前に投資された5億5000万円は今、どういう状態になっているんですか。ぽんぽん イギリスのEU離脱や2015年のチャイナ・ショックを経て、大きく儲けたり損したりしましてね……。写真撮影=原田達夫/文藝春秋6億円当選時は「年収400万円くらい」のサラリーマン…スポーツくじBIGで億万長者になった男が明かす“その後の10年” へ続く(小泉 なつみ)
――ぽんぽんさんが6億円当たったことは基本、周りの人は知らないわけですよね。となると、高級マンションゆえに友だちを呼べなくないですか。
ぽんぽん 間違いないです(笑)。特に今の勤め先は年収の高い会社でもないので同僚の人とかちょっと、ね。
――ぽんぽんさんの生活ぶりを見て「なんかやってるの?」みたいに聞かれたりしません?
ぽんぽん 「投資でちょっと」と、ぼんやり答えるようにしています。「儲け方教えてよ」って突っ込んでくる人もいますけど、「300万ぐらいないと始められない」「何かあっても責任を負えないから自分で調べてほしい」と言って逃げてます。
――ところで、10年前に投資された5億5000万円は今、どういう状態になっているんですか。
ぽんぽん イギリスのEU離脱や2015年のチャイナ・ショックを経て、大きく儲けたり損したりしましてね……。
写真撮影=原田達夫/文藝春秋6億円当選時は「年収400万円くらい」のサラリーマン…スポーツくじBIGで億万長者になった男が明かす“その後の10年” へ続く(小泉 なつみ)
6億円当選時は「年収400万円くらい」のサラリーマン…スポーツくじBIGで億万長者になった男が明かす“その後の10年” へ続く
(小泉 なつみ)