1軒の家から寄せられた苦情で来年3月に廃止されることが決まった長野市内の公園。廃止に至った経緯を巡り、今月12日の記者会見で荻原健司市長に質問が相次ぎました。
こじれにこじれたこの問題…。午後3時すぎ、市長が改めて見解を述べました。
長野市・荻原健司市長:「非常に全国的にも関心を呼んでいると、受け止めている」
関心を呼んだ理由の一つは、わずか1世帯の意見が行政の判断に強く影響したかのように見える点ではないでしょうか。
長野市・荻原健司市長:「直接の申し出という意味では1世帯と聞いているが、ただ意見というのは存廃を含めて、様々あったと思います。私としては多くの意見があっての地元からの要望と受け止めている」
もう一つのポイントは、苦情の対象が「子どもの声」だった点…。
長野市・荻原健司市長:「それを騒音と感じるのかどうかは、個人の受け止め方で大きな違いがある。一人ひとりの受け止め方に耳を傾けるのは多かれ少なかれ行政の責任だと思う」
それぞれの立場。それぞれの苦悩…。
声を上げた人物は、自分たちが騒音と感じたのは単なる子どもの声ではなく、あくまでも児童センターの子供たちが、40人から50人の集団で遊ぶケースだと強調します。
その人物は、4人から5人の少人数に分けて交代で遊ばせることはできないかと児童センターに提案したと言います。しかし…。
青木島児童センター館長:「その方も静かに遊ぶのであれば全然、構わないと言ってくれているが、100人近い子どもを5人くらいで遊ばせるなんて、それはちょっと無理だねという話になって」
結局、公園を利用しないことにした児童センターは、公園の管理から手を引き、公園は管理者不在に。
市は…。
市の担当者:「この状態を放置しておいても、どう考えても使える状態に戻らないと。『廃止する』が今の判断では一番良い解決策」
荻原市長は今後、地元の人と直接会って話を聞くことも検討していると言います。
長野市・荻原健司市長:「今回の廃止の要望の背景にあったものを改めて聞かせて頂けないかなという思いを持っている」
一方で、廃止の方針は撤回しませんでした。