JR仙台駅近くの住宅街で、ネコの不審死が相次いでいることがわかった。
現場は、宮城・仙台市青葉区の花壇地区。
11月30日、アパートの駐車場で6歳くらいのネコ「シャー」が血を吐いて倒れているのを、飼い主の犬飼さんが見つけた。
シャーの飼い主・犬飼玲子さん「駐車場のこの場所にいた。いつも朝ご飯を食べに来るのに、ずっと来ないので、『シャーさん』って探して。はじめは車にひかれたのかと思った」
すぐに動物病院に連れていったところ、エチレングリコール中毒の疑いが強いと診断されたという。
シャーを診察したアイリス動物病院・伊藤寿朗院長「酩酊(めいてい)状態というか、意識がほとんどない状況で、やはり(エチレングリコール)中毒の可能性が非常に高いと考えられた」
エチレングリコールは、不凍液として車の冷却水などに使われている。
伊藤院長によると、体重5kgほどのネコの場合、ティースプーン2杯ほどで致死量に達するという。
伊藤院長「(エチレングリコールは)かすかな甘みがあるようで、近くにあるとなめてしまう可能性は非常に高い」
シャーは、翌日に死んだ。
5年前の大雪の日、玄関先で雪をしのいでいるところを犬飼さんが見つけ、保護したネコだったという。
そのシャーが死んだわずか5日後、犬飼さんの自宅敷地内で、15歳くらいのネコ「ウシ」が死んでいるのが見つかった。
犬飼さん「水を替えようと用意したら、ウシくんが倒れていて、すごく険しい顔をしていて」
さらに翌日には、小屋の中で、まだ2歳の「クロ」が死んでいたという。
ウシとクロは、地域の人たちが世話をする「地域猫」だった。
犬飼さんは、自宅で8匹のネコを飼うだけでなく、多くの地域猫の世話もしていたという。
犬飼さん「ひきょうだなと思います。しゃべれなくて力のない生き物に対して、もし死ぬとわかっているものを食べさせたとしたら」
相次ぐ不審死を受け、警察は付近のパトロールを強化している。