2,000万円を超える最高級車「センチュリー」を公用車として使用している山口県。財源不足の現状の中、なぜセンチュリーにこだわるのか。そしてどう考えているのか。利用する県議会議長を直撃した。センチュリーを公用車として使用する山口県自動車トップメーカーのトヨタが誇る「センチュリー」は、国の内外のVIPや企業の役員などの利用を想定している。乗り込んでみると―。本山順子ディレクター:さすが最高級車ということで輝きが違いますね。レザーシートもふかふかです。高級ソファに腰を下ろしている感じです。足も伸ばせて、これはリラックスできます

まさに乗り心地も最高級。さらに車内にはマッサージ機能のほか、20個のスピーカーもあり「走るコンサートホール」とも称されている。本山順子ディレクター:このゆったりとした空間で音楽を楽しみながら移動できるという、VIPに至れり尽くせりの車ですねこの最高級車を公用車として使用しているのが、山口県だ。2022年11月、裁判所が2,000万円を超えるセンチュリーの購入は違法な公金の支出だとして、県が購入費全額を村岡知事に請求するよう命じたが、山口県は判決を不服とし、控訴している。一方、福岡・太宰府市では―。楠田大蔵市長は2020年、専用の公用車だった黒塗りのセダンを売却し、現在は一般の乗用車を公用車として使用している。太宰府市・楠田大蔵市長:コロナ禍の中で足元から経費を見直そうということで、車自体も売却して運転契約も削減することで、毎年600万円くらいの節減効果があった公用車を運転しているのは専用の運転手ではなく、秘書の職員だ。市長自身、黒塗りのセダンに乗ることには抵抗があったと話す。太宰府市・楠田大蔵市長:太宰府市はかなり道が狭いので、そういう中で黒塗りの幅がある車で移動していること自体も、市民から見るとそぐわないし、乗りつけたときに市民の方との壁もできてしまう利用しているのは山口県議会の柳居議長自治体で使用される公用車は、どうあるべきなのか。公用車のあり方が問われている山口県。11月30日に行われた議会初日、問題のセンチュリーが姿を現した。2,000万円を超える最高級車から降りてきた人物は、山口県議会の柳居俊学議長(72)だ。柳居俊学議長:これより令和4年11月、山口県議会定例会を開会し、直ちに本日の会期を開きます柳居議長は、自民党に所属する当選8回のベテランで、これまで議長を10年近く務める山口県議会の重鎮だ。そんな柳居議長の公用車であるセンチュリー。購入費用2,090万円で、2020年8月から公用車として利用されている。これはセンチュリーの運転記録。柳居議長は、議会から約120km離れた周防大島に自宅があるため、1日の走行距離が400kmを超える日も珍しくない。2020年8月から2021年3月までの議長による利用日数は、100日を超える。皇族などのための「貴賓車」としての利用はこれまでのところ、わずか数日。センチュリーが議長のための車であると“やゆ”する声もある。「忖度ではないか」との声もそんなセンチュリーの購入に対して、住民訴訟で違法性が認められたが、購入費全額の賠償を求められた山口県の村岡嗣政知事は、不服として控訴。購入が違法と判断されたセンチュリーの売却の可能性などについて尋ねられるとー。山口県・村岡嗣政知事:現有の物については、これまで通りの運用を行っていきたい。今後の更新時期については、その時点で、今後は、私自身がよく精査することも含めて個別に判断したい村岡知事は売却の可能性を否定し、歯切れの悪い回答に終始した。議長への忖度(そんたく)なのだろうか。議長とセンチュリーをめぐっては、新たな事実も明らかになっている。東京都内の自民党本部に現れたセンチュリー。車に乗ろうとやってきたのは柳居議長だ。この車は、山口県の東京事務所が手配したハイヤーで、この件について12月7日の県議会では、野党議員から忖度ではないかと指摘の声が上がった。社民党・中嶋光雄県議:県議会議長が東京出張の際のセンチュリーを手配することは、過剰すぎる忖度ぶりではないか質問に対し、山口県の担当者は「車種について、地元で使用している車両の状況などをふまえて大型を手配している。特定の車種は指名していない」と忖度を否定した。一方で、山口県の東京事務所によると、村岡知事の東京でのハイヤーは、大型より安い中型だという。直撃に柳居議長は…2022年度の当初予算の財源が53億円不足していた山口県。財源不足の現状の中で、なぜセンチュリーにこだわるのか。そして、センチュリーを使う本人はどう考えているのか。取材班は、柳居議長を直撃した。記者:議長、TNCです。お話聞かせていただけませんか?柳居俊学議長:いやいや記者:センチュリーは、議長が求められていたんですか?柳居俊学議長:…(無言)記者:違う車に替える案などないでしょうか?柳居議長は、そのまま宿泊先のホテルへと姿を消した。財政が豊かとは言えない山口県に、2,000万円を超えるセンチュリーは本当に必要なのだろうか。市民の生活が苦しさを増す中、住民目線に立った行政運営が求められている。(テレビ西日本)
2,000万円を超える最高級車「センチュリー」を公用車として使用している山口県。財源不足の現状の中、なぜセンチュリーにこだわるのか。そしてどう考えているのか。利用する県議会議長を直撃した。
自動車トップメーカーのトヨタが誇る「センチュリー」は、国の内外のVIPや企業の役員などの利用を想定している。乗り込んでみると―。
本山順子ディレクター:さすが最高級車ということで輝きが違いますね。レザーシートもふかふかです。高級ソファに腰を下ろしている感じです。足も伸ばせて、これはリラックスできます
まさに乗り心地も最高級。さらに車内にはマッサージ機能のほか、20個のスピーカーもあり「走るコンサートホール」とも称されている。
本山順子ディレクター:このゆったりとした空間で音楽を楽しみながら移動できるという、VIPに至れり尽くせりの車ですね
この最高級車を公用車として使用しているのが、山口県だ。2022年11月、裁判所が2,000万円を超えるセンチュリーの購入は違法な公金の支出だとして、県が購入費全額を村岡知事に請求するよう命じたが、山口県は判決を不服とし、控訴している。
一方、福岡・太宰府市では―。
楠田大蔵市長は2020年、専用の公用車だった黒塗りのセダンを売却し、現在は一般の乗用車を公用車として使用している。
太宰府市・楠田大蔵市長:コロナ禍の中で足元から経費を見直そうということで、車自体も売却して運転契約も削減することで、毎年600万円くらいの節減効果があった
公用車を運転しているのは専用の運転手ではなく、秘書の職員だ。市長自身、黒塗りのセダンに乗ることには抵抗があったと話す。
太宰府市・楠田大蔵市長:太宰府市はかなり道が狭いので、そういう中で黒塗りの幅がある車で移動していること自体も、市民から見るとそぐわないし、乗りつけたときに市民の方との壁もできてしまう
自治体で使用される公用車は、どうあるべきなのか。
柳居俊学議長:これより令和4年11月、山口県議会定例会を開会し、直ちに本日の会期を開きます
柳居議長は、自民党に所属する当選8回のベテランで、これまで議長を10年近く務める山口県議会の重鎮だ。
そんな柳居議長の公用車であるセンチュリー。購入費用2,090万円で、2020年8月から公用車として利用されている。
これはセンチュリーの運転記録。柳居議長は、議会から約120km離れた周防大島に自宅があるため、1日の走行距離が400kmを超える日も珍しくない。
2020年8月から2021年3月までの議長による利用日数は、100日を超える。皇族などのための「貴賓車」としての利用はこれまでのところ、わずか数日。センチュリーが議長のための車であると“やゆ”する声もある。
そんなセンチュリーの購入に対して、住民訴訟で違法性が認められたが、購入費全額の賠償を求められた山口県の村岡嗣政知事は、不服として控訴。購入が違法と判断されたセンチュリーの売却の可能性などについて尋ねられるとー。
山口県・村岡嗣政知事:現有の物については、これまで通りの運用を行っていきたい。今後の更新時期については、その時点で、今後は、私自身がよく精査することも含めて個別に判断したい
村岡知事は売却の可能性を否定し、歯切れの悪い回答に終始した。議長への忖度(そんたく)なのだろうか。議長とセンチュリーをめぐっては、新たな事実も明らかになっている。
東京都内の自民党本部に現れたセンチュリー。車に乗ろうとやってきたのは柳居議長だ。
この車は、山口県の東京事務所が手配したハイヤーで、この件について12月7日の県議会では、野党議員から忖度ではないかと指摘の声が上がった。
社民党・中嶋光雄県議:県議会議長が東京出張の際のセンチュリーを手配することは、過剰すぎる忖度ぶりではないか
質問に対し、山口県の担当者は「車種について、地元で使用している車両の状況などをふまえて大型を手配している。特定の車種は指名していない」と忖度を否定した。
一方で、山口県の東京事務所によると、村岡知事の東京でのハイヤーは、大型より安い中型だという。
2022年度の当初予算の財源が53億円不足していた山口県。財源不足の現状の中で、なぜセンチュリーにこだわるのか。そして、センチュリーを使う本人はどう考えているのか。
取材班は、柳居議長を直撃した。
記者:議長、TNCです。お話聞かせていただけませんか?
柳居俊学議長:いやいや
記者:センチュリーは、議長が求められていたんですか?
柳居俊学議長:…(無言)
記者:違う車に替える案などないでしょうか?
柳居議長は、そのまま宿泊先のホテルへと姿を消した。
財政が豊かとは言えない山口県に、2,000万円を超えるセンチュリーは本当に必要なのだろうか。市民の生活が苦しさを増す中、住民目線に立った行政運営が求められている。
(テレビ西日本)