偽の国会議員バッジをつけて複数の中央省庁の官庁に侵入したなどとして建造物侵入などの罪に問われた無職、藤本叶人(かなと)被告(22)の初公判が14日、東京地裁(渡辺一昭裁判官)で開かれ、被告は「間違いありません」と、いずれも起訴内容を認めた。
この日は、東京・霞が関の外務省、厚生労働省などの省庁が入る中央合同庁舎と、警視庁丸の内庁舎の計3施設への無断立ち入りに加え、丸の内庁舎内で捜査員用の腕章を盗んだ窃盗事件について審理。被告はほかに警視庁愛宕署など16施設への建造物侵入容疑で追送検されている。
検察側が読み上げた供述調書などによると、被告は今年8月中旬にインターネットを通じ偽の国会議員バッジを入手。バッジを着けて外務省に侵入した際には「衆議院のスズキです」と名乗り、警備員から「お約束ですか」と声をかけられると「約束がないので帰ります」と答えていた。
犯行動機については「偉い人になったような気分で、ばれなかったので繰り返した」などと説明。腕章を盗んだ理由は「本物の警察官が着けているものを触って満足したかった」と供述したという。