2019年にスピード違反で有罪が確定し、資格を失ったはずの管理職が働き続けていたとして、静岡市消防局はこの職員を失職扱いにしたと発表しました。この職員は2022年8月、静岡市内で職員が死亡した火災で現場の指揮を執っていました。
今回、失職扱いとなったのは、静岡市消防局葵消防署の男性課長(53)です。静岡市消防局によりますと、男性課長は2019年2月に名古屋市内で制限速度を78キロオーバーで運転した道路交通法違反の罪に問われ、同年に執行猶予付きの有罪判決を受け、刑が確定していました。
この時点で地方公務員法の規定により、男性課長は失職するはずでしたが、静岡県外での事案で黙っていれば発覚しないと考え、上司などには報告しなかったということです。
男性課長は2022年11月、酒気帯び運転の疑いで逮捕・起訴されていて、警察で拘留中に面会した際に、この事実が発覚しました。静岡市消防局は、男性課長の失職の日付は2019年10月2日としていますが、その後に支払われた給料などは返上を求めないとしています。
関係者によりますと、本来、失職していた男性課長は、2022年8月に発生した静岡市葵区呉服町の火災で現場責任者として指揮にあたっていて、この際、隊員1人が殉職しています。静岡市消防局は今後、順法意識を高めるなどの再発防止策に努めるとしています。