“5歳の息子が女の子に性的なイタズラを…” 親はどんな準備をすればいいのか【幼児の性教育】

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保育園で息子が女の子に性的な「イタズラ」をしたことで相手の親に責められている――Xに投稿されたそんな内容のポストが大きな話題を呼んでいる。
【写真を見る】子どもの「性教育」で、親が“やってはいけないこと”とは
投稿者は、わが子に聞いたところYouTubeの影響ではないかと考えて「広告規制」を求めている。あまりの反響からか、元のポストはすでに削除された模様だが、同種の悩みや経験を抱える人が多かったようで、この投稿はあっという間に拡散されて、各所で議論を呼ぶこととなった。
話は幼児同士のトラブルにとどまらず、中には「子どもから性加害を受けた」といった大人の告発まで。
多くの場合、加害者側は「子どものやったことだから」と軽く考えがちだが、被害を受けた側からすれば笑いごとではないというのが本音だろう。たとえ5歳児の行為であっても不快に思うことは十分にあり得る。
もっとも、この種の問題は決して新しいものではない。今回注目されている子どもの行動は、かなりセクシー系の動画などの影響を感じさせるものではあるが、「お医者さんごっこ」に頭を抱える親は昔からいた。
2015年10月20日の読売新聞には「孫がお医者さんごっこをしている」という悩みが取り上げられている。いとこ同士でそういうことをしていたことを知ったおばあちゃんが「どう注意したものか」と悩んで投稿してきたのだ。
これに対して、回答者は「いきなり性教育を話題にはしづらいでしょう」としたうえで、そのようにならないような環境づくりをしてはどうか、とアドバイスしている。
しかしながらこの相談の時点と現在とで異なるのは、やはりネットの普及だろう。当時と比べると、自分でどんどんネット検索ができる子どもが増え、また低年齢化しているのは明らか。発端となったXの投稿者が言うようにYouTubeならまだしも、もっと過激なものにもアクセスすることも可能。
また、そうでなくてもそもそも子どもが驚くほどの下ネタ好きなのは、「クレヨンしんちゃん」や「おしりたんてい」などを持ち出すまでもなく常識である。
そんな子どもが、「どうしておしりを見ては(あるいは見せては)いけないの」「なんで顔は外に出していいのに、あそこを出してはいけないの」などと素朴な疑問をぶつけてきたらどうするか。
NHKEテレの人気番組「アイラブみー」をもとにした性教育の絵本『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』で主人公の子ども「みー」は「なんでパンツをはくんだろう」という素朴な疑問を抱く。さらには知り合いのおじさんに「パンツのなか」を見せてくれと言って怒られる。
お話の中で、「みー」はいろんな人と話をして、ある種の「答え」にたどり着く。さらに同書の解説者の一人、北山ひと美さん(和光小学校・和光幼稚園前校園長)は次のように解説している。
まず前提として、子どもたちには、パンツで守っているところはプライベートパーツと呼ばれていることを伝えること。プライベートパーツとは「他の人に見られたり触られたりしたくないところ」であり、一人一人がプライベートパーツをどのように感じるかをまず大切にしたい。その上で、パンツで守っている性器とおしり、胸、口をプライベートパーツということもある、と伝える。ここは柔らかく傷つきやすいところで、からだの内部ともつながっている、いのちに関わるところであることを伝えることが大切だ。
そのうえで、パンツで守っているところは「自分だけが見たり触ったりしていいところだよ」と伝えるのがいいという。もちろんプライベートパーツだけではなく、からだ全部が大切だということを日常生活の中で伝えるのも重要だ。
また、子どもは「おしり」「うんち」など、からだに関わることばを口にすることもあるが、子どものことばを聞いて慌てて反応するのではなく、「どうしてそれを言いたいの?」と理由を聞いてほしい、という。子どもはからだ、性に関わることばに対して大人が慌てることを面白がることもあるが、「面白いから」などというその子なりの理由を、まずは落ち着いて受け止めてあげること。その上で、「自分だけが見たり触ったりしていいところだから、他の人がいるところで話さないんだよ」と、社会のルールとして教えてあげることが大切である、と北山さんは勧めている。
幼い時からの性教育には違和感を抱く人もまだいることだろう。しかし、北山さんによれば、「大切なのは、ごまかしたりうそをついたりしないことです」とのこと。
赤ちゃんがどこから生まれるのか等々、子どもはあらゆる疑問をぶつけてくる。その説明の方法は、家庭ごとにいろいろあっていいのだろうが、ごまかしたりうそをついたりすると、結局は親に対する信頼関係にも関わってくるのだという。
間違っても、「自分で検索してみてね」などと言ってはいけないのは言うまでもない。
デイリー新潮編集部

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