「紅麹」摂取後に入院、女性2人が「尿細管障害」…小林製薬への相談1万2000件

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小林製薬(大阪市)は28日、「紅麹(べにこうじ)」成分入りのサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、新たに2人が亡くなっていたと発表した。
一連の問題による死亡者は計4人となった。また、同社のサプリを摂取後、体調不良を訴え、静岡県内の病院に入院した40~50歳代の女性2人が「尿細管障害」と診断されていたことがわかった。2人とも摂取を中止し、回復に向かっているという。
厚生労働省は28日、小林製薬に寄せられた相談が、27日時点で約1万2000件に上ることを明らかにした。これまで106人と公表していた入院者数について、重複があったとして93人に修正した。
同社によると、新たに死亡が判明した2人については27日に遺族から連絡があった。いずれも、死亡は腎疾患の悪化によるとみられる。これまでの2人と同様、同社製のサプリ「紅麹コレステヘルプ」を1人は2021年以降、もう1人は22年初旬に摂取していたという。
28日は同社の定時株主総会が大阪市内のホテルで開かれ、小林章浩社長が「多大なる迷惑をかけていることを深くおわび申し上げる」と陳謝した。同社の紅麹原料を使った商品は回収が相次いでいる。総会では、同社が回収費用を負担することや追加の金銭補償について、個別に協議する方針を示した。
■厚労省、原因分析へ
厚労省は28日、多数の健康被害が確認されたことを受け、専門家でつくる審議会の調査会を開いた。同社から「紅麹コレステヘルプ」や紅麹の提供を受け、厚労省が「国立医薬品食品衛生研究所」(川崎市)と連携して原因分析に乗り出すことが決まった。小林製薬は紅麹を52社に供給しており、そこから紅麹を入手したところを含む173の企業名などを公表した。
消費者庁は28日、同庁が届け出を受けている約6800の機能性表示食品全てに対する緊急点検を始めた。届け出をした約1700業者に質問状を送り、4月12日までに「健康被害発生の有無」「健康被害情報の収集体制」の2点について回答を求める。被害の発生が確認された場合は詳細な調査を実施する。
小林製薬には4月5日を期限にサプリの安全性を再検証して報告するよう求めており、内容を精査して健康被害の発生原因を聴取することも明らかにした。

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