“帰省ウツ”の28歳女性、「人生で最悪の正月だった」無法地帯の鍋とは?

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年末年始の帰省といえば、新幹線の大混雑や高速道路の大渋滞がSNSやニュースでも話題になる。せっかくの長期休暇にもかかわらず、逆に疲れてしまうことから“帰省したくない”なんて考える人も少なくないわけだが、塩沢えりさん(28歳・仮名)は別の理由で「憂鬱です」と苦笑する。◆他人の手料理が苦手で「私からしたら地獄」
彼女は、帰省自体はやぶさかではないものの、親族との集まりで出てくる“あるもの”が苦手で食べることができないからだという。 「私は、とにかく母親以外の手料理が食べられないんです(泣)。うちは毎年、実家でおばあちゃんとお母さんがおせちを作って、親族も煮物とかを持ち寄ってくるので。私からしたら地獄なんですよ……」 えりさんが他人の手料理が食べられないと気がついたのは、小学校3年の頃。クラスの同級生の誕生日会のときだった。 「プレゼントを持って楽しみにして行ったんですが、お祝いして、いざケーキを食べたら“うっ……”となってしまって。友人やそのお母さんには『急に具合が悪くなっちゃった』って。でも本当は、“お母さんじゃない人が作ったご飯なんだ”と思ったら、ものすごく気持ち悪くなっちゃったんです」
◆食べない言い訳を考えるのが大変 それ以降、他人の手料理が無理だと気がついたえりさん。友人の家にはおやつの時間以降に遊びに行くか、少食キャラを貫いていたそうだ。 「口に入れるだけで吐いてしまうんですよ。噛んでも飲み込む前に“お母さん以外の手で作ったもの”だと思うと、吐き気がしてきて(苦笑)。おにぎりはもちろん、野菜とか果物も無理ですね」 親族の料理であっても一切受け付けられず、毎年食べない言い訳を考えるのが大変なのだとか。 「おばあちゃんとかは悪気なく『たくさん食べなさい』とお皿に盛ってくれるんですが……それも直箸でやるんですよ。せめて取り箸を使って欲しいです。母親が作った料理でも誰かの直箸で触られたら意味がないじゃないですか」
◆「人生で最悪の正月だった」無法地帯の鍋 コロナ以前に親族が集まった正月には、豪華なカニ鍋もあったというが、えりさんにとっては「人生で最悪の正月だった」という。 「おせちは事前に聞いていた母が作ったものだけ少し食べて、もう部屋に戻ろうとしたら、カニを持ってきた親族が『いいカニだから絶対に食べなさい』とすすめてきました。鍋に入っている野菜はすべてズボラな叔母が切り、みんな素手で適当に鍋に入れていました。
カニに関しても素手で各々が好きに入れている感じで。取り箸があるのに何人かは無視して直箸でまぜるわ、つつくわ……。見ているだけで鳥肌が立ちました」 えりさんいわく“無法地帯の鍋”だったそうだが、少しだけ口に入れた。そして飲み込まず、トイレにダッシュしたんだとか。 「もう気持ち悪くて気持ち悪くて。みんなの前で吐かなかったのが不幸中の幸いでした」 ◆コロナ禍では帰省せずに済んでいたけど…
潔癖症なのか? とえりさんにたずねたが、むしろ部屋は汚く、自身をズボラな方だという。 「お風呂に入らないままベッドに入ることに抵抗はないし、生ゴミを少々溜め込んでも気にしない方です。でもなぜか、他人の作った料理は苦手。どれだけ仲がいい子の手作りもダメだったし、なんなら結婚を考えた彼の作ったご飯も吐いてしまいました。母の料理しか無理なんです」 外食もダメなのかと思ったが「外食はむしろ好き」だというから意味不明。 「外食は他人の手だけど、お金を払っているし、作り手がプロだから平気。ただあまりに外観が汚い飲食店や、衛生面に不安を覚えるような店のものは食べられませんけど。海外旅行もレストランやホテルの料理は食べられるけど、屋台では食べられません」 コロナ禍のおかげで、その間は帰省せずに済んでいたというが、「2024年はそういうワケにもいかず……」と眉間シワをよせるえりさん。今回の取材は2023年の年末だが、彼女が実際どうしたのか気がかりである。 <取材・文/吉沢さりぃ>

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