住宅街を爆走する“レンタルカート”に近隣住民は怒り心頭「子供を巻き込んだらどうすんだ」

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東京の街の公道を駆け抜けるレンタルカート。インバウンドの象徴的なツアーの1つとして、また、マリオのコスプレや名称を巡って裁判になったことで一躍有名になった。 だが、新型コロナウイルスの蔓延による渡航自粛などにより、訪日観光客は激減。夜の街を走り抜ける姿はめっきり減り、その存在はいつのまにか過去のものとなりつつあった。
しかし、そんな公道を走るカートが都内のあちこちで復活し、地域によってはトラブルになっているという。今回はそんなトラブルに頭を悩ませる人々の声を集めてみた。
◆公道を走るカートにタクシー運転手は呆れ顔
都内でタクシー運転手をするAさんは彼らに呆れ顔だ。
「新宿、渋谷、お台場では最近よく見かけます。あれは危ないですよ。カートって地面スレスレの車体なんで、いきなり出てくる感じなんです。そんなのがいきなり出てきて、5台以上連なって走って行くこともあるから、ヒヤッとしますね」
◆スマホで撮影しながら運転している人も…
別のタクシー運転手Bさんもその“無法ぶり”には怒りを覚えている1人だ。 「スマホを持って撮影しながら運転してるヤツ、タバコ吸いながら運転して投げ捨ててるヤツもいた。彼らは先頭を走るガイドに付いて走ってるんだけど、そのガイドが青信号ギリギリで交差点に入っちゃうと、後ろのヤツらは赤信号を集団で無視して走って行っちゃう。こっちがいくら注意して走ってても、あれじゃいつ事故が起きても不思議じゃない」
◆住宅街を爆走するカートに住民が怒りの告発
SNSなどを見ても、公道における無法運転に怒りを覚える人は少なくないようだが、渋谷区の住宅街、笹塚では街中を走るカートがもはや公害化しているという。現地で話を聞いた。
「こういうのは秋葉原とか、観光客の多いとこでやってるもんだと思ってました。それがコロナ前の2019年の冬に突然住宅街にカートレンタルの店ができたんです。数回走ってるのを見たくらいでコロナになって、めっきり見かけなくなったんですが……。コロナで店を畳んだのかと思ったら、今年の春くらいからいきなり復活したんです」
話を聞いた40代の会社員は、カートレンタルの店が住宅街で突然始まった経緯から詳しく話をしてくれた。
「マフラーももっと消音型があるのに、かなりうるさいものを付けているからすごくうるさいんですよ。5台、6台、ときには10台近く一斉に住宅街の道を走るからすごい排気ガスで臭くてたまらない。その道は女子校の裏手で、公園や学習塾、小学校の通り道と接しているんです。そんなところをスマホ片手に撮影しながら運転して、目が合うと手を振ってきて『イェ~~~イ!』とか奇声を上げる。こんなのが朝の9時過ぎから夜も9時くらいまで続くんですよ」 ◆事故が起きなきゃ警察は動けない!?
40代女性はいつか事故が起きないかと不安な日々を送っているという。
「あまりにも危なっかしいので、夫が警察に言ったんです。そしたら『苦情はかなりの数がきていることは承知している』と。道路にカートを出して駐禁している、うるさい、交通ルールを無視しているといった声があることも知っているが、通報を受けてから行くとカートをしまい込んでしまうので駐禁にならないし、信号無視などは現行犯じゃなきゃダメ。

◆子供を巻き込む危険性も…
警察もなかなか摘発できず、手をこまねいているという。記者もこのカートレンタル店付近を歩いたのだが、片側1車線ずつで両サイドは住宅かマンション。近くには公園や学習塾、そして小学校と中学校、高校まであり、こんなところをわざわざカートで走らなくとも……と思ってしまった。
途中、何度かカートに乗った訪日観光客が走り過ぎていったが、騒音に加えて排気ガスの匂いはかなりキツかった。それだけでなく、歩道にガードレールなどないため、後ろから走ってくるとかなり危なく感じた。
◆商店街にメリットなし 訪日観光客が増えれば、商店街も売上が伸びそうなものだが、そうはうまくもいかないようだ。笹塚商店街で店を営む店主は苦笑いしながら「カート帰りとかの外国人の客が増えたなんて話は聞いたことがない」と言う。この店主はこうも続ける。

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