北九州市の図書館、職員らのカードで貸出冊数2万冊水増し…管理業者「来年度以降の選定に危機感」

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北九州市教育委員会は26日、市立若松図書館の指定管理者となっている民間企業「日本施設協会」(北九州市戸畑区)が、昨年度の貸出冊数を水増ししていたことを明らかにした。
職員らの図書館カードなどで貸し出しと返却の手続きを繰り返し、不正に約2万冊増やしていた。指定期間は今年度末までで、市教委の調査に「来年度以降の選定に危機感を持っていた」と説明しているという。
市教委などによると、水増しは社長やその家族、職員らのカードなどを利用して昨年11月末~今年3月末に行われ、39人が計2万216冊を借りたことになっていた。昨年12月~今年3月の貸出冊数は前年度同期比で約20~30%増加し、昨年度の年間貸出数は約19万9000冊に水増しされていたという。
「貸出冊数を水増ししている」との通報を受けた市教委が調査して発覚。市教委は文書で指導し、再発防止策の報告を求めている。
同社は市立戸畑図書館でも指定を受けている。昨年度までは市立門司図書館の管理者でもあったが、今年度から別の業者が選ばれた。同社の社長は読売新聞の取材に対し「入館者数や貸出冊数の落ち込みが、門司図書館で選定を受けられなかった大きな原因と思い込み、不正を行った。考えが甘かった」としている。

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