「完全に虚偽報告です」「神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの?」 話題の「道路族マップ」はクレイマーたちの巣窟なのか? 現地で聞き込み取材してみた!

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「道路族」とは生活道路で大騒ぎする子どもやそれを放置する親を指す俗語で、昨今、社会問題化しているのだそうだ。そんな道路族が出没するポイントを利用者の投稿によって共有する“道路族マップ”なるサービスも話題になっている。しかし、この“道路族マップ”に困惑する人も少なくないという。 現地で聞き込み、その実態に迫る。 「道路族マップ」の投稿数は1万件以上 「道路族」。ひと昔前の保守系政治家によくみられた「建設族」の派生系の、道路利権に群がる政治家のことかと思いきや、全然違うらしい。

要するに生活道路で傍若無人なふるまいをして近隣住民に迷惑をかける子どものことを指し、「DQN TODAY」というWebサイトが提供する「【あぶない】道路族マップ【うるさい】」では、道路族の出没状況を利用者の投稿によって共有している。 同サイトのトップページでは「DQNとは自己中心的で非常識な言動を好む人たちを指します。DQNは社会にとって迷惑であり危険であり損失であり恥です。私はこの国からDQNがいなくなることを強く願いこのサイトを作りました」と運営のコンセプトが語られている。 運営者自身が10年以上前から自宅ワーカーで、自宅前の路上でサッカーや野球などをする子ども達の騒音や器物損壊行為に悩まされてきた「道路族の被害者」だというのだ。 2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。 「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「道路族」とは生活道路で大騒ぎする子どもやそれを放置する親を指す俗語で、昨今、社会問題化しているのだそうだ。そんな道路族が出没するポイントを利用者の投稿によって共有する“道路族マップ”なるサービスも話題になっている。しかし、この“道路族マップ”に困惑する人も少なくないという。 現地で聞き込み、その実態に迫る。
「道路族マップ」の投稿数は1万件以上 「道路族」。ひと昔前の保守系政治家によくみられた「建設族」の派生系の、道路利権に群がる政治家のことかと思いきや、全然違うらしい。

要するに生活道路で傍若無人なふるまいをして近隣住民に迷惑をかける子どものことを指し、「DQN TODAY」というWebサイトが提供する「【あぶない】道路族マップ【うるさい】」では、道路族の出没状況を利用者の投稿によって共有している。 同サイトのトップページでは「DQNとは自己中心的で非常識な言動を好む人たちを指します。DQNは社会にとって迷惑であり危険であり損失であり恥です。私はこの国からDQNがいなくなることを強く願いこのサイトを作りました」と運営のコンセプトが語られている。 運営者自身が10年以上前から自宅ワーカーで、自宅前の路上でサッカーや野球などをする子ども達の騒音や器物損壊行為に悩まされてきた「道路族の被害者」だというのだ。 2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。 「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「道路族マップ」の投稿数は1万件以上 「道路族」。ひと昔前の保守系政治家によくみられた「建設族」の派生系の、道路利権に群がる政治家のことかと思いきや、全然違うらしい。

要するに生活道路で傍若無人なふるまいをして近隣住民に迷惑をかける子どものことを指し、「DQN TODAY」というWebサイトが提供する「【あぶない】道路族マップ【うるさい】」では、道路族の出没状況を利用者の投稿によって共有している。 同サイトのトップページでは「DQNとは自己中心的で非常識な言動を好む人たちを指します。DQNは社会にとって迷惑であり危険であり損失であり恥です。私はこの国からDQNがいなくなることを強く願いこのサイトを作りました」と運営のコンセプトが語られている。 運営者自身が10年以上前から自宅ワーカーで、自宅前の路上でサッカーや野球などをする子ども達の騒音や器物損壊行為に悩まされてきた「道路族の被害者」だというのだ。 2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。 「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「道路族」。ひと昔前の保守系政治家によくみられた「建設族」の派生系の、道路利権に群がる政治家のことかと思いきや、全然違うらしい。

要するに生活道路で傍若無人なふるまいをして近隣住民に迷惑をかける子どものことを指し、「DQN TODAY」というWebサイトが提供する「【あぶない】道路族マップ【うるさい】」では、道路族の出没状況を利用者の投稿によって共有している。 同サイトのトップページでは「DQNとは自己中心的で非常識な言動を好む人たちを指します。DQNは社会にとって迷惑であり危険であり損失であり恥です。私はこの国からDQNがいなくなることを強く願いこのサイトを作りました」と運営のコンセプトが語られている。 運営者自身が10年以上前から自宅ワーカーで、自宅前の路上でサッカーや野球などをする子ども達の騒音や器物損壊行為に悩まされてきた「道路族の被害者」だというのだ。 2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。 「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「道路族」。ひと昔前の保守系政治家によくみられた「建設族」の派生系の、道路利権に群がる政治家のことかと思いきや、全然違うらしい。
要するに生活道路で傍若無人なふるまいをして近隣住民に迷惑をかける子どものことを指し、「DQN TODAY」というWebサイトが提供する「【あぶない】道路族マップ【うるさい】」では、道路族の出没状況を利用者の投稿によって共有している。
同サイトのトップページでは「DQNとは自己中心的で非常識な言動を好む人たちを指します。DQNは社会にとって迷惑であり危険であり損失であり恥です。私はこの国からDQNがいなくなることを強く願いこのサイトを作りました」と運営のコンセプトが語られている。 運営者自身が10年以上前から自宅ワーカーで、自宅前の路上でサッカーや野球などをする子ども達の騒音や器物損壊行為に悩まされてきた「道路族の被害者」だというのだ。 2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。 「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
同サイトのトップページでは「DQNとは自己中心的で非常識な言動を好む人たちを指します。DQNは社会にとって迷惑であり危険であり損失であり恥です。私はこの国からDQNがいなくなることを強く願いこのサイトを作りました」と運営のコンセプトが語られている。
運営者自身が10年以上前から自宅ワーカーで、自宅前の路上でサッカーや野球などをする子ども達の騒音や器物損壊行為に悩まされてきた「道路族の被害者」だというのだ。 2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。 「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
運営者自身が10年以上前から自宅ワーカーで、自宅前の路上でサッカーや野球などをする子ども達の騒音や器物損壊行為に悩まされてきた「道路族の被害者」だというのだ。
2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。 「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
2016年に「道路マップ」が開設されて、最初の1年で投稿数は600件ほどだったが、新型コロナウイルス騒動が本格化した2020年の3月に一気に拡大し3000件を突破、以降はうなぎのぼりで5月2日時点で1万1258件に達している。
「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている 利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている
「道路族マップ」のサイト画面。首都圏を中心に多くの「道路族」に関する投稿がされている

利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。 一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
利用方法はマップ上のマークをクリックすると、「タイトル」と「被害状況を説明する本文」が表示されるようになっており、引っ越し先で近隣の騒音トラブルに巻き込まれたくない人が活用できそうな内容になっている。
一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。 実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。 次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
一方で、道路で遊ぶことを一概に迷惑視してネット上に「晒す」行為には賛否両論があり、これまで海外を含めたメディアにたびたび紹介されて話題を呼んできた経緯もある。
実際に集英社オンライン取材班がマークされた地点、数十か所を回って聞き込み調査を行った結果、投稿された内容と実態が大きくかけ離れたものがほとんどであった。
次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。 「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
次ページより、「道路族マップ」でマークされているエリア、表示されるタイトル、本文と、現場で集めた“リアルの声”を列挙していく。
「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「書き込む人のほうがよっぽど怖い」 【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース1】 中央区東日本橋 <道路族マップに投稿された内容> 「通行の妨げ」 車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース1】
中央区東日本橋
<道路族マップに投稿された内容>
「通行の妨げ」
車が少ないからだと思うが道路を全面に使って遊ばせている。騒音、通行の妨げになっている。
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。 よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性) 【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント>
「確かに車はなかなか通らないとこだけど、道を全部使って子どもが遊んでるとこなんて何十年も見たことないよ。子どもの笑い声や話し声なら聞こえることもあるけど、それだってここで遊んでるからじゃなくて通りがかって聞こえるだけだから。
よっぽど神経質な人が誇張して書いてるんじゃないの? ずっと住んでる私が言うんだから間違いないよ」(近隣の酒屋店主60代男性)
【ケース2】 江東区森下 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもが騒いでいる」 ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース2】
江東区森下
<道路族マップに投稿された内容>
「子どもが騒いでいる」
ドッジボールや縄跳びをしています。平日の午後や、休日の早い時間から大きな声が聞こえます。
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。 そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代) 江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント>
「ドッジボールは見たことない。縄跳びや一輪車とかサッカーは見たことあるけど、気になったことないですね。道を塞いでるわけでもないし、大きな声と言ってもサイレンや工事の音じゃないんですから。しかも平日の午後と休日の日中って、子ども達が遊びに費やせる大切な時間帯じゃないですか。
そんなことにネチネチ言う上に、住所を載せて書き込む人がいる方がよっぽど迷惑で怖いですよ」(近隣に住む女性40代)
江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
江東区森下の現場付近 【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
江東区森下の現場付近
江東区森下の現場付近

【ケース3】 文京区南大塚 <道路族マップに投稿された内容> 「親子共々」 子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース3】
文京区南大塚
<道路族マップに投稿された内容>
「親子共々」
子どもがキャーキャー大騒ぎしているだけでなく、親も道路のど真ん中に駐車してなぜか全ドア開けたまま。自転車も道路に当たり前のように駐輪して暮らしている。
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。 なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦) 「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント>
「そんな非常識な方は見たことありません。そもそもこの地域は、うちも含めて小さな子どものいる家庭が多いし、すぐそばには保育園もあるので『子どものはしゃぎ声』にはみなさん寛容です。コロナ禍では、近くの公園にも行きづらくなったので、ここの道で近所の子10人くらいとよく遊ばせていました。
なんかその『道路族マップ』って、ご近所トラブルの原因になりますよね。新しく引っ越してくる方には、『ここは子育てするにはいい場所ですよ』と安心させてあげたいです」(近くに住む30代の主婦)
「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「敏感なクレーマーが住んでいる」 【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース4】 豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園 <道路族マップに投稿された内容> 「公園の中で遊んで」 すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース4】
豊島区雑司ヶ谷 雑司ヶ谷公園
<道路族マップに投稿された内容>
「公園の中で遊んで」
すぐそばが公園なのに、どういうわけか道路で遊ぶ子どもたち。毎日毎日、雨の日も風の日も集団で耳をつんざく声で叫びまくる。学校が終わってからすぐ駆けつけて騒ぎ、日が沈んで公園管理者に注意されても帰らない。「道路はひとが通るところだから、公園の中に入って遊びなさい」と何度注意しても聞かない。それどころか報復してくる。
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。 車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。 この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。 子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親) 雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント>
「毎週末、公園を利用していますが完全に虚偽報告ですね。公園が道路の両サイドに別れているので道路を渡る子どもはいても、道路で遊ぶ姿は見たことがありません。
車が通るのも昼間は2、3時間に1台程度で、しかも通るのは近隣の住人くらい。公園のいたるところに『こども飛び出し注意』の看板があり、幅も狭い道路なのでみなさん最徐行しています。
この公園の近隣には敏感なクレーマーが住んでいて、子どもの遊ぶ声が公園から聞こえると警察に通報するんですよ。昨年の夏に噴水で子どもを遊ばせていたら警察官が来られて、『110番を受けたら我々も来なければいけませんが、公園だし気にしないで遊ばせてください』と言われました。
子どもの声がよほど嫌いな方なのかもしれませんが、ご自身が子どもだったころはどうだったんでしょうね」(小学生2人の子どもを持つ40代の父親)
雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
雑司ヶ谷公園 【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
雑司ヶ谷公園
雑司ヶ谷公園

【ケース5】 墨田区両国 <道路族マップに投稿された内容> 「教室」 子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース5】
墨田区両国
<道路族マップに投稿された内容>
「教室」
子どもを通わせている親、そして子ども達が、送り迎えの際に集団で、長時間たむろしている。そのせいで歩道を通れず、また歩行者が来ても動こうとしない。加えて自転車を歩道に止めるだけでなく、一車線の道路の路肩に車を何台も止めている日も多くある。
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。 一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性) 迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント>
「ここのビルのバレエスタジオの生徒さんや親御さんについての書き込みかもしれません。ただあくまで送迎の際しか集まりませんから長時間ではないと思います。確かに送迎の自転車や車で一時的に道を狭めてしまってはいるかもしれませんが、苦情などは聞いたことがありません。
一応、相談してみようとは思います」(バレエショップ従業員30代女性)
迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
迷惑の基準は人それぞれだが… 【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース6】 文京区千石 <道路族マップに投稿された内容> 「子どもと親」 毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。 <実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
【ケース6】
文京区千石
<道路族マップに投稿された内容>
「子どもと親」
毎日のように子どもを道路で遊ばせている。車が来ても退くのに時間がかかり、親は見て待ってるだけ。道路の広範囲にチョークで絵を描き、もちろん消さない。
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント> 「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性) 以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。 なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
<実際に話を聞いた近隣住民のコメント>
「5、6年前に引っ越してきてから、ずっと迷惑しています。私、ふだんは夜の仕事なので、昼間に寝ることも多いんですよ。でも、午後2時ごろになると、ほぼ毎日母親と小さな子ども4人が出てきてキャッチボールしながらキャーキャー騒ぎだすので、ウザイったらないですよ。近くに公園あるんだから、そこでやれよって感じですね。チョークでラクガキするのは見たことないけど、そのサイトに書き込みした方の気持ちもなんとなく分かりますね」(真向かいのマンションに住む30代女性)
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以上、代表的なケースを6つほど紹介した。その他にも取材班は数十か所のマーク地点に聞き込みをして、多くの人がインタビューに答えてくれた。
なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。 豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
なかには投稿内容に対して、「ウチのことかも……」と思い当たる反応をする住民もいたが、それでも敷地内、常識の範囲内で遊ばせているそうで、子どもを放置していることもなく、投稿内容が過剰な表現になっていると反論する人がほとんどだった。
豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」 もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」
豊島区巣鴨で「ウチのことかも……」と話した30代の母。「子どもがはしゃぎ過ぎたら注意をしていたし、いいご近所づきあいができていたと思ってました。直接言ってもらえればもっと厳しく子どもに注意したのですが……」

もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。 投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。 果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
もちろん、“迷惑の基準”は人それぞれではあるが、今回大勢の人に聞き込みしたなかで、投稿内容どおりにはっきり「迷惑している」と答えたのは、【ケース6】のわずか1人だけ。
投稿内容と“リアル”の間には大きな乖離があると言わざるを得ない。
果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。 後編ではサイト運営者に直撃するとともに、有識者に話を聞き、「道路族」問題の根源を考えていきたい。 ※「集英社オンライン」では、「道路族」など近隣トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: [email protected] Twitter @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
果たして「道路族マップ」は本当に社会のためになっているのか。
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