「髪が崩れる」「保管が大変」自転車でのヘルメット着用に困惑 法改正で4月から“努力義務” 【静岡発】

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2023年4月から改正道路交通法が施行され、自転車に乗る時は大人もヘルメットを着用するよう努めなければならない。これまで児童や幼児に求められていた“努力義務”が、すべての年代に拡大された。利用者からは困惑の声も聞かれる。
静岡市葵区の自転車店。最近、特に売れている商品があるという。ヘルメットだ。
サイクルユートピアうみの本店・大脇建さん:(ヘルメットは)今だいぶ品薄にはなってしまっています。店に50個くらい置いてあるのですが、3分の1は(1週間で)確実に売れています

品薄となっているヘルメット。子供用のヘルメットに加え、最近は大人用の問い合わせも増えているという。価格は5000円から1万円のものが多く売れているそうだ。
その理由が、自転車に乗る際にヘルメットの着用が努力義務化されたことだ。2023年4月1日から改正道路交通法の施行で、すべての自転車利用者がヘルメットを着用するよう努めなければならないと規定された。罰則はない。
背景には自転車に乗っていて死亡した人の多くが、頭部にケガをしていることがあげられる。過去10年間に静岡県内で起きた自転車事故では、6割以上が頭部に致命傷を負っている。
ヘルメットを着用していなかった人の致死率は0.49%で、着用していた人の0.17%と比べ約3倍だ。自転車で危険な思いをした人も少なくない。
自転車利用者:一時停止を無視した車が横から来て、ひかれそうになった
高校生:狭い道路に入った時に車が後ろと前から来ると、怖いなと思う
街頭広報「4月1日から自転車のヘルメット着用が努力義務化されます。自転車に乗る時はヘルメットをかぶるようにしてください」
2023年1月、JR清水駅前では県と静岡市、それに警察が自転車利用者にヘルメット着用の努力義務化を知ってもらおうと街頭キャンペーンを行った。
清水警察署交通課・金岩史和 警部補:自転車がどれだけ危険なものか感じてもらい、自分を守るヘルメットをかぶったり、一時停止などのルールを守ってほしい

しかし、ヘルメットを着用するかどうか、街の声は様々だ。
自転車利用者:ずっとつけていないので、たぶんつけないと思います
自転車利用者:髪の毛がヘアセットしたのに崩れちゃうとか、女性だったらそういうのがあると思います
自転車利用者:自分が事故にあって死んだ時に子供たちが一番かわいそうだなと思って、かぶるようにしている
自転車利用者:しばらく様子を見ます。仕事に行っているからヘルメットをずっと持っているのはつらい
そして、頭を悩ませるのが高校生への指導だ。
高校生:あまりつけたくはないですね。小学生に戻ったみたいで
高校生:ヘルメットをかぶるのは恥ずかしいな。乗る時につけたり外したりするのも面倒くさいし、保管するのも大変だし
静岡県では2019年から県条例で、小中学生は自転車で通学する際にヘルメットを着用することが義務付けられている。2023年4月からヘルメットの着用の努力義務がすべての自転車利用者に課せられる中で、県教育委員会は高校生にどう指導していく予定なのだろうか。
県教育委員会 健康体育課・田中理一さん:学校現場からも、努力義務の中でどの程度 生徒に踏み込んで指導したらいいか、懸念する声も聞かれています。入学時というのは何かと物入りな時期でもあるので、経済的な負担を懸念する声も聞かれます

県教育委員会は高校生にへルメットの着用の大切さを伝え、着用を呼びかけていきたいとしている。
困惑する人も見られるが、ヘルメットで命を守ることができるのは確かだ。お気に入りのヘルメットを探して購入し、安全のためにかぶってみてはどうだろうか。
(テレビ静岡)

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