現場で強奪金品分配、「貢献度」で減額も 広域強盗

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全国で相次いでいる強盗事件で、実行犯が奪った金品の一部を、その場で「報酬」として分配したとみられることが28日、捜査関係者への取材で分かった。
犯行に応じて減額されていたケースも確認された。警視庁は、残る大半の強奪金品が、フィリピンの入管施設に収容されている指示役らに渡ったとみて流れを調べている。
捜査関係者によると、警視庁にすでに逮捕された男らの供述などから、実行犯の多くは、ツイッターで高収入バイトを探す中で指示役と直接やりとり。「100万円前後の報酬が得られる」と説明を受け、グループに引き込まれたという。
指示役は、強盗を「お仕事」と表現。「強盗に行くときは殺してもいい」などとし、細かく役割や手口を指示していた。指示通りにできたかどうかで「報酬」の額が決められ、減額のケースもあったという。
昨年10月に東京都稲城市の住宅から約3500万円や宝飾品などが奪われた事件では、逮捕された7人は、奪った現金の中から「報酬」を渡された。実行役は1人100万~150万円を受領。運転役は80万円で、貴金属などの処分役は強奪品の売却額の3~5%が取り分の予定だったが、買い取り額が指示された金額に届かなかったため、8万円へ報酬を減額されたという。
昨年12月に中野区の住宅から約3千万円が奪われた事件で逮捕された永田陸人容疑者(21)が身柄確保時に使用していた車からは高級腕時計3本を発見。1本は狛江市の強盗殺人事件現場から奪われたものとみられる。
実行犯はフィリピンの入管施設で身柄を拘束されている「ルフィ」などと名乗る人物から指示を受けていたとされ、警視庁が過去の特殊詐欺事件に関与したとして窃盗容疑などで逮捕状を取得した渡辺優樹容疑者ら4人との関連が浮上。警察当局は4人の身柄引き渡しを現地当局に求めている。警視庁は一連の強盗で、最終的にフィリピンの指示役に強奪金品の大半が渡ったとみている。

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