石破首相の最側近のパワハラ疑惑 「秘書は24時間365日勤務」…元秘書は「パワハラが全くないかと言われると…」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昨秋の衆院選での惨敗を受け、初めての通常国会に少数与党として臨む石破政権。法案・予算案成立に野党の協力が欠かせず、支持率停滞も続く難局の中、首相を支える最側近に対して目下、「獅子身中の虫だ」とその言動を危ぶむ声が地元で上がっているのだ――。
***
【写真を見る】213坪の豪邸! 石破首相の大邸宅
「“大臣になりたい”が口癖の人だったから、念願かなって、いまは張り切っているようです。謙遜のつもりか、“俺は首相の左腕”と公言していますが、彼の面従腹背ぶりを知る地元関係者の間では“そのうち石破さんの足を引っ張ることになるんじゃ……”と不安視されています」
とつとつとした口調でこう語るのは、石破茂首相(68)と赤澤亮正・経済再生担当大臣(64)の地元である鳥取県の自民党県議だ。
「首相の最側近」として知られる赤澤氏はかつて、石破氏を政策面から支えた“4人衆”の一人に数えられたが、
「いまや他の3議員、平将明・齋藤健・古川禎久と比べると、石破首相との距離の近さで赤澤氏は群を抜いている。内政面をはじめ、何かあれば相談する“頼みの綱”として首相は赤澤氏を重用しています」(全国紙政治部デスク)
石破政権が発足した昨年10月、初入閣を果たすと、ほどなくして首相官邸内に赤澤氏専用の執務室が設置されたことは本誌(「週刊新潮」)既報(昨年11月21日号)の通りだ。
「しかし、単なる大臣が官邸に部屋を設けたことに対する異論が絶えず、また赤澤氏が管轄外の政策にも口を出すことから“素人がこれ以上、出しゃばるな”と批判の声が党内からも上がり始めていた。そのため年が明けると専用部屋はなくなったものの、いまも赤澤氏が官邸へ頻繁に出入りする姿は確認されています」(同)
石破氏が頼りにしている様子は相変わらずというが、そんな二人の「本当の関係」について、地元県連関係者が明かす。
「報道などで、赤澤氏が石破先生の最側近と紹介されるのを目にするたび、何とも複雑な思いを抱かざるを得ません。決選投票で石破先生が逆転勝利を収めた昨年の自民党総裁選では当初、彼は“石破は負ける”と言い放ち、支援する素振りすら見せていなかったのです」
総裁選に向けた石破氏の選対本部が発足し、赤澤氏が事務総長に就任したのは昨年8月30日。その数日前、河野太郎氏の推薦人に名を連ねた牧島かれん衆院議員が鳥取県を訪れたといい、
「その際、赤澤氏が彼女に“お役に立てることがあるかもしれない”と秋波を送るかのような言葉をかけていたのを目撃した県議がいる。その話が広まり、“石破先生と赤澤先生がいよいよ切れたのか!?”とひそかに話題になりました」(同)
実はこれには「伏線がある」と話すのは自民党の元鳥取県議である。
「赤澤さんは岸田文雄政権下で政調会長だった萩生田光一氏の下で政調会長代理を務めていました。その頃、赤澤さんの口から石破さんの名前が出ることはなく、後援会の集まりではいつも“萩生田先生は大変素晴らしい方だ”などと持ち上げていた。これまで副大臣止まりだったので、大臣の椅子欲しさに露骨に権力に擦り寄っているように映りました」
地元での赤澤氏の放言はそればかりではない。
「赤澤さんは内輪の場などで“俺が大臣になれないのは(党内で嫌われている)石破についているからだ”と、ことあるごとに話していた。そんな恨み節を聞くたび、“いったい誰のおかげで選挙に勝ってこられたと思っているんだ”と眉をひそめる関係者は少なくありませんでした」(前出の元県議)
赤澤氏は東大法学部卒の元運輸官僚で、2005年の郵政選挙で初当選。現在まで当選7回を誇るが、「選挙は決して強くない」というのが地元での評価だ。
前出の県連関係者の話。
「例えば09年の衆院選では民主党の候補に626票差まで迫られる薄氷の勝利だった。それでも当選を重ねることができたのは自民党の看板と、ここぞという時に“側近アピール”で石破先生の名前を利用できたおかげだといわれています」
一方で選挙のたびにうわさの的となっていたのが、スタッフへの当たりの強さだったとか。
「選挙戦の最中、赤澤氏がスタッフを怒鳴る姿などが目撃されており、女性スタッフがあまりの叱責に泣いてしまい、選対幹部が仲裁に入ったこともあった。それだけでなく、秘書へのパワハラ気質も以前から指摘されていて、実際に私も彼の元秘書から“24時間365日働いていた”と聞かされたことがある」(前出の県連関係者)
実際はどうだったのか。元秘書の一人にパワハラ疑惑について直撃すると、
「(パワハラ的行為が)全くないかと言われると……それぞれの感覚なんでしょうね。24時間労働? 政治家や秘書はそもそも仕事とプライべートの切り分けが難しいですし、赤澤先生の期待に応える仕事をしようと思うとハードに……」
と歯切れの悪い答えに終始した。
永田町では「かつての岸田首相と木原誠二・官房副長官」の関係になぞらえられる二人だが、実態は違うと話すのは前出のデスクだ。
「当時の木原氏は、官僚がお伺いを立てに“木原詣で”をするほど強大な権限を持っていました。しかし赤澤氏にそんな力はない。事実、石破首相は赤澤氏が上げてくる案件を了承しないこともあるなど、岸田・木原ラインのような蜜月関係ではありません」
冒頭の県議が補足する。
「地元では“石破さんが赤澤氏とサシで酒を飲んだのはこの20年間で1回程度”という話が広く伝わっています。もともと酒席が好きではない石破さんですが、それでも少ない。つまり二人の関係はその程度ということ。石破さんも赤澤氏の過去の放言は承知しており、互いに心の底から信頼し合っているわけではない。やり切れないのは、石破さんにとって“参謀”と呼べる人物がそんな男しかいないという点です」
赤澤氏に過去の発言などについて事実確認を求めたが、締め切りまでに回答は得られなかった。
最側近の素顔を知れば知るほど浮かび上がるのは、石破首相の「孤独」である。
「週刊新潮」2025年2月6日号 掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。