森永卓郎氏 年収の壁引き上げ、現状の123万円に「維新が最後になって裏切ったというのが大きい」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎氏(67)が23日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に出演。「年収103万円の壁」引き上げについて言及した。
国民民主は、最低賃金が上昇している中で、103万円で据え置かれてきた所得税の非課税枠を、基礎控除と給与所得控除の合計で178万円まで引き上げるよう求め、「(24年度)補正予算案に賛成できないかも」などと揺さぶりをかけ、自公が譲歩。自公国3党幹事長が「178万円を目指して、来年から引き上げる」とした合意文書に署名した。
しかし、自公が物価上昇率に沿う123万円案を提示した後、額の上積みがないことに国民民主が反発し、協議はいったん決裂。103万円の壁に関しては結局、48万円の基礎控除と55万円の給与所得控除を10万円ずつ引き上げる内容を与党だけで税制改正大綱に記載。同時に、3党幹事長が協議継続を確認し、今後も3党協議が越年して続くことになった。
自民党の宮沢洋一税務会長は「それなりの成果を得た税制改正大綱だったと思います」と評価し「税というものは、やはり基本的に理屈の世界でありますから、しっかりとした理屈を伴ったものでなければいけない」と述べた。一方、元グラドルとの不倫で役職停止中の国民民主党の玉木雄一郎代表は「123万円ということで自民党、公明党の税制改正大綱に書き込まれました。数字が123万円と低いだけではなくて中身が全然ダメなんですよ」と指摘している。
森永氏は「103万円の壁の引き上げっているのが20万円プラスで123万円っていうところで今停まっているんですけれども、与党が出してきた案というのは実は基礎控除10万円アッププラス給与所得控除の最低保証額を10万円アップするの10足す10で20万です。だから最低保証なんて一般サラリーマンは関係ないんです。ギリギリの低所得の人たちには関係あるんですけれども。ということは10万円しか出してこないわけです」と指摘。
そして、「この10万円というのは、所得税、年収300万円台の人は5%くらいですから、あと地方税10%を合わせても15%。つまり1万5000円くらいの効果しかないわけですよ」と説明し、「あれだけ大騒ぎして、たった年間1万5000円。大山鳴動してねずみ1匹どころからアリンコ1匹くらいの状態で今止まっている。選挙で与党は負けたんです。にもかかわらずこういう状態なっているということは、高橋(洋一)先生も先週指摘されていましたけれども、維新が最後になって裏切ったというのが大きいのかなと思っています」と自身の見解を述べた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。