天台宗が、自宗派の性加害僧侶2人に「お手盛り処分」だ。
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被害者である尼僧の叡敦氏から僧籍剥奪を申し立てられていたのは、天台宗四国教区の山大寺(香川県三木町)の平井哲叡住職と、滋賀県内の寺院の大僧正(大阿闍梨)。天台宗は先月27日、住職について「罷免」、大僧正について「処分なし」とする決定を叡敦氏側に通知した。罷免は、住職などの役職からの罷免で、僧籍は残る。寺に住み続けることも、他の寺に移って新たに住職になることも可能だという。
■「エッチの相手を引っ張ってくるんや、仏さんは!」
この問題は、住職が2009年から23年にかけて14年間にもわたって、叡敦氏を自身の寺で心理的な監禁状態に置き、性行為を強要し続けたというもの。住職は「逆らえば地獄に落ちる」などと叡敦氏を脅し、逃げられないようにしていたという。住職が叡敦氏に「エッチの相手を引っ張ってくるんや、仏さんは!」などと、仏の意思であるかのように怒鳴りつける録音データもある。
この住職に叡敦氏を紹介し、被害発生後に揉み消しをはかったとされるのが、大僧正だ。叡敦氏から被害の相談を受けた際、100万円の「見舞金」を渡して黙らせようとしたり、寺を抜け出した叡敦氏を説得して寺に戻らせるなどしたという。
処分の報告を受けた叡敦氏は4月4日、代理人の佐藤倫子弁護士とともに都内で会見した。
「私の声を一度も聞いてくれることもなく、非公開の審判会でのこの結果に、絶望しています。(天台宗の規定で)私は不服申し立てをできない。それができる宗務総長に、不服申し立てをお願いします」(叡敦氏)
天台宗は、叡敦氏側が求めてきた第三者委員会も設置していない。
「“内輪の常識は世間の非常識”だったりする。フジテレビでも、当初の港浩一元社長の記者会見は、びっくりするほど危機意識がなかった。だからこそ、第三者委員会が設置されるのではないか」(佐藤弁護士)
ネット上では、浄土真宗本願寺派の僧侶を代表として昨年設立された「宗教者からの性暴力被害者を支援する会」が2日から、宗務総長に不服申し立てを求める署名活動を展開。早くも、6日時点で2万4000筆が集まっている。
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フジの一連の問題に関する第三者委の調査報告書が提出され、佐々木恭子アナの現状に注目が集まっている。果たして今後の処遇は――。●関連記事『【もっと読む】“3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは』で詳報している。