南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会は、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。一方、紀伊半島南部では、その地域としては初めて「長期的ゆっくりすべり」と呼ばれる現象を検知したと報告しています。今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、気象庁は専門家による定例の評価検討会を開き、地震や地殻変動について分析をおこないました。先月1日から今月4日までの期間に、想定震源域とその周辺では目立った地震活動はありませんでした。

一方、紀伊半島南部で、この地域としては初めて「長期的ゆっくりすべり」と呼ばれる現象を検知したことが明らかになりました。「長期的ゆっくりすべり」とは、プレートの境界で地震波を発生させずに長い時間をかけて、ゆっくりと滑る現象です。観測された期間は2020年初めから、2024年秋ごろまでとしています。ただし、ほかの場所で観測されてきたゆっくりすべりと同じような深さで発生していることなどから、異常な現象ではないとみています。こうしたことから、検討会は南海トラフ周辺で「大規模地震の発生の確率が相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。一方、評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、「何の前触れもなく南海トラフで大きな地震が起きることの方がずっと多く、決して安心して良いというわけではない」として、日頃から地震への備えをするよう呼びかけています。
南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会は、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。一方、紀伊半島南部では、その地域としては初めて「長期的ゆっくりすべり」と呼ばれる現象を検知したと報告しています。
今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、気象庁は専門家による定例の評価検討会を開き、地震や地殻変動について分析をおこないました。先月1日から今月4日までの期間に、想定震源域とその周辺では目立った地震活動はありませんでした。
一方、紀伊半島南部で、この地域としては初めて「長期的ゆっくりすべり」と呼ばれる現象を検知したことが明らかになりました。
「長期的ゆっくりすべり」とは、プレートの境界で地震波を発生させずに長い時間をかけて、ゆっくりと滑る現象です。
観測された期間は2020年初めから、2024年秋ごろまでとしています。
ただし、ほかの場所で観測されてきたゆっくりすべりと同じような深さで発生していることなどから、異常な現象ではないとみています。
こうしたことから、検討会は南海トラフ周辺で「大規模地震の発生の確率が相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。