11月に投開票された兵庫県知事選挙で再選した斎藤元彦知事。勝因の1つとされたSNS戦略をめぐり、公職選挙法違反の疑いが相次いで指摘される中、12月2日、新たな動きがりました。 (神戸学院大学 上脇博之教授)「選挙運動に対する報酬の支払いとなると、買収・被買収が成立するということで、告発できると判断した」 神戸学院大学の上脇博之教授ら2人が、斎藤知事と兵庫県内のPR会社の社長を刑事告発したのです。 告発状によりますと、斎藤知事は11月の兵庫県知事選挙でインターネット上の選挙運動を含む広報全般を企画・立案したPR会社の社長に70万円あまりの報酬を支払ったとして、公職選挙法の「買収」の疑いがあるとしています。

(上脇博之教授)「この件は『客観的な資料』として被買収側が正直に実態を語っているわけですよね。どう考えても、選挙に主体的に、かつ、裁量のある、戦略的なPR活動を行ったことは明らか」 上脇教授が「正直に実態を語っている」と指摘したのは、PR会社の社長が11月にネット上に投稿したコラムです。 【PR会社社長のコラムより】 『とある日、オフィスに現れたのは、斎藤元彦さん。それが全ての始まりでした』 社長は斎藤知事陣営のSNS戦略について「監修者としてコンテンツ企画などを責任をもって行った」などと成果を記していました。 選挙運動の対価としてPR会社に報酬が支払われていれば、公職選挙法が禁じる「買収」にあたる可能性がある中、斎藤知事側は先週、PR会社からの請求書を公開。70万円あまりを支払ったことを認めましたが、支払いの名目はポスター制作費などで、「選挙運動への対価ではない」と主張しました。そのうえで、SNS運用などの一連の行為は社長個人としての「ボランティア」だったと説明したのです。 2日に取材に応じた斎藤知事は、これまで通り、公選法違反にはあたらないという考えを強調しました。 (兵庫県 斎藤元彦知事)「ボランティアの中で、私も含めて運用していたということです。いずれにしても公選法に抵触するようなことなどはないと認識しています」 一方、知事選をめぐっては、出馬していた立花孝志氏が先週末、SNS上で、斎藤知事の疑惑の告発を行った元県民局長のものとされる私的な情報を拡散。元県民局長の公用パソコンに保存されていたと主張しています。立花氏の行為について斎藤知事は… (斎藤元彦知事)「私自身はそれが本物かどうか承知していません。(Q情報が漏えいしていれば、地方公務員法違反だが?)SNS上で出ている文章がどういうものか、私もまだ確認できていませんので、事実関係を確認していくことが大事だと思います」 斎藤知事は対応について副知事らとすでに相談していて、第三者委員会の設置を検討するとしています。