2歳の男の子と父親ら3人の車が飲酒運転のトラックとぶつかり死亡した事件です。男が危険運転致死傷の罪で起訴されなかったことを受け、遺族が「納得できない」と語りました。
塚越湊斗ちゃんの母親「(湊斗ちゃんの)誕生日が(今月)28日にあるんですけど、家族で過ごすことを楽しみにしていたので、それを迎えることができないのはとても悔しいです」
今月28日に3歳の誕生日を迎えるはずだった、2歳の塚越湊斗ちゃんと父親の寛人さん(26)。さらに、祖父の正宏さん(53)の3人の命は突然、奪われました。
今年5月、群馬県伊勢崎市で湊斗ちゃんら3人が乗る乗用車に飲酒運転のトラックが衝突したのです。
警察は、酒を飲み正常な運転が困難な状態でトラックを運転し、死亡させたなどとして、運転手の鈴木吾郎被告(69)を危険運転致死傷の疑いで逮捕。
しかし、前橋地検は今月10日、鈴木被告を逮捕容疑より法定刑が軽い過失運転致死傷の罪で起訴したのです。
起訴を受け、きょう、湊斗ちゃんの母親らが取材に応じました。
湊斗ちゃんの母親「過失運転致死傷罪に変わったことを聞いたときは、とにかく何でという気持ちが強かったです」
逮捕段階で明らかになった飲酒運転について、起訴されなかったことに疑問を感じています。
湊斗ちゃんの母親「会社のチェックの後に飲んだという、悪質すぎる飲酒運転なのに、なぜそれが危険運転にならないのか。それが過失になるのなら、なんでもありな運転になってしまう」
湊斗ちゃんの伯父「過失で済むことに対しては、すごくモヤモヤしてやるせない気持ちで本当にいっぱいですし、何のための法律なのかがわからなくなってしまっている状態です」
関係者によりますと、鈴木被告は過去に、乗務前の検査でアルコールが検出され、トラックに乗れなかったことが2回あったといいます。
湊斗ちゃんの曽祖母「長い間、飲酒運転はいつもしている常習的な部分(がある)方だったみたい。それを会社側も気がつかなかったのかなって。わからないのが不思議ですね」
亡くなった3人には、まだ報告できていません。
湊斗ちゃんの母親「危険運転致死傷罪になってからしっかり報告したいと思っているので、このまま過失運転致死傷罪で起訴されるのは到底納得できないですし、何とかして危険運転致死傷罪になるように捜査は続けていってもらいたいです」