自民党の総裁選で、JNNは投票総数の半数を占める国会議員票の動向を探りました。その結果、全体の議員の8割以上の投票先が判明し、50人以上の支持を得た小泉進次郎元環境大臣がトップに立っていることが分かりました。
きょうも論戦が続いている自民党の総裁選。
JNNの取材で、投票総数の半分を占める国会議員票について、小泉進次郎元環境大臣が50人以上の票を固め、トップに立っていることが分かりました。小林鷹之前経済安保担当大臣がこれを追う展開です。
また、林官房長官と茂木幹事長は40人前後の票を、石破元幹事長、高市経済安保担当大臣は30人以上の票を固めました。河野デジタル大臣がこれに続いています。残る上川外務大臣、加藤元官房長官は推薦人20人からほとんど支持が広がっていません。
小泉氏は菅前総理のグループを中心に幅広く支持を集めているのに対し、小林氏は解散を決めた安倍派や二階派を中心に、中堅・若手議員が多く集まりました。
ただ、まだ40人以上の議員が投票行動を明らかにしておらず、地方票の動向を見て支持を変えたりする議員も一定数いることから、情勢は変わる可能性があります。
こうした中、各候補者はきょうは能登半島地震の被災地で討論会に臨みました。自民党の青年局・女性局が主催した討論会。各候補からは若者や女性の活躍に関する訴えが多く聞かれました。
自民党 小林鷹之前経済安保担当大臣(49)「当選4回、40代、サラリーマン家庭で生まれ育った私が総理総裁になることが、この自民党を本気で本気で変えることの象徴になる」
自民党 河野太郎デジタル大臣(61)「地方議会から女性議員の割合を増やしていく、必要なら公認推薦の中で割り当てを決める。それぐらいの覚悟でやっていかなければならないのではないかと思います」
自民党 上川陽子外務大臣(71)「鍵は女性と地方です。女性とそして地方が主人公になる政策のパッケージ、これが私が皆さんと一緒に取り組んでいきたいことです」
自民党 林芳正官房長官(63)「働き方改革をこの政治の世界にも入れて、リモートなど、男の人でも女の人でも十分に仕事ができる、この体制を作ってまいりたいと思います」
また、候補者同士による質問も行われました。
【“防災省”について】自民党 加藤勝信元官房長官(68)「(石破さんは)最終的には(防災)省とおっしゃって、『省』は基本的に執行部隊を一定程度持って、どうしても内閣調整機能が弱くなると思うが」
自民党 石破茂元幹事長(67)「多くの省庁を束ねる形のものは多分何年もかかると思っています。急ぐのは、まず今の(体制の)強化、次は防災庁、そういう順番でやってまいります」
【“USスチール買収”について】自民党 茂木敏充幹事長(68)「私はUSスチールの買収も含め、日米相互間の投資の拡大は両国のメリットになると。高市候補が総理になったら、(USスチール買収の)問題にどう対応されますか」
自民党 高市早苗経済安保担当大臣(63)「同盟国同士ですから、ウィンウィンの関係になるということを強く訴え続けていきます。もっと怖いのはコンビニの買収です、それもファンドによる(買収)。それでまた懸念国に売り飛ばされるということになると怖いなと思っている」
このほか、小泉元環境大臣に対しては、きょうも解雇規制の見直しの真意を問う質問が飛びました。
自民党 小泉進次郎元環境大臣(43)「これから企業が働く方に、常時にリスキリングをしっかりやること。再就職の支援もやって、内部の中での配置転換だけではない新しい選択肢を作ることが大事なことだと思っています」
総裁選は、地方票を含めていずれの候補も1回目の投票では過半数を獲得できないことから上位2人による決選投票にもつれこむのが確実な情勢となっています。