入学式シーズンが終わり、GWに突入。新入生にとって、大学生になって初めての連休ということで、本格的にサークル活動に力を入れる時期になってきたのではないだろうか。
学部や学年という枠を超えて、共通の趣味や興味を持った学生が集まるサークルに所属することは、友人づくり以上の意味があるだろう。ただ、ほとんどのサークルは問題ないが、なかには先月、問題になった神戸大学の『BADBOYS』のように、活動中に問題行動を起こしてしまうサークルもある。
そういった問題行動を起こしてしまうサークルの多くは、『飲みサー』と呼ばれる宴会サークルだ。
多くの大学で問題視されているものの、令和になっても飲みサーは健在のようで、超のつく名門と呼ばれるような大学でもその存在が確認できる。
実際に、都内の名門私立大学の男子学生に話を聞くと、コロナの影響で多くの飲みサーは活動が縮小され、コロナ前と同じような活動ができていないものの、現在も活動をしているサークルもあると教えてくれた。
その実態について更に詳しく話を聞いてみたところ、衝撃的な答えがかえってきた。
「名門私大のあるサークルが本当にひどいことをしているみたいですね。新歓の時期になると、ひっそりと勧誘をしています。リムジンを貸し切って3年生が、1年生の女の子だけを連れ込んで酔い潰すパーティが開かれるって聞きます」
このようなサークルは、オーランサークル(オールラウンドサークル)と呼ばれていて、具体的なサークル活動はなく、名目だけで結成されていることが多い。
そして、活動内容が定まっていないため、週に一度イベントをしている等と実績の部分に書いてある場合が多いのだという。他にも、テニス、ビリヤード、バドミントンをしている大学非公認サークルは飲みサーが多い。
また、新歓のときに未成年の新入生にお酒をすすめる学生が多いのも、飲みサーの特徴の1つだ。
このようなサークルは私立大学だけでなく、国立大学にも存在しているようで、都内の名門国立大学の学生からも話を聞くことができた。
その学生が言うには、そういったサークルは飲み会のたびに酔って暴れるため近くの居酒屋はすべて出禁になっており、合宿と銘打って近場のコテージを貸し切りにし、飲み会をするのだという。なかでも、特にひどいと言われているサークルについて話を聞くと、考えられないような活動を行っているサークルを教えてくれた。
「コテージを2棟貸し切りにして合宿という名目で飲み会をしているそうです。1つは荷物置き場兼潰れた人を放置する場所。もう1つが宴会場です。ひたすら潰れるまで酒を飲んで、騒ぎ散らかしているみたいで、素っ裸になって山の中を走り回っている動画も見せてもらいました。男子も女子も関係なくただただ大音量で音楽を流しながら飲み続けるみたいです」
サークルが去った後は、コテージの設備が度々破壊されているという。勿論損害賠償を請求されるようだが、このサークルでは、楽天モバイル等の格安回線を予約のためだけに部費で契約して、短期間で解約する手法で逃げているようだ。
どれだけ騒いでも周りには身内しかいないため、通報されることはない。飲みサーの特徴として、合宿をしなくてもいい活動内容のサークルなのに、合宿がメインイベントになっているサークルは注意が必要とのことだ。
また、これまでに挙げたサークルとは別に、特定の宗教団体やマルチの団体が勧誘のために作ったサークルもあるのだとか。そういったサークルは人通りが少ない場所にいる新入生を見つけて声を掛けているのだという。
「新歓に疲れて人が少ないところに行くと突然現れました。『君、これに興味ない?』って。そこで渡されたのは宗教?マルチ?みたいなことがかかれていた紙で、怖くなってすぐに逃げました。友人に話を聞いてみると、新興宗教の勧誘がたまに敷地内に紛れ込んでいるみたいで、そこで信者を増やしているそうです」
大学の敷地には学生以外も入ることができる。犬の散歩、写真を撮りに来た人など、さまざまな人が自由に出入りできるため、このような勧誘をしてくる人がいても、おかしくはない。宗教の勧誘のために作られた非公認サークルも都内では珍しくないという。
せっかくの大学生活が悪質なサークルのせいで台無しになってしまわないよう、今入っているサークルが本当に自分のためになるのかを見直す時間を持ったほうがいいのかもしれない。
取材・文・PHOTO:白紙 緑