3日午後2時35分ごろ、宮崎市古城町丸尾の私立鵬翔(ほうしょう)高校グラウンドで「サッカーの試合中に落雷があった」と119番があった。市消防局や宮崎県警などによると、当時は鵬翔高と熊本県立鹿本(かもと)高(同県山鹿市)のサッカー部員らがグラウンドにおり、計18人を搬送。うち鹿本高の生徒2人が意識不明の重体だったが、その後、1人の意識が回復した。他に1人が中等症、15人は軽いけがとみられる。
【写真】落雷事故が起きた時間の空の様子は
両校によると、落雷時は鵬翔高の部員が試合形式での練習をしており、鹿本高の部員はウオーミングアップ中だった。落雷の予兆は感じられなかったといい、練習を中止したり、屋内に退避したりすることは検討しなかったという。
鵬翔高は全国高校サッカー選手権での優勝経験もある強豪で、鹿本高の部員や顧問計約30人が遠征で訪れていた。グラウンドから数百メートル離れた福祉施設の女性職員(38)は「ゴロゴロという音もしないまま突然、『バシャーン』という激しい音がしてびっくりした。しばらくして救急車が来て、近くに雷が落ちたのかと思った」と驚いていた。
宮崎地方気象台によると、九州南部は前線が接近した影響で大気が不安定な状態となっており、2日夕には雷注意報が出ていた。【下薗和仁、野呂賢治、加藤学】